
「住宅ローンの変動金利は、これから5年でどうなるのか」。マイホームの購入や借り換えを検討するうえで、多くの人が気になるテーマです。長く続いた超低金利は転換点を迎え、日銀の利上げによって変動金利にも上昇圧力がかかり始めています。この記事では、変動金利のこれまでの動きと、2026年以降の見通しを、各機関の予想も交えて中立の立場で整理します(金利や見通しは時点で変わるため、最新情報は各金融機関・公式でご確認ください)。
変動金利のこれまでの動向
変動金利は、金利動向に応じて住宅ローン金利が半年ごとに見直される金利タイプです。見直しリスクがある分、多くの金融機関で当初の適用金利が最も低くなりやすく、長い低金利時代に大きなメリットを受けられる選択肢として人気を集めてきました。
変動金利は、銀行が優良企業へ短期で貸し出す際の基準となる「短期プライムレート」(短プラ)を目安に決められます。この短プラは2009年から2024年8月ごろまで年1.475%で据え置かれ、2016年のマイナス金利政策の下でもほとんど動きませんでした。この間、10年固定やフラット35などの長期固定金利が大きく下がる一方で、変動金利は低い水準で安定して推移してきたのが特徴です。
住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月)では、変動型を選んだ人が75.0%と依然として多数派です(前回79.0%から低下)。低金利メリットを重視して変動を選ぶ人が多い一方、金利上昇を意識して固定を検討する動きも少しずつ出てきています。
2026年の変動金利をめぐる状況
局面が変わったのは、日銀が段階的な利上げに転じてからです。日銀は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げました。これは1995年以来の高水準で、マイナス金利解除(2024年3月)以降の追加利上げが続いています。
これを受けて主要行の短プラも動き出しました。三菱UFJ銀行・みずほ銀行などは2026年8月3日に短プラを年2.375%へ引き上げることを公表しています。変動金利の基準金利は短プラをもとに決まるため、基準日(多くは毎年4月・10月)を経て、2026年秋以降に借入者の適用金利へ順次反映されていく見通しです(反映の時期や幅は銀行ごとに異なります。2026年7月時点)。
各行の最新の変動金利は下記のランキングや各金融機関の公式サイトで確認できます。低さだけでなく、金利が上がったときの返済額の増え方まで含めて比較することが大切です。
【結論】今後5年の変動金利の見通し
今後の金利は誰にも正確には予測できませんが、複数の機関の見方を整理すると、当面は「これまでのような据え置きではなく、緩やかな上昇を織り込む局面」に入ったといえます。主な見方は次のとおりです(いずれも各機関の予想であり、断定ではありません)。
| 見方(出典) | 今後の変動金利の見通し |
|---|---|
| みずほ経済研究所 | 多くの金融機関が変動金利を2026年10月ごろに0.25%pt程度引き上げると予想 |
| ダイヤモンド不動産研究所 | 年内の追加利上げ次第で、2026年内に変動金利は1.25%程度まで上昇する可能性 |
| モゲチェック | 短期的には上昇局面だが、中長期的には低金利が続く可能性が高いとの見解 |
ポイントは、日銀の利上げが続けば短プラを通じて変動金利も上がりやすい一方、その速度や到達水準は経済・物価情勢によって変わるということです。かつての「変動金利はほとんど動かない」という前提はいったん崩れましたが、急激な上昇が確実というわけでもありません。今後5年は、金利が緩やかに動くことを前提に、返済計画に余裕を持たせておくという考え方が現実的でしょう。
住宅ローンの金利動向については、住宅ローンの金利推移・金利動向は?や住宅ローン金利の動向と予測もあわせて参考にしてください。
よくある質問
Q. 変動金利はこれから必ず上がりますか?
A. 日銀の利上げと短プラの引き上げにより上昇圧力はかかっていますが、上昇の速度や幅は今後の経済・物価情勢次第で、各機関の予想も分かれています。「必ずこうなる」と断定はできないため、複数のシナリオを想定して備えるのが安全です。
Q. 短プラが8月に上がると、私の返済額もすぐ増えますか?
A. 変動金利の基準金利は多くの場合、毎年4月・10月などの基準日を経て見直されます。そのため2026年8月の短プラ引き上げが返済中の借入者に反映されるのは、一般に2026年秋以降です。反映の時期は銀行ごとに異なるため、契約中の金融機関の案内を確認してください。
Q. これから借りるなら変動と固定のどちらがよいですか?
A. 一概には言えません。当初の返済額を抑えたいなら変動、金利上昇リスクを避けて返済額を確定させたいなら固定が向きます。金利が上がった場合の返済額まで試算し、家計に無理のない方を選ぶことが大切です。最新の適用金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
最後に、最新の変動金利を確認しておきましょう。ぜひご自身に合った住宅ローン選びに活用ください。
変動金利比較表/
| 変動金利比較表 | |||
|---|---|---|---|
| No | 銀行名 | 変動金利 | 特徴 |
| 1 | SBI新生銀行 | 年0.990% | ハイパー預金金利優遇プログラム適用時 |
| 2 | PayPay銀行 | 年1.330%(全期間引下型) | 日本初のネット銀行(旧ジャパンネット銀行)。来店不要・ネット完結・電子契約で利便性も抜群。 ※借入総額が、物件購入価格および建築請負価格の合計額に対して90%以内のお客さまが対象です。 ※本優遇を受ける場合は、諸費用、事務手数料も自己負担となります。 |
| 3 | ソニー銀行 (変動セレクト住宅ローン) | 年1.347%![]() | オリコン顧客満足度上位常連。無料の疾病保障も魅力。 ※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります |
| 4 | イオン銀行 | 年1.040%※1 | イオングループでの買い物がいつでも5%オフ |
| ※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。 | |||
※1 物件価格の80%以内でお借入れの場合

