(2023年9月13日更新)
住宅ローンの金利推移・金利動向は?
日銀はマイナス金利政策を未だに継続し、安定的な物価上昇率2%を大きな目標にして大規模金融緩和を行っています。
新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ問題など様々な世界経済の影響を受けて日本でも物価が急激に上昇していますが、今のインフレはコストプッシュインフレと呼ばれ、国民の収入が増えながらインフレが進む望んでいたものではありません。
世界的にも急激なインフレは進んでいて、新型コロナウイルスのパンデミックによる世界各国の財政支出、金融緩和により大幅なインフレが続いています。米国では前年比8%も物価が上昇する状況に至っています。
また、こうしたインフレを抑制するための金利上昇の影響を受けて、2021年では2%台だった米国の30年固定の住宅ローン金利が7%を超え、20年ぶりの高水準まで上昇しています。
米国の景気回復やウクライナ問題による物価高の影響を受けて、日本の長期金利も上昇傾向にありますが、日銀が無制限の指値オペに踏み切り、0.50%の利回りで新発10年物国債を買い入れることで金利上昇を抑制する金融緩和策をとっているため、0.50%を大きく超える金利情報は考えにくいとは言われていますが、日銀によるコントロールが困難になってきているのも事実で、実際、長期金利の上昇の影響を受けて固定金利タイプの住宅ローン金利も上昇しています。
各銀行が発表している情報によると新規に住宅ローンを組む方の70%以上の人が変動金利タイプを選んでいます。日本では低金利が長期に渡って続いており、今、住宅ローンを借りている多くの方が当面の間、住宅ローン金利は上がらず、「今、住宅ローンを組むなら変動金利がオトクだろう」と考えていることが分かります。また、最近は、以下のネット銀行などが低金利の変動金利を積極的に投入していることもこうした傾向に拍車をかけているものと思われます。
現在、日銀が行っている政策の中には、「イールドカーブコントロール」と呼ばれる、長短金利をコントロールする政策が含まれています。これは短期金利・長期金利を管理していく金融政策で、”長期金利”を0%に誘導する政策です。具体的には、-1.0%~1.0%から逸脱しないようにコントロールしていくよう方針に沿って運用されています。
住宅ローン金利に大きな影響を与える長期金利が一定の範囲内でコントロールされれば、住宅ローン金利(変動金利や短期間の固定金利以外)も一定の範囲でコントロールされているに等しいわけで、2017年以降住宅ローンの金利に変動が少ないのはこのためです。
住宅金融支援機構が2022年4月に実施、同年6月に発表した「住宅ローン利用者の実態調査」によると住宅ローンを利用した人の約74%が変動金利を選択。
次に住宅ローンの金利の推移を、もう少し長い期間で振り返ってみましょう。今の住宅ローン金利が歴史的超低金利であることは以下のグラフを見ればすぐに理解できると思います。(※住宅ローンは長い期間借り入れを行うことになりますので長い目で住宅ローンの歴史を知っておくことは重要です。)
なお、住宅ローンには2つのタイプがあり、住宅ローンを完済するまでの金利が変わる可能性のある「変動金利」と完済までの金利が変わらない「固定金利」にわかれます。また、その中間の商品として、借り入れから一定期間(10年間など)の金利を固定、一定期間経過後に金利が変わる「当初固定型」も一定の人気を集めていますので、この記事では変動金利と固定金利の2つの金利推移と動向にわけて確認していきたいと思います。
まず、「変動金利」の金利推移を確認してみましょう。住宅金融支援機構のホームページで提供されている民間金融機関の変動金利などの金利推移グラフです。昭和59年(1984年)から平成27年(2016年)までの約30年間の民間金融機関の変動金利を集計した金利推移グラフです。日本が空前の好景気で、世界中を席巻していたいわゆるバブル期に8%以上の金利を記録し、バブル崩壊とともに急激に低下している事がわかりますね。その後、平成7年(1995年)まで段階的に低下し、そのころから現在までほぼ同水準で推移しています。この期間は、”失われた20年”と言われ日本が長期低迷していた(いる)期間です。20年も不景気が続くと、もはや不景気とすら言えず、住宅ローンを借り入れ・借り換えを検討中のみなさん(30代・40代の方が多いと思います)にとっては、不景気ではなく普通のこと、と言えそうですね。社会人になってからずっと変わらず不景気と言われ続けています。
民間金融機関の住宅ローン変動金利の推移(1984年から2023年9月)
住宅ローンの変動金利は今の数倍の時代も
住宅ローンは35年の長い期間借り入れ続ける可能性のある住宅ローンです。まず認識しておきたいのは過去30年をさかのぼってみると、今の何倍もの金利の時代があったという事です。変動金利がリスクを伴うと言われ続けているのはそのためです。つまり、永遠に今の低金利が続くわけがないよね、という事です。
次に固定金利について確認してみましょう。住宅ローンの固定金利に影響を与えると言われている主要指標が10年国債の利回りです。10年国債の金利”長期金利”と呼ばれ、景気の動向などを確認する中でもよく利用されます。
財務省統計データを参照して作成した過去約33年間の長期金利(10年もの国債)の金利グラフを確認してみてください。この長期金利は基本的に短期金利と連動(長期金利が先行して動くと言われています)して動きますので基本的な動向は同じですね。2016年2月にとうとうマイナス金利に突入し、その後一時、プラス圏に戻りましたが、ほぼゼロ%前後での極めて狭い金利動向となっています。
2022年に入り長期金利が6年ぶりの水準に上昇したと報道されていますが、下記のグラフを見るとまだまだ「誤差」と言える範囲であることがわかりますね。
※昭和61年7月から令和5年8月までの長期金利の推移
長期金利は歴史的低金利水準で推移
今から30年前の日本の長期金利はなんと8%!こんな金利で借りる人がいたと考えると非常に驚きですが、そこをピークに長期金利は右肩下がりになっているわけです。10年以上の長い期間の金利を固定するタイプの住宅ローン金利は、基本的にはこの長期金利に連動して推移しますので、これは住宅ローン金利の動向・傾向としてとらえていただくことで問題ありません。
なお、当サイトで紹介している住宅ローンは主にインターネットで人気を集めている住宅ローンが多いですが、いずれも低金利や疾病保障などの付加サービスが非常に魅力的で、この低金利時代の住宅ローンの中でも総合的に見ておすすめの住宅ローンです。
住宅ローンを選ぶ前にどの金利タイプを選ぶかを決める必要があるわけですが、当サイトでは様々な観点でのコンテンツを用意していますので、金利のタイプ(変動金利・固定金利など)を決めるにあたって参考にしていただければと思います。住宅ローンの金利は史上最低金利で推移していますので、どの住宅ローンを借り入れたとしても歴史的には決して高い金利で住宅ローンを借り入れたことにはなりません。そんな中でも非常に優れた住宅ローンが登場しているという点を忘れないようにしましょう。
最後に超低金利水準の住宅ローンの最新の金利情報(変動金利と10年固定金利)を確認しておきましょう。
変動金利比較表/
変動金利比較表 | |||
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No | 銀行名 | 変動金利 | 特徴 |
1 | auじぶん銀行 | 年HPご確認% (新規借り入れ・全期間引下げプラン) ※1 | がんと診断されたら住宅ローンの残債が半分になる、がん50%保障と全ての病気とケガを保障する全疾病長期入院保障※2が無料で付帯してこの低金利。低金利ネット住宅ローンの代表格。 |
1 | SBI新生銀行 | 年0.290%(手数料定額型) | 金利優遇キャンペーン適用時 |
2 | 住信SBIネット銀行(WEB申込コース) | 年0.298%~(通期引下げプラン) ※2 | インターネット専業銀行として高い人気を集める住信SBIネット銀行の住宅ローン。全疾病保障が無料で付帯。 |
2 | PayPay銀行 | 年0.270%(全期間引下型) | 三井住友銀行とZホールディングス(旧ヤフー)が出資する日本初のネット銀行。来店不要・ネット完結・電子契約で利便性も抜群。 ※借入総額が、物件購入価格および建築請負価格の合計額に対して90%以内のお客さまが対象です。 ※本優遇を受ける場合は、諸費用、事務手数料も自己負担となります。 |
3 | ソニー銀行 (変動セレクト住宅ローン) | 年0.597% | オリコン顧客満足度上位常連。無料の疾病保障も魅力。 ※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります |
4 | イオン銀行 | 年0.380%※4 | イオングループでの買い物がいつでも5%オフ |
※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。 |
※2 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。審査結果によっては金利に年0.1%~年0.3%上乗せとなる場合があります、借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
※4 物件価格の80%以内でお借入れの場合
10年固定金利比較表/
10年固定金利比較表 | |||
---|---|---|---|
No | 銀行名 | 10年固定金利 | 特徴やメリット |
1 | auじぶん銀行 | 年HPご確認%(当初期間引下げプラン)※1 | がんと診断されたら住宅ローンの残債が半分になる、がん50%保障と全ての病気とケガを保障する全疾病長期入院保障が無料が付帯してこの低金利。低金利ネット住宅ローンの代表格。※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。 |
2 | 新生銀行 | 年0.950% | 事務手数料定額型。保証料無料。10年経過以降の金利も魅力。 |
3 | 住信SBIネット銀行 (WEB申込コース) | 年1.233%※2 | インターネット専業銀行でとして高い人気を集める住信SBIネット銀行。全疾病保障が無料で付帯。 |
4 | ソニー銀行(固定セレクト) | 年1.344% | 金利の低さに力を入れた固定セレクト住宅ローンに注目! ※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります |
5 | イオン銀行 | 年1.500% | イオンなどでの買い物がいつでも5%オフになるサービスは他行では決してまねできない。 |
※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。 |
※2 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。審査結果によっては金利に年0.1%~年0.30%上乗せとなる場合があります、借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
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