(2021年1月4日更新)
フラット35の借り換えとは
フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供される住宅ローンの1つで、住宅ローンの借入期間の金利を固定(確定)するタイプの住宅ローンです。フラット35取扱の金融機関の中には、自社が提供しているフラット35から最新金利のフラット35への借り換えを取り扱っていないケースが大半でしたが、現在は多くの金融機関がフラット35の借り換えに対応しています。この数年、フラット35の金利右肩下がりですので、フラット35からフラット35へ新たに借り換え直す人も非常に増えてきていると言われています。
長期固定住宅ローンのフラット35を徹底活用
今、住宅ローンは歴史的低金利が続いています。日銀・政府による人為的・強制的な低金利とも言えます。2016年1月29日に、日銀政策決定会合でマイナス金利政策の実施が決定され、同年9月には長期金利の0%誘導を開始してから、日本の金利は非常に低い水準で推移しています。ここまで低金利になると、特にお金に関する相談を受け付ける事の多いお金のプロ、いわゆるフィナンシャルプランナーなどの人は長期固定タイプの住宅ローンをおすすめしていることも多くなってきています。
このページをご覧の方の中にはすでにフラット35で借り入れを行っている人もいらっしゃるかもしれませんが、長期固定金利の住宅ローンの代表と言えるのがフラット35です。
なぜ、お金のプロほど長期固定金利の住宅ローンをおすすめしていることが多いのでしょうか?
- (1)今、日本の金利は過去にない異例の低金利水準であること
- (2)しかも、経済活動から自然に生まれた金利水準ではなく、人為的・強制的に政府・日銀が作り出しているものであること
- (3)そんな政府が作り出した不自然な金利が、この先何十年も続くわけながいこと
- (4)それであれば、今の低金利で住宅ローン借入期間を通して確定できる長期金利タイプの住宅ローンが最適な選択だろう
ということですね。簡単に言うと今のこの低金利は長続しないかもしれないし、先の長い住宅ローンだからこそ金利を低い水準で全期間の金利を確定させておきましょう、とうことになります。長期固定タイプの住宅ローンの代表と言えばフラット35ですね。ここではフラット35に焦点をあててその効果を確認してみたいと思います。
そもそもフラット35からフラット35に借り換えはできる?
冒頭に記載したとおり結論としては可能です。多くの銀行や金融機関で自社→自社への借り換えは行えないことが多く、勘違いしている人が多いのですが、フラット35からフラット35に借り換えは問題なく行えますし、同じ金融機関の中で借り換えを行うことも可能です。
フラット35などを利用して、2.0%~3.0%程度の金利で借り入れを行っている人にとって、今はまさに借り換えのチャンスと言えますね。
それではさっそく、過去にフラット35や民間銀行の長期固定住宅ローンで、「住宅ローン残高:2500万円、残りの返済期間:20年、金利:年2.5%」で借り入れている人」のケースをサンプルに借り換え効果を確認してみましょう。
住宅ローン残高 | 残りの返済期間 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 支払利息合計 |
---|---|---|---|---|
2,500万円 | 20年 | 約132,000円 | 約3,180万円 | 約680万円 |
現時点での借り入れ元本が2500万円の場合、なんと860万円以上の利息を支払う必要があり、合計で3,360万円もの金額を返済することになります。これを、フラット35やインターネットで非常に人気を集めている住宅ローンに借り換えた場合、どこまでお得になるのでしょうか?
まずは金利・利息意外に必要な諸費用を確認しておきましょう。借り換えを行わない場合は、すでに支払っているので0円、費用はかかりませんね。
借り換え無し | 新生銀行 | |||
---|---|---|---|---|
事務手数料(税込) | 0円 |
247,500円 (返済口座を楽天銀行に指定) |
275,000円 |
110,000円 |
保証料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
その他費用 | 0円 | 200,000円 ※概算値。抵当権設定・司法書士費用・収入印紙代などを含みます。条件によって異なります。 |
||
合計 | 0円 | 約45万円 | 約48万円 | 約31万円 |
※シミュレーションは当サイトによるものです。必ず各銀行のシミュレーションで確認してください。
住宅ローンの借り換えと言っても、新しく住宅ローンを契約することになりますので、どうしても費用はかかってしまいます。諸費用では楽天銀行のフラット35事務手数料、0.990%(税込)と高いパフォーマンスを見せていますね。新生銀行の融資事務手数料も一律110,000円(税込)と高い競争力がありますね。
次は毎月の返済額・総返済額がどうなるか、確認してみましょう
借り換え無し | 新生銀行 | |||
---|---|---|---|---|
ローン残高 (元本) |
2,500万円 | |||
借入れ期間 | 20年 | |||
返済方法 | 元利金等返済 | |||
金利プラン | 固定金利(残りの20年の金利を固定) | |||
金利 | 2.50% |
1.200% |
1.200% |
0.950%(20年固定金利) |
毎月の返済額 | 約132,000円 | 117,218円 | 117,218円 | 約114,000円 |
返済額合計 | 約3,180万円 |
約2,815万円 |
約2,815万円 |
約2,748万円 |
元利合計の返済額ではほぼ横並び!
超低金利を活用して返済額を大きく減らせることがわかりますね。もちろん、ネット銀行などの民間の住宅ローンも超低金利ですのでしっかりつ追随しています。
結果的に、「金利・毎月の返済額を確定させているにも関わらず」、毎月1万円以上の返済額を節約できることがわかりますね。もちろん、この試算で利用している、住宅ローン残高:2500万円、残りの返済期間:20年、借入金利:2.5%と条件が異なる場合はさらに節約効果が見込めます。
変動金利へ借り換える場合、毎月の返済額や総返済額は減らせますが、ご存じのとおり変動金利は金利上昇リスクがあります。一方で、長期固定金利への借り換えはそのリスクがなく確実に節約できることを意味します。
最後に諸費用・元利合計の返済額を合算してみましょう。
借り換え無し | 新生銀行 | |||
---|---|---|---|---|
総費用 | 約3,180万円 |
約2,860万円 |
約2,862万円 |
約2,779万円 |
差額 | – | 約320万円 |
約318万円 |
約401万円 |
いずれの住宅ローンも拮抗!超低金利時代による金融機関の競争激化
今さすがに人気の住宅ローンですね、しっかりと返済額の節約効果があることが確認できます。フラット35は団信への加入が任意ですのであり、団信なしで住宅ローンを借り換えた場合には年0.2%の金利引き下げが適用される点は念頭に入れておきたいところです。
なお、新生銀行の住宅ローンには要介護状態になった際の保障、「安心保障付団信」が付帯されており、フラット35より保障が充実しているといえるでしょう。
固定金利から固定金利への借り換えの場合、金利変動のリスクなく、純粋にローン返済の節約効果が見込めます。歴史的低金利を最大限活かて借り換えを検討してみてはいかがでしょうか?フラット35は数多くの金融機関が提供していますが、その中でも楽天銀行とARUHIは常にフラット35最低水準の金利を提供しています。
当ページで紹介した住宅ローンは住宅ローン業界全体の中でもおすすめしたい住宅ローンです。節約効果は多少の違いがありますが、いずれも大変おすすめできる住宅ローンですので、ぜひ、ご参考ください。