2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(長期優良住宅普及法)は戸建て住宅、マンションの寿命を延ばすことで住宅の解体や解体に伴う廃棄物の排出を抑制し環境への負荷を低減することを目的としています。
また日本国内においては長らく新築住宅信仰が強く中古住宅市場の活性化が課題として挙がっており住宅の寿命延ばすことで中古住宅の売買やリフォームなどを活性化させることも狙っています。
長期優良住宅の認定に必要な条件としては耐震性、耐久性能、維持管理更新の容易性、住宅面積、省エネルギー星、居住環境、維持保全などがあり、こうした条件を住宅性能評価機関が審査をし、適合証を受け取ることで長期優良住宅としての認定が受けられることとなります。
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(長期優良住宅普及法)の施行直後は新築住宅だけがこの認定制度の対象でしたが、 2016年4月からは住宅を増改築(リフォーム)する場合も対象となっています。
今回は長期優良住宅・マンションの認定を受けることのメリットについてご紹介したいと思います。
認定長期優良住宅のメリット①「住宅ローン控除(減税)枠の拡大」
一般住宅の住宅ローン控除は住宅ローン残高の1%(限度額は年間20万円)が所得税や住民税から減税され、控除期間が10年間、最大200万円の減税効果が見込めますが、長期優良住宅では年間50万円まで認められるため最大500万円の減税効果が得られます。 ただし年間で50万円もの所得税控除を受けるためには年収が700万円から800万円以上の方でないと枠を利用できないこととなることには注意が必要です。
認定長期優良住宅のメリット②「各種税金の減額」
1.免許登録税の軽減
「登録免許税」の費用は0.1%(一般は0.15%)となるため2,000万円の住宅であれば2万円(一般は3万円)
⇒1万円の軽減
2.不動産取得税の控除額の増額される「不動産取得税」は1,300万円を控除(一般住宅は1,200万円)されるので、
2,000万円の住宅の場合2,000万円-1,300万円=700万円に税金(現在3%)がかかり、700万円×3%=21万円(一般は800万円×3%=24万円)
⇒3万円の軽減
3.固定資産税の減額が拡大される
「固定資産税」は戸建ての場合5年目まで(一般は3年目まで)1/2軽減されるので、
4から5年目の評価額2,000万円の場合2,000万円×1.4%(固定資産税率)=28万円の固定資産税が半分の14万円となり、4から5年目の2年間で28万円(一般住宅の場合軽減措置がなくなるので2年間で56万円)。
⇒28万円の軽減
認定長期優良住宅のメリット③「住宅ローン金利の引き下げ」
長期優良住宅の認定を受けられた場合には国と民間の金融機関が協力し提供している長期固定金利型の住宅ローンの筆頭であるフラット35の借入において金利の引き下げが実施されます。フラット35Sにおいて通常のフラット35よりも年0.3%の金利引き下げが10年間継続されます。ただしフラット35Sの金利引き下げは2010年10月1日以降は年0.25%の引き下げと引き下げ幅が縮小されるので要注意です 。