住宅ローン控除(減税)の条件と手続きをイメージした図

マイホームを住宅ローンで購入すると、一定期間にわたって所得税・住民税が軽減される「住宅ローン控除」(正式名称は「住宅借入金等特別控除」、いわゆる住宅ローン減税)。利用できるかどうかは購入する住宅や所得などの条件で決まり、控除を受けるには手続きと必要書類の準備が欠かせません。

本記事では、2026年(令和8年)時点の最新制度をもとに、住宅ローン控除を受けられる条件と必要書類、申告手続きの流れをわかりやすく整理します。マイホーム購入後に「対象外だった」と気づいても基本的にやり直しはできないため、事前にしっかり条件を確認しておきましょう。

※住宅ローン控除の借入限度額・控除期間・適用要件は毎年の税制改正で見直されます。本記事は概要の整理です。実際に申告する際は、必ず国税庁・国土交通省の公式情報で最新の内容をご確認ください。

住宅ローン控除(減税)とは?仕組みをおさらい

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高(住宅の性能に応じた借入限度額が上限)に控除率0.7%を掛けた金額を、その年の所得税から差し引く制度です。所得税で引ききれない分は、翌年度の住民税からも一定額(所得税の課税総所得金額等の5%・最大9万7,500円)まで控除されます。

制度の適用期限はたびたび延長されており、2026年(令和8年)から2030年(令和12年)入居分も対象とされています。控除期間は新築住宅・買取再販住宅で原則13年、その他の既存(中古)住宅で10年です。借入限度額は住宅の省エネ性能(認定長期優良住宅・低炭素住宅/ZEH水準省エネ住宅/省エネ基準適合住宅など)や入居年、子育て世帯・若者夫婦世帯かどうかによって異なるため、具体的な金額は国税庁・国土交通省の公式でご確認ください。

住宅ローン控除・控除の条件

主な適用条件は次のとおりです(2026年時点)。所得要件や中古住宅の要件などは税制改正で変わっているため、最新の内容に整理しています。

条件の観点内容備考
所得要件控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること2022年(令和4年)改正で3,000万円以下から引き下げ
入居時期新築・取得から6か月以内に入居し、控除を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していること
ローン要件返済期間10年以上の住宅ローンであること
床面積登記簿上の床面積が原則50㎡以上で、床面積の2分の1以上が自己の居住用であること合計所得1,000万円以下の年分に限り、40㎡以上50㎡未満の住宅も対象になる特例あり(建築確認の時期など条件あり)
新築住宅原則として省エネ基準に適合していること2024年1月以降に建築確認を受けた新築で省エネ基準を満たさない住宅は原則対象外
中古(既存)住宅1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準に適合)であることこれより古い住宅も、耐震基準適合証明書などで耐震性を証明できれば対象。従来の築年数要件(耐火25年・非耐火20年)は2022年改正で廃止
譲渡特例との重複居住した年とその前後の一定期間に、自宅の譲渡所得の特例(3,000万円特別控除や買換え特例など)を受けていないこと対象となる年数は制度改正で見直されているため、詳細は国税庁でご確認ください

※中古住宅の場合も、所得・床面積・ローン期間といった新築と共通の条件は満たす必要があります。

住宅ローン控除・控除の必要書類について

住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必要です。主に次の書類を準備します。

①確定申告書
②(住宅借入金等特別控除額の)計算明細書
③金融機関から送られる住宅ローンの年末残高証明書(毎年10〜11月ごろに郵送。再発行できない場合もある重要書類なので大切に保管)
④土地・建物の登記事項証明書(登記簿謄本)
⑤売買契約書・工事請負契約書の写し
本人確認書類(マイナンバーカードなど)
⑦源泉徴収票(給与所得者の場合)
⑧認定長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅などの場合は、その認定通知書や住宅性能を証明する書類

なお近年は、金融機関が年末残高の情報を税務署へ直接提供する仕組みも導入され、年末残高証明書の添付が不要になる場合があります。提出書類は年や手続き方法によって変わるため、最新の必要書類は国税庁の案内でご確認ください。

住宅ローン控除・控除の手続きについて

①初年度
給与所得者(サラリーマン)でも、初年度は自分で確定申告を行う必要があります。還付の申告だけであれば、入居した年の翌年1月1日から申告が可能です。書類をそろえて税務署へ持参するか、e-Taxを使えばオンラインでも作成・提出できます。自分が対象になるか不安な場合は、国税庁のコールセンターやタックスアンサー(公式サイトの税金相談)で確認できます。

②2年目以降
給与所得者は、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。初年度の確定申告後に税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関の年末残高証明書(前述のとおり不要になる場合あり)を勤務先に提出します。自営業者などは毎年確定申告を行います。

よくある質問(FAQ)

Q. 中古住宅でも住宅ローン控除は使えますか?
A. 使えます。1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準に適合)であることが基本要件です。それより古い住宅でも、耐震基準適合証明書などで耐震性を証明できれば対象になります。

Q. 合計所得が2,000万円を超える年はどうなりますか?
A. その年は控除を受けられません。2022年(令和4年)改正で、所得要件が「3,000万円以下」から「2,000万円以下」に引き下げられています。

Q. 床面積が40㎡台でも対象になりますか?
A. 合計所得金額が1,000万円以下の年分に限り、40㎡以上50㎡未満の住宅も対象になる特例があります(建築確認の時期などの条件あり)。

Q. 控除率や控除期間はどのくらいですか?
A. 控除率は一律0.7%。控除期間は新築住宅・買取再販住宅で原則13年、その他の既存(中古)住宅で10年です。借入限度額は住宅の省エネ性能や世帯によって異なります。

住宅ローン選びとあわせて確認を

住宅ローン控除を最大限に活かすには、控除の条件を満たすことに加えて、金利・諸費用・団信を含めた住宅ローン選びも重要です。年末残高が大きいほど控除額も大きくなりますが、目先の控除だけでなく、総返済額や手続きのしやすさまで含めて各社を横並びで比較しましょう。たとえば、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応するSBI新生銀行のように、一般団信が上乗せ金利0円である点や諸費用の分かりやすさで選ばれる金融機関もあります。金利・手数料・団信の条件は変わることがあるため、申し込み前に各金融機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。