団信で家族と住まいを守るイメージ

住宅ローンを団信で選ぶなら、「上乗せなしで付く保障」と「上乗せ金利を払って広げる保障」を分けて比べるのが近道です。がん保障型はがんの診断確定、3大疾病保障型はがん・急性心筋梗塞・脳卒中、特定状態保障型はそれに加えて所定の身体障害や要介護状態まで——保障のきっかけが広がるほど、上乗せ金利も上がるのが一般的です。

返済が30年・35年と長くなるほど、「返している途中で働けなくなったらどうなるか」という論点は重くなります。このページでは、主要行の団信の型と上乗せ金利を、各社公式の情報(2026年9月時点・公式サイトにて確認)で横並びに整理します。

団信の基本:まず「一般団信」の範囲を押さえる

一般団信が保障するのは、原則として死亡と所定の高度障害状態です。この範囲であれば、多くの金融機関が保険料を銀行負担(上乗せ金利なし)としています。民間の住宅ローンでは団信への加入が借入の条件になっていることがほとんどで、加入できなければ借りられない点は最初に知っておきたいところです。

問題は、「死亡・高度障害には至らないが、働けない」状態です。がんの治療で長く休職する、脳卒中の後遺症が残る、事故で身体に障害が残る——こうしたケースは一般団信では保障されません。ここを埋めるのが特約付き団信です。

特約付き団信の4つの型

商品名は各行でさまざまですが、保障の設計はおおむね次の4つに整理できます。

型保障のきっかけ向いている人
がん保障型所定のがんと診断確定されたとき(残高の50%または100%)上乗せを抑えつつ、罹患率の高いリスクに絞って備えたい人
3大疾病保障型がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になったとき脳・心疾患による長期離脱まで備えたい人
就業不能・全疾病保障型病気やケガで所定の就業不能状態が一定期間続いたとき病名を問わず「働けない期間」に備えたい人
特定状態保障型3大疾病に加え、所定の身体障害状態・要介護状態になったとき病気だけでなく事故や介護のリスクまで広く備えたい人

保障範囲が広がるほど上乗せ金利は上がります。「広ければよい」ではなく、給付の条件(何日以上その状態が続く必要があるか等)まで見て選ぶのが、団信選びのいちばんの勘所です。

上乗せ金利を横並びで見る(2026年9月時点)

主要行の公表内容を、上乗せ金利の低い順に並べると次のとおりです。

金融機関・団信上乗せ金利(年利)保障のポイント
ドコモSMTBネット銀行「スゴ団信」3大疾病50プラン(借入時満50歳以下)上乗せなし全疾病保障が基本付帯。3大疾病で所定の状態になったとき残高の50%を保障
ソニー銀行「がん団信50」上乗せなしがんと診断確定で残高の50%を保障
SBI新生銀行「全疾病保障付団信」上乗せなし所定の就業不能状態が所定期間続いたとき残高相当を保障(加入時20〜49歳)
ソニー銀行「がん団信100」0.100%残高100%保障+がん診断給付金100万円
SBI新生銀行「ガン団信」0.100%所定のがんと診断されたとき残高を保障(全疾病保障付団信との併用不可)
ソニー銀行「3大疾病団信」/「生活習慣病団信」0.200%3大疾病、または生活習慣病による長期入院に対応
ソニー銀行「ワイド団信」0.200%引受基準緩和型。完済時年齢は満81歳未満
【フラット35】「新3大疾病付機構団信」0.240%3大疾病に加え、要介護2以上などでも残りの返済が不要に(加入時満51歳未満)
りそな銀行「団信革命」(加入時40歳未満)0.250%3大疾病+16の特定状態+所定の要介護状態で残高0円
りそな銀行「団信革命」(加入時40歳以上)0.300%同上。特約付団信は50歳以上は申込不可

上乗せ金利は完済まで効き続けるコストです。一度きりの事務手数料とは性質が違うため、総費用で比較するときは金利に足し込んで考えてください。がん保障に絞った比較はがん団信の上乗せ金利・保障内容の比較、上乗せなしで付く疾病保障は疾病保障付き住宅ローンの4行比較で詳しく扱っています。

りそな銀行「団信革命」=保障範囲の広さで選ぶ

りそな銀行の「団信革命」は、3大疾病(所定のがん、急性心筋梗塞・脳卒中による所定の状態)に加えて、病気やケガによる16の特定状態や所定の要介護状態に該当した場合に、住宅ローン残高が0円になる特約付き団信です。要件を満たせば、仕事に復帰しても残高は0円になります。

上乗せは店頭金利+年0.300%(加入時年齢40歳以上)/年0.250%(40歳未満)。特約付団信は50歳以上では申し込めません。返済の途中から加入することもできますが、その場合の上乗せは年0.400%(40歳以上)/年0.300%(40歳未満)と高くなり、Webからは申し込めない点にも注意が必要です。

ソニー銀行=上乗せなしの「がん50%保障」から段階的に選べる

ソニー銀行は、上乗せ金利なしで「がん団信50」(がん診断確定で残高の50%を保障)を選べます。手厚くしたい場合は「がん団信100」(+0.100%/残高100%保障+診断給付金100万円)、「3大疾病団信」「生活習慣病団信」(各+0.200%)が用意されています。引受保険会社はクレディ・アグリコル生命保険です。

注意点は3つあります。特約付き団信は加入時年齢が満50歳未満であること、がん・上皮内がんにかかったことがある場合は申し込めないこと、そして借入後に団信の種類を変更できないことです。申込時の判断がそのまま完済まで続きます。

SBI新生銀行=上乗せなしの全疾病保障とガン団信の2択

SBI新生銀行の特約付き団信は、「全疾病保障付団信」(上乗せなし)と「ガン団信」(+0.100%)の2プランです(併用不可)。全疾病保障付団信は2026年3月に取り扱いが始まったプランで、8疾病やその他の病気・ケガで所定の就業不能状態が所定の期間続いた場合に住宅ローン残高相当を保障します。どちらも加入時年齢20〜49歳・完済時80歳未満が条件です。

がんと診断された時点で残高を消したいならガン団信、病名を問わず働けない期間に備えたいなら全疾病保障付団信、という選び分けになります。就業不能型は「所定の期間続くこと」が給付の条件になるため、診断だけで支払われるがん保障型とは性格が違う点を押さえておきましょう。なお同行は一部繰上返済手数料が0円、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です。

ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)=全疾病保障が基本付帯

ドコモSMTBネット銀行の「スゴ団信」は、全疾病保障が金利上乗せなしで基本付帯し、借入時の年齢が満50歳以下なら「3大疾病50プラン」(3大疾病で所定の状態になったとき残高の50%を保障)も上乗せなしで付きます。保障を100%に広げるプランは上乗せ金利がかかり、年齢によって幅が異なります。

【重要】終了した特約・サービスを前提にしない

団信や付帯サービスは新規受付が終了することがあります。古い比較記事の情報をそのまま信じると、すでに申し込めない商品を前提に検討してしまいます。たとえばSBI新生銀行では、次の特約・サービスが終了しています。

  • 団体信用介護保障保険(安心保障付団信)=新規申し込み終了。かつて「所定の要介護状態で残高が0円になる」として案内されていた特約です。
  • 「自動繰上返済(スマート返済)」と「ステップダウン金利」=サービス終了。ただし手動での一部繰上返済は現在も手数料無料で利用できます(「繰上返済ができなくなった」わけではありません)。

ほかの金融機関でも、特約の新設・終了・保障内容の改定は随時行われます。比較するときは、いま申し込める団信だけを並べることが前提です。

団信を選ぶときの3つの視点

  1. 年齢の制限:特約付き団信は「加入時年齢が満50歳未満」「満51歳未満」といった条件が付くのが一般的です。年齢によっては選べる特約が限られます。
  2. 健康状態と告知:がんの既往があると特約付き団信に加入できない例が多くあります。健康上の理由で一般団信に入れない場合は、引受基準を緩和した「ワイド団信」(ソニー銀行では+0.200%、完済時年齢は満81歳未満)が選択肢になりますが、審査があり必ず加入できるとは限りません(詳しくは団信に落ちたときの対策)。
  3. 後から変えられるか:ソニー銀行のように借入後の変更を認めない金融機関がある一方、りそな銀行の団信革命のように途中加入を受け付けている例もあります(上乗せは高くなります)。申込時点の判断がその後を左右すると考えて検討しましょう。

よくある質問

Q. 上乗せなしの団信と有料の特約、どちらを優先すべきですか?

A. まず上乗せなしで付く保障の範囲を各行で比べ、足りない部分だけを有料特約で補うのが基本です。上乗せ金利は完済まで続くため、すでに加入している医療保険・がん保険と重なる部分があれば、民間保険の見直しとあわせて総額で判断してください。

Q. がんと診断されれば、借入直後でも保障されますか?

A. 多くの商品で、借入日(責任開始日)から一定期間内に診断確定されたがんは対象外とする免責期間があります。上皮内がんを対象外とする商品もあるため、給付条件は保険会社の重要事項説明書(被保険者のしおり)で必ず確認してください。

Q. 【フラット35】の団信は民間の団信と何が違いますか?

A. 【フラット35】の新機構団信は死亡と身体障害者手帳1・2級の交付などで残りの返済が不要になり、新3大疾病付機構団信(+0.240%)では3大疾病や要介護2以上なども対象です。団信に加入しなくても利用できる点も民間と異なります(住宅金融支援機構の新機構団体信用生命保険制度の案内で確認できます)。

Q. 上乗せ金利0.100%は、どのくらいの負担になりますか?

A. 借入額・返済期間・金利水準で変わります。各金融機関が公式サイトで返済シミュレーションを公開しているので、特約を付けた場合と付けない場合の毎月の返済額を実際に試算して比べるのが確実です。

まとめ

団信は「おまけ」ではなく、住宅ローンの一部として比較すべき条件です。上乗せなしで付く全疾病保障やがん50%保障から、年0.250〜0.300%で要介護状態までカバーする特定状態保障型まで、選択肢の幅は広がっています。金利・諸費用と同じ土俵に乗せ、「自分と家族に必要な保障はどれか」を基準に選んでください。

各行の団信の内容・上乗せ金利・加入条件は変更されることがあります。最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。