住宅ローン減税の所得制限を確認するイメージ

会社員の年末調整や確定申告で戻ってくる税金のなかでも、金額が大きくなりやすいのが住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)です。この制度には所得の上限(所得制限)があり、これを超える年は控除を受けられません。ここでは、住宅ローン減税の所得制限・上限を中心に、現行制度(2026年〈令和8年〉入居の場合)の要点を整理します。

※住宅ローン減税は税制改正で頻繁に見直されます。本記事は2026年(令和8年)入居を想定した内容です。実際に適用される金額・要件は入居年によって異なるため、最新の内容は国税庁・国土交通省の公式情報で必ずご確認ください

まずは住宅ローン減税の主な適用条件

おもな条件は次のとおりです。

1. 自らが住むための住宅を取得し、取得後6か月以内に入居してその年の年末まで住んでいること
2. 住宅の床面積が原則50㎡以上であること(合計所得金額1,000万円以下の人は40㎡以上に緩和。子育て世帯等の上乗せ措置を使う場合は50㎡以上が必要)
3. 中古(既存)住宅の場合、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準に適合)であること。それより古い場合は耐震基準適合証明書等で耐震性を証明できれば対象
4. 返済期間が10年以上の住宅ローンであること
5. その年の合計所得金額が2,000万円以下であること

【要注意】以前は「中古は築20年(耐火建築物は築25年)以内」という築年数要件がありましたが、2022年の税制改正で撤廃され、新耐震基準(1982年1月1日以降の建築)かどうかで判断するようになりました。古い記事の築年数条件をそのまま鵜呑みにしないよう注意してください。

住宅ローン減税の概要(2026年入居の場合)

控除の仕組みは「年末のローン残高(借入限度額が上限)×控除率0.7%」を、所得税(引ききれない分は一部住民税)から差し引くものです。おもな数値は次のとおりです。

項目内容(2026年〈令和8年〉入居)
控除率一律0.7%
控除期間新築・買取再販は13年/中古(既存)は原則10年(省エネ基準適合以上の中古は13年)
所得要件合計所得金額2,000万円以下
床面積要件原則50㎡以上(合計所得1,000万円以下は40㎡以上)
借入限度額(新築・一般世帯)認定住宅4,500万円/ZEH水準3,500万円ほか、住宅の省エネ性能で区分。省エネ基準を満たさない新築は原則対象外

借入限度額は住宅の省エネ性能(認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合など)と世帯(子育て世帯・若者夫婦世帯は上乗せ)によって細かく分かれ、入居年によっても見直されます。正確な限度額は、入居年に合わせて国土交通省・国税庁の最新資料でご確認ください

住宅ローン減税の詳細は当サイトのファイナンシャルプランナーによるコラムも参照してください(コチラ)。

本題:住宅ローン減税の所得制限・上限について

住宅ローン減税を受けられるのは、その年の合計所得金額が2,000万円以下の人です。かつては合計所得金額3,000万円以下が上限でしたが、2022年の税制改正で2,000万円以下へ引き下げられました(国土交通省)。この上限を超える年は、その年分の控除を受けられません。

ここで大切なのは、基準になるのは「年収」ではなく「合計所得金額」だという点です。会社員の場合は給与収入から給与所得控除を差し引いた「給与所得」がベースになり、合計所得金額2,000万円は給与収入だとおよそ2,195万円に相当します。多くの給与所得者にとっては関係のない水準ですが、境目に近い方は自分の合計所得金額を必ず確認しましょう。

自営業(個人事業主)の方も同じで、基準は売上(収入)ではなく、経費を差し引いたあとの「事業所得」などを合計した合計所得金額です。経費を引いた後の所得がいくらになるのかをしっかり確認しましょう。

仮にある年に合計所得金額が2,000万円を超えても、あきらめる必要はありません。住宅ローン減税は控除期間(新築13年・中古10年など)にわたって適用されるため、所得が2,000万円以下に戻った年は再び控除を受けられます。住宅購入後は毎年、忘れずに年末調整・確定申告で手続きをしておきましょう。

住宅ローン減税で得をしやすい住宅ローンとは

現在の控除率は0.7%です。単純化すると、住宅ローンの適用金利が0.7%を下回る場合は、その年に支払う利息よりも税金の還付(控除)のほうが大きくなる、いわゆる「逆ざや」に近い状態が起こり得ます。ただし実際の控除額は年末残高・借入限度額・その人の所得税額(+住民税の一部)の範囲で決まるため、必ず利息を上回るわけではありません。

2024年以降は金利が上昇する局面に入っており、変動金利でも0.7%を上回るケースが増えています。だからこそ、金利や諸費用を含めた総返済額でしっかり比較することが大切です。金利の低い住宅ローンをランキング形式で紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。

10年固定金利比較表/

No銀行名10年固定金利特徴やメリット
1SBI新生銀行2.930%※1保証料無料。10年経過以降の金利も魅力。
2ソニー銀行(固定セレクト)
年3.355%金利の低さに力を入れた固定セレクト住宅ローンに注目!
※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります
3イオン銀行年3.430%イオンなどでの買い物がいつでも5%オフになるサービスは他行では決してまねできない。
※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。

※1 自己資金10%以上の場合
※2 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。審査結果によっては金利に年0.1%~年0.30%上乗せとなる場合があります、借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。

よくある質問(FAQ)

Q. 所得制限の「合計所得金額2,000万円」は年収でいくらですか?

会社員(給与のみ)の場合、合計所得金額2,000万円は給与収入で約2,195万円に相当します。年収がこの水準を超える年は、その年分の住宅ローン減税は受けられません。給与以外の所得がある場合は合算して判定します。

Q. 控除率が1%だと聞きましたが、今も1%ですか?

いいえ。2022年の税制改正で控除率は1%から0.7%に引き下げられました。古い記事や情報では1%と書かれていることがありますが、現行は0.7%です。

Q. 築年数が古い中古マンションでも住宅ローン減税は受けられますか?

2022年の改正で築年数要件は撤廃され、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準)であれば対象になります。それより古い場合でも、耐震基準適合証明書などで耐震性を証明できれば控除を受けられます。

住宅ローンの金利や諸費用は金融機関ごとに差があります。複数行を横並びで比べたい方は、当サイトの住宅ローン金利・借り換えランキングもあわせてご覧ください。