
厚生労働省が2025年7月25日に公表した「令和6年(2024年)簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性81.09年・女性87.13年と、いずれも80代の高い水準が続いています。女性は40年連続で世界1位、男性も世界6位と、日本は世界有数の長寿国です。
長生きは喜ばしいことですが、返済期間が数十年に及ぶ住宅ローンにとっては、その間に病気やケガで「働けなくなるリスク」と長く向き合うことでもあります。本記事では、長生き時代に備えるための住宅ローンの団体信用生命保険(団信)と、就業不能・全疾病に強い保障を紹介します。
長生き時代に高まる「働けなくなるリスク」
医療の進歩により、がんや脳卒中などになっても一命をとりとめる可能性は高まっています。一方で、治療のために長期間働けなくなれば収入が減り、住宅ローンの返済が重くのしかかります。一般的な団信は死亡・高度障害でなければ保険金が支払われないため、「亡くならないが働けない」状態は保障の対象外になりがちです。
だからこそ、がんと診断された時点や、就業不能・長期入院になった時点でローン残高が保障される「疾病保障付き団信」の重要性が増しています。死因はがん・心疾患・脳血管疾患(いわゆる3大疾病)が上位を占めており、これらに備える保障は家計を守る安全装置といえます。
がん保障に強い団信(auじぶん銀行・ソニー銀行)
auじぶん銀行は、借入時50歳以下なら上乗せ金利なしで「がん・4疾病50%保障+全疾病保障」を付帯できます。がんと診断されただけで住宅ローン残高が半分になり、精神障がいを除くすべての病気・ケガで180日以上入院が続いた場合は残高がゼロになります。がん100%保障へのアップグレードも年0.05%と割安です。
ソニー銀行も、上乗せなしの「がん団信50」でがん診断確定時に残高の50%を保障します。年0.1%の上乗せで「がん団信100」にすれば、残高100%保障に加えて診断給付金100万円やがん先進医療給付金(通算1,000万円)も受け取れます。
就業不能・全疾病に広く備える団信(SBI新生銀行・ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行))
SBI新生銀行は、全疾病保障付団信(就業不能保障特約付)を上乗せ金利0円で選べます。病気やケガで所定の就業不能状態が続いた場合に残高が全額返済される保障を無料で付けられるのは、他行にない分かりやすい強みです。2026年時点で選べる団信は、一般団信(無料)・全疾病保障付団信(上乗せ0円)・ガン団信(がん100%保障・年0.1%上乗せ)の3つです。なお、介護保障を付けた「安心保障付団信(安心パック等)」は新規の取り扱いを終了しているため、古い情報と混同しないよう注意してください。事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です。
ドコモの銀行の「スゴ団信」も、全年齢が全疾病保障を無料で付帯でき、借入時50歳未満なら3大疾病50%保障も無料で基本付帯されます。
フラット35でも全疾病保障を付けられる
全期間固定金利で人気のフラット35(ドコモの銀行の買取型)でも、全疾病保障を付帯できます。ネット専用の住宅ローンでは無料ですが、フラット35(買取型)に付帯する場合は借入金額の0.55%(税込)が住宅ローン契約時に必要です。例えば3,000万円の借り入れで16万5,000円(税込)ほどとなり、35年返済に均すと年あたり数千円程度と、比較的抑えた負担で長期の保障を確保できます。
※フラット35(保証型)は現在、新規の受付を停止しています。取り扱い状況は改定されることがあるため、最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
長生き時代の団信選び よくある質問
Q. すでに医療保険に入っていれば団信の疾病保障は不要ですか?
A. 医療保険は治療費・入院費をカバーするもので、団信は住宅ローン残高そのものを保障するものです。役割が異なるため、両者は重複しません。返済期間が長いほど、残高を丸ごと守る疾病保障の価値は高まります。
Q. 「全疾病保障」はどんなときに役立ちますか?
A. がんに限らず、脳血管疾患や腎疾患などで長期入院・就業不能になったときに、月々の返済や残高が保障されます。長期入院は65歳未満でも一定の割合で起こり得るため、働き盛りの世代ほど備える意味があります。
Q. 上乗せ金利は付けるべきですか?
A. 無料の保障で足りるかは、家計の予備資金や加入中の保険によります。年0.05〜0.1%の上乗せでがん100%保障まで手厚くできる銀行もあるため、総返済額への影響と安心感を比べて判断しましょう。
最後に
平均寿命が延び、長く返済を続ける時代だからこそ、住宅ローンは金利だけでなく「働けなくなったときの備え」まで含めて選ぶことが大切です。無料で付く疾病保障の範囲は銀行ごとに異なります。各行の保障を比較し、ご自身とご家族に合った住宅ローンを選びましょう。
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