イオン銀行が変動金利を0.570%に大幅に引き下げた事は住宅ローン市場に一石を投じ、各金融機関による2014年の住宅ローン獲得競争が更に進行する可能性が高まってきました。
住宅ローンの変動金利は一般的に短期プライムレートを参照していると解説される事が多くあります。基本的な考え方が間違っているわけではないのですが、日銀サイトでも確認出来るとおり、短期プライムレートは2009年1月に1.675%から1.475%(最頻値)に低下して以来、今年の2月まで1.475%で推移しています。5年間変化が無いという事になりますね。その間、住宅ローンの変動金利は大幅に低下しています。つまり、短期プライムレートは参考指標ではあるものの、純粋に短期プライムレートと連動しているわけではない、という事がわかりますね。
では、なぜイオン銀行やソニー銀行のように0.6%を下回るまで住宅ローンの金利を引き下げる状況になったのか、金融機関は何を指標として住宅ローンの変動金利を決定しているかということになりますが、その金利決定に大きな影響の与えている指標は、短期金利の代表とも言える「無担保コールレート(オーバーナイト物)」の金利です。この金利は、日銀が誘導値を定めてほぼコントロールしますので、この値動きはほぼ政策金利の動き・日銀による金融政策の反映されていると考えて良い指標です。更にオーバーナイト物より少し長い期間の短期金利(1週間や1か月の金利)もオーバーナイト物の影響を大きく受けます。従って、短期金利は、基本的にはその時点・その時点の金融政策の影響下にあると言えます。
回りくどくなってしまいましたが、では、この無担保コールレート(オーバーナイト物)の金利の値動きはどうなっているのでしょうか。日銀のサイトで確認できますので、少し見てみましょう。
■ 無担保コールレート(オーバーナイト物)の金利推移
平均 | 最高 | 最低 | |
2013年1月4日 | 0.075% | 0.150% | 0.060% |
2013年6月3日 | 0.074% | 0.145% | 0.065% |
2014年1月7日 | 0.072% | 0.130% | 0.060% |
2014年6月2日 | 0.067% | 0.135% | 0.050% |
2014年6月24日 | 0.066% | 0.135% | 0.055% |
史上空前の住宅ローンの低金利と言われていた2013年と比較しても、2014年の6月(最近)の金利が更に低下している事がわかりますね。6月の月末にかけて更に低下傾向でもあります。月末に予定されている各金融機関の金利動向に注目しましょう。
ただし、イオン銀行の0.57%を大きく下回る金利設定はさすがに難しいのではないでしょうか。イオン銀行のこの金利設定はそれだけ思い切ったものです。(金利だけでなく、毎月のイオンでの買い物が5%割引になるサービスもついている住宅ローンですし、総合的に考えてイオン銀行の住宅ローンのおトク差は簡単に追随できる水準ではないと考えます。)
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