
【重要】すまい給付金は、申請受付が2024年(令和6年)3月で終了しています。これから住宅を取得する方は申請できません。本記事では制度の中身を記録として振り返ったうえで、2026年8月時点でマイホーム購入に使える支援制度を最新の公式情報にもとづいて横並びで整理します。要件・期限・予算枠は変わることがあるため、実際の利用前には各制度の公式サイトで必ずご確認ください。
すまい給付金とは?(制度の概要)
すまい給付金は、2014年4月に消費税率が5%から8%へ引き上げられたことに伴う、マイホーム購入者向けの現金給付制度でした。消費税8%の時期は最大30万円、消費税10%(2019年10月〜)の時期は最大50万円が給付されました。
たとえば物件費や諸費用が2,000万円だった場合、消費税率が3%上がると60万円もの負担増になります。消費税増税に合わせて住宅ローン減税の拡充も行われましたが、住宅ローン減税は納めた所得税・住民税を控除する仕組みのため、納税額が少ない(年収が一定以下の)層にはメリットが及びにくいのが課題でした。すまい給付金は、こうした層の負担を緩和するための制度でした。
すまい給付金はいくらもらえた?(消費税8%時の目安)
夫婦(妻は専業主婦)と中学生の子どもの3人世帯の場合、消費税8%時の給付基礎額の目安は次のとおりでした(収入は目安。実際は都道府県民税の所得割額で判定)。
| 年収目安 | 給付基礎額(消費税8%時) |
|---|---|
| 425万円以下 | 30万円 |
| 425万円超〜475万円以下 | 20万円 |
| 475万円超〜510万円以下 | 10万円 |
※消費税10%時は対象となる年収の上限が引き上げられ、給付額も最大50万円に拡大されていました。
すまい給付金の条件は?(当時の主な要件)
すまい給付金には、当時、次のような要件がありました(記録として掲載)。
① 2014年4月以降に引き渡された住宅で、原則2021年12月までに引き渡し・入居が完了した住宅(新型コロナの特例で、一定の契約期間内なら2022年12月31日までの入居も対象)
② 床面積50㎡以上の住宅
③ 工事中の検査により品質が確認された次のいずれかの住宅
1. 住宅瑕疵担保責任保険(建設業許可を有さない者が加入する任意保険を含む)へ加入した住宅
2. 建設住宅性能表示を利用する住宅
3. 住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅
いずれの検査も原則として施工中に行うため、着工前の申し込みが必要でした。
すまい給付金は中古住宅にも使えた?
すまい給付金は中古住宅の購入時にも利用できましたが、次の条件がありました。
① 売主が宅地建物取引業者である中古住宅(個人間売買の中古住宅は対象外)
② 住宅ローンを利用する場合は、既存住宅売買瑕疵保険への加入など、売買時に検査を受けている中古住宅が対象
③ 住宅ローンの利用がない場合は、年齢50歳以上の方が取得する中古住宅に限る
すまい給付金はいつもらえた?いつ終了した?
すまい給付金は入居後に申請を行う必要があり、申請後1.5〜2カ月程度で振り込まれていました。申請期限は「引き渡し・入居から1年3カ月以内」で、コロナ特例による引き渡し・入居期限(2022年12月31日)から逆算した最終期限が2024年3月末でした。国土交通省も「すまい給付金の申請受付は令和6年3月に終了」と公表しており、現在は新規の申請・給付は一切行われていません。
今マイホームを購入するなら使える支援制度(2026年8月時点)
すまい給付金は終了しましたが、住宅取得を後押しする制度は現在もあります。ここからは「減税」「補助金」「贈与税の非課税」「金利引下げ」の4つの切り口で、2026年8月時点の内容を整理します。いずれも要件・期限・予算に上限があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
①住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)=2030年末入居まで延長
年末の住宅ローン残高に控除率0.7%を掛けた額を、所得税(控除しきれない分は翌年の住民税の一部)から最大13年間差し引ける制度です。令和8年度税制改正で適用期限が5年間延長され、入居日が2026年1月1日から2030年12月31日までの取得が対象になりました。「住宅ローン控除がなくなる」といった情報が流れることがありますが、関連する税制法は2026年3月31日に成立済みです。
新築住宅の借入限度額は、住宅の省エネ性能によって次のように分かれます。子育て世帯(19歳未満の扶養親族がいる方)・若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満)は上乗せがあります。

| 住宅の区分(新築) | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円(子育て・若者夫婦世帯は5,000万円) | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(子育て・若者夫婦世帯は4,500万円) | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(子育て・若者夫婦世帯は3,000万円) | 13年間 ※注 |
※注:省エネ基準適合住宅は、2028年(令和10年)以降の入居分は原則として対象外です。ただし2027年末までに建築確認を受けた住宅、または2028年6月30日までに建築された住宅は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間で適用されます。
そのほかの主な要件は、合計所得金額2,000万円以下、借入金の償還期間10年以上、引き渡しまたは工事完了から6カ月以内の入居などです。床面積要件は新築・既存住宅ともに40㎡以上に緩和されましたが、合計所得金額が1,000万円を超える方や、子育て世帯等への上乗せ措置を使う方は50㎡以上が必要です。適用初年度は自分で確定申告をする必要がある点にも注意してください(給与所得者は2年目以降、年末調整で控除できます)。
②みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネ2026キャンペーン)
すまい給付金のような「収入に応じた現金給付」の後継はありませんが、省エネ性能を満たす住宅の新築・リフォームを対象にした補助金が国の事業として続いています。2026年度は国土交通省・環境省・経済産業省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」の一環として、みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)が実施されています(前身は子育てグリーン住宅支援事業)。
| 対象住宅(新築) | 対象世帯 | 補助額(1戸あたり) |
|---|---|---|
| GX志向型住宅 | すべての世帯 | 110万円(1〜4地域は125万円) |
| 長期優良住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 75万円(1〜4地域は80万円)/古家の除却を行う場合は95万円(同100万円) |
| ZEH水準住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 35万円(1〜4地域は40万円)/古家の除却を行う場合は55万円(同60万円) |
| 既存住宅の省エネリフォーム | 世帯要件なし | 工事内容に応じて最大100万円 |
注意したい点は3つあります。第一に、GX志向型住宅以外(長期優良住宅・ZEH水準住宅)は子育て世帯・若者夫婦世帯に限られること。第二に、申請は消費者本人ではなく、登録した「みらいエコ住宅事業者」が行うため、依頼する工務店・ハウスメーカーが登録事業者かどうかを早い段階で確認する必要があること。第三に、予算上限に達した時点で受付が終了することです。土砂災害特別警戒区域など一部の立地に建てる住宅は対象外になる点も見落とされがちです。
③住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(2026年12月31日まで)
父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築・取得・増改築のための資金の贈与を受けた場合、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。非課税限度額は省エネ等の質の高い住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円。適用期限は2026年12月31日までの贈与とされているため、親族からの資金援助を予定している方は、資金を受け取る時期と入居の時期の関係を早めに確認しておくと安心です。
④フラット35の金利引下げメニュー・自治体の補助金
補助金や減税だけでなく、住宅ローンそのものの金利を下げるメニューもあります。住宅金融支援機構の【フラット35】には、子育て世帯・若年夫婦世帯を対象に、こどもの人数等に応じて一定期間 借入金利を引き下げる【フラット35】子育てプラスや、住宅性能に応じた【フラット35】S、地方公共団体と連携した【フラット35】地域連携型などがあり、条件を満たせば組み合わせることもできます。いずれも予算金額に達する見込みとなった時点で受付が終了するため、利用を考えるなら公式サイトで受付状況を確認してください。
あわせて、市区町村独自の補助金も見逃せません。移住・定住支援、子育て世帯向けの取得補助、地元産木材の活用補助など内容は自治体ごとに大きく異なり、国の制度と併用できるものもあります。住む予定の市区町村のウェブサイトで必ず確認しましょう。
支援制度の早見表(2026年8月時点)
| 制度 | 受けられるメリット | 期限・押さえるポイント |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除 | 年末残高×0.7%を最大13年間、所得税・住民税から控除 | 2030年12月31日入居分まで。初年度は確定申告が必要 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 新築で最大125万円、リフォームで最大100万円の補助 | 予算上限に達し次第終了。申請は登録事業者が行う |
| 贈与税の非課税措置 | 直系尊属からの資金贈与が最大1,000万円まで非課税 | 2026年12月31日までの贈与が対象 |
| 【フラット35】子育てプラス等 | 一定期間の借入金利を引き下げ | 予算金額に達する見込みで受付終了。申込時に要申請 |
| 自治体の補助金 | 移住・子育て・地元産材などに応じた独自の補助 | 内容・期限は自治体ごと。着工前の申請が条件のことも |
よくある質問
Q. すまい給付金の「代わり」になる給付金はありますか?
A. 収入が一定以下の方に現金を給付する、すまい給付金と同じ性格の全国制度は現在ありません。代わりに、住宅ローン控除(減税)と、省エネ性能に応じた補助金であるみらいエコ住宅2026事業が支援の中心になっています。「所得が低いほど手厚い」制度から「省エネ性能が高いほど手厚い」制度へ、支援の軸が移ったと捉えるとわかりやすいでしょう。
Q. 補助金をもらうと、住宅ローン控除は減ってしまいますか?
A. 併用自体は可能ですが、住宅ローン控除の計算では、家屋の取得対価の額から交付を受けた補助金等の額を差し引きます(国税庁の取扱い)。年末のローン残高よりも「取得対価−補助金」の額が小さくなる場合は、控除の対象額もその分小さくなります。確定申告では補助金の交付決定通知書など、金額がわかる書類が必要です。
Q. 中古住宅の購入でも支援制度は使えますか?
A. 住宅ローン控除は既存住宅も対象で、令和8年度税制改正では省エネ性能の高い既存住宅について借入限度額の引き上げ・控除期間13年への拡充が行われました。みらいエコ住宅2026事業も、既存住宅の省エネリフォームであれば世帯要件なしで利用できます。贈与税の非課税措置も中古住宅の取得に使えます。
Q. 補助金や減税があるなら、住宅ローンはどこで借りても同じですか?
A. いいえ。支援制度で受け取れる金額は数十万円〜百数十万円規模ですが、住宅ローンは金利が0.1ポイント違うだけで総返済額が数十万円単位で変わります。さらに事務手数料(借入額の2.20%〈税込〉が主流)や保証料の有無、団信の保障範囲でも実質的な負担は変わります。制度の確認と並行して、ローンの比較も必ず行ってください。
まとめ|制度は「終わったもの」と「今あるもの」を分けて考える
すまい給付金は消費増税への対応という役割を終え、2024年3月に申請受付を終了しました。一方で、住宅ローン控除は2030年末入居分まで延長され、省エネ性能に応じた補助金や贈与税の非課税措置も現役です。古い記事の情報を鵜呑みにせず、「いま自分が使える制度は何か」を公式サイトで確認することが第一歩です。
そして、こうした支援に加えて毎月の返済額と総返済額を大きく左右するのが住宅ローン選びです。各行の金利・団信・事務手数料などの諸費用を横並びで比較し、自分の条件に合う一本を選びましょう。たとえば保証料が無料で、繰上返済手数料もかからず諸費用が分かりやすいSBI新生銀行のように、初期費用とその後のコストを見通しやすい選択肢も候補に入れて比較すると判断しやすくなります。

