住宅ローンとがん保障(がん団信)で家庭を守るイメージ

国立がん研究センター「がん統計」によると、2021年に新たにがんと診断された人は全国で約99万人(98万8,900人。男性55万5,918人・女性43万2,982人)にのぼり、1975年の約20万人からおよそ5倍に増えています。生涯でがんに罹患する確率は男性61.1%・女性50.1%で、いずれも「2人に1人」という水準です。

患者数が増えている主な背景は高齢化で、がんという病気が顕在化していることが要因とされています。一方で医療の高度化により、がんは以前ほど「不治の病」ではなくなってきました。がんと診断された人の5年相対生存率は近年6割を超えており、治療をしながら暮らしを続ける方も少なくありません。

だからこそ考えておきたいのが、治療期間中の「住宅ローンの返済」です。生命保険は死亡時の保障が中心で、がんと診断されたあとの生活や毎月のローン返済までは必ずしもカバーされません。住宅ローンは長期にわたって毎月の支払いが続くため、がんに備える「がん団信(がん保障付き団体信用生命保険)」を検討する意味は大きいといえます。

そこでこの記事では、「がん」と診断されたときに住宅ローンの負担が軽くなる・なくなる保障が付いた住宅ローンを、主要な銀行ごとに横並びで比較します。各行の「金利上乗せなしで付く保障」と「金利を上乗せして手厚くできる保障」を整理しました。最新の保障内容・上乗せ金利・年齢条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

がん団信の比較早見表

銀行金利上乗せなしで付く保障上乗せで手厚くできる保障
auじぶん銀行がん50%保障団信+全疾病保障(がん診断で残高が半分に)がん100%保障団信 年0.05%/がん100%保障団信プレミアム 年0.15%
ソニー銀行がん団信50(がん診断で残高が半分に)がん団信100 年0.1%(残高ゼロ+がん診断給付金100万円)
イオン銀行全疾病保障付団信がん保障付 年0.1%(がん診断で残高ゼロ)/8疾病保障プラス付 年0.3%
住信SBIネット銀行スゴ団信(全疾病保障が基本付帯)3大疾病・がん保障などのプランを選択可
SBI新生銀行一般団信+全疾病保障付団信(負担ゼロ)ガン団信 年0.1%(がん診断で残高ゼロ/全疾病保障付団信とは併用不可)

※上乗せ金利・保障内容・付帯できる年齢は改定されることがあります。がん保障の付帯は「満50歳未満」などの年齢制限がある銀行が多いため、最新の条件は各行公式でご確認ください。

auじぶん銀行

ネット銀行の中でも団信の手厚さで人気が高いのがauじぶん銀行です。金利の上乗せなしで「がん50%保障団信」が付帯し、所定のがんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分になります。さらに全疾病保障(長期入院保障)なども無料で付くため、金利以外の安心感が大きいのが特徴です。

より手厚い保障を求める場合は、金利を年0.05%上乗せする「がん100%保障団信」や、診断給付金などが加わる「がん100%保障団信プレミアム」(年0.15%上乗せ)も選べます。がん・4疾病50%保障などの付帯には満50歳までなどの年齢条件があるため、借り換えを考えている方は早めの検討がおすすめです。

auじぶん銀行の公式サイトはコチラ

ソニー銀行

がん保障の充実度で、auじぶん銀行と並んで検討したいのがソニー銀行です。金利上乗せなしの「がん団信50」で、所定のがんと診断されると住宅ローン残高の50%相当が保障されます。

金利を年0.1%上乗せすれば「がん団信100」にアップグレードでき、がんと診断確定した時点で住宅ローン残高がゼロになるうえ、がん診断給付金100万円も受け取れます。一般に100%保障のがん団信は0.2%の上乗せが必要なことが多く、0.1%で付けられるのはソニー銀行の強みです(付帯は満50歳未満)。

ソニー銀行の公式サイトはコチラ

イオン銀行

日本を代表する流通グループ、イオンが展開するイオン銀行の住宅ローンは、生活密着型の設計が魅力です。金利上乗せなしで全疾病保障付団信が付き、病気やケガで働けなくなった場合の返済を保障します。

がんに手厚く備えたい場合は、年0.1%の上乗せで「がん保障付住宅ローン」を選べ、がんと診断されると住宅ローン残高がゼロになります。さらに年0.3%の上乗せで「8疾病保障プラス付住宅ローン」を付ければ、3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)に加えて所定の生活習慣病まで保障の対象を広げられます(所定の就業不能状態が一定期間続いた場合など。詳しい条件は公式サイトをご確認ください。付帯は満50歳未満)。

イオン銀行の公式サイトはコチラ

住信SBIネット銀行

日本最大級のネット専業銀行である住信SBIネット銀行は、金利上乗せなしで全疾病保障が基本付帯される「スゴ団信」が特徴です。がんを含む幅広い病気やケガをカバーし、所定の就業不能状態が続いた場合などに住宅ローン残高が保障されます。

年齢や希望に応じて、3大疾病保障やがん保障を手厚くしたプランも選べます。保障内容・上乗せ金利・年齢条件はプランごとに異なるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。

住信SBIネット銀行の公式サイトはコチラ

SBI新生銀行

全国に実店舗を構えつつ、諸費用の分かりやすさで人気なのがSBI新生銀行です。団信も見直しが進み、2026年3月からは、すべての病気・ケガによる就業不能状態に備える「全疾病保障付団信」を、金利の上乗せなし・負担ゼロで付帯できるようになりました。基本となる一般団信も上乗せ0円のため、コストを抑えつつ保障を確保しやすいのが強みです。

がんに重点的に備えたい場合は、金利を年0.1%上乗せする「ガン団信」を選べ、所定のがんと診断確定された時点で住宅ローン残高がゼロになります(ガン団信と全疾病保障付団信は併用できず、どちらかを選ぶ形です)。店舗相談とオンライン手続きの両方に対応し、SBIグループとしての安心感がある点も、選択肢として検討する価値があります。

SBI新生銀行の公式サイトはコチラ

結局どの銀行を選べばいい?

どの銀行の保障を選ぶかは、ご自身が重視するリスクによって変わります。「とにかくがんに特化して備えたい」なら、がんと診断されるだけで残高が半分になるauじぶん銀行ソニー銀行、残高がゼロになるイオン銀行(がん保障付)が候補です。がんに限らず幅広い病気・ケガに備えたいなら、負担ゼロで全疾病保障を付けられるSBI新生銀行住信SBIネット銀行も検討したいところです。

ポイントは、金利の上乗せ幅と保障範囲のバランスです。がん50%保障や全疾病保障のように上乗せなしで付く保障もあれば、残高をゼロにするために年0.1〜0.3%程度の上乗せが必要な保障もあります。総返済額への影響も踏まえ、無理のない範囲で必要な保障を選びましょう。

がん団信を選ぶときのよくある質問

Q. がん団信に入れば、がん保険は不要ですか?
A. 目的が異なります。がん団信は「住宅ローンの返済」を保障するもので、治療費・入院費や当面の生活費までは必ずしもカバーしません。手元の資金が必要な場面には、がん保険や医療保険との役割分担で考えるのがおすすめです。

Q. 「がん50%保障」と「がん100%保障」はどう違いますか?
A. がん50%保障は、がんと診断されると住宅ローン残高の半分が保障されます(多くは金利上乗せなし)。がん100%保障は残高がゼロになりますが、年0.05〜0.2%程度の金利上乗せが必要な場合が一般的です。診断給付金などの一時金が付くかも銀行によって異なります。

Q. 年齢による制限はありますか?
A. がん保障などの特約付き団信は、加入時の年齢を「満50歳未満」などに制限している銀行が多くあります。借り換えでがん団信を付けたい場合は、年齢条件に達する前に検討するとよいでしょう。

Q. 申し込めばすぐに保障が始まりますか?
A. がん保障は、借入日(保険加入日)から90日程度の免責期間を設けている銀行が一般的です。その期間中にがんと診断されても保障の対象外となる点に注意が必要です。詳細は各行の公式サイトでご確認ください。

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