住宅ローンの借り換えで返済条件を比べるイメージ

住宅ローンの借り換えで得をするかは、金利差・残高・残りの返済期間と、借り換えにかかる諸費用の差し引きで決まります。目安は残り10年以上・残高1,000万円以上・金利差1%以上です。

金利の環境は2026年に入って大きく動きました。日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度へ引き上げています(日本銀行 金融政策決定会合)。

長期固定も上がり、2026年10月のフラット35(借入期間21〜35年・融資率9割以下)の最頻金利は3.830%です(住宅金融支援機構 フラット35金利情報)。いまの借入金利と比べる相手の水準が、この1年で上がっています。

住宅ローン借り換えの注意点① 金利差

借り換えの目的は、多くの場合「より低い金利に移して毎月の返済額を減らすこと」です。完済を早める目的で使う人もいます。

メリットが出やすい目安は、残りの返済期間10年以上・残高1,000万円以上・金利差1%以上の3条件です。あくまで目安で、実際は諸費用を含めた試算が要ります。

たとえば残高1,000万円・残り10年・金利2.0%なら、今後払う利息は約104万円です。金利1.0%に移すと約51万円になり、差は約53万円です(元利均等・ボーナス返済なしの概算)。

金利差が1%未満でも得になるケース

金利差が小さくても、残高が大きく期間が長ければ差額は膨らみます。下の表は、仮定の金利で利息の差を計算したものです。

試算の条件(仮定)借り換え前の利息借り換え後の利息利息の差
残高1,000万円・残り10年・2.0%→1.0%約104万円約51万円約53万円
残高2,000万円・残り20年・2.0%→1.5%約428万円約316万円約112万円
残高2,000万円・残り20年・2.0%→1.0%約428万円約207万円約221万円

※元利均等返済・ボーナス返済なし・金利は全期間一定と仮定した当サイトの概算です。諸費用は含みません。

2行目は金利差0.5%ですが、利息の差は1行目の2倍を超えます。つまり、金利差だけで判断せず残高と期間を掛け合わせて見る必要があります。

住宅ローン借り換えの注意点② 諸費用がかかる

借り換えは新しい住宅ローンを組む手続きです。最初の借り入れと同じく諸費用がかかり、利息の軽減額から諸費用を引いた分が実質的なメリットになります。

諸費用には事務手数料または保証料、司法書士報酬、抵当権の抹消・設定費用、印紙税などが含まれます。合計は数十万円規模になることが多く、事務手数料の方式で大きく変わります。

諸費用の種類目安・内容備考
事務手数料(定率型)借入金額の2.20%(税込)が主流ネット銀行に多い。保証料0円とセットの場合が多い
事務手数料(定額型)一律44,000円(税込)などソニー銀行の「住宅ローン」など、定額を選べる商品もある
保証料保証料0円〜融資額の約2%前払いした保証料は借り換えで一部戻る(下記③)
登記・司法書士など抵当権抹消・設定費用、司法書士報酬、印紙税ほか物件・契約内容により変動

方式は銀行で異なります。SBI新生銀行は借入金額の2.20%(税込)の定率タイプで、保証料は0円です。

ソニー銀行は「住宅ローン」が44,000円(税込)、「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」が借入金額の2.20%(税込)と、商品で方式が分かれます。

定率タイプの重さは金額で見ると分かります。残高2,000万円を借り換えると、2.20%の事務手数料だけで44万円です。上の表の2行目なら、利息の差約112万円から44万円と登記費用などを引いた額が手残りになります。

借り換え先の金利と諸費用の比べ方は、住宅ローン借り換えの比較|金利・手数料・団信で選ぶポイントで整理しています。多くの金融機関では、借り換えの諸費用をローンに組み込めます。

住宅ローン借り換えの注意点③ 保証料(戻し保証料)

3つ目は保証料の返還(いわゆる戻し保証料)です。保証料を前払いしていた場合、借り換えで元のローンを完済すると、残りの保証期間に応じた保証料が戻ります。

戻る額は保証会社の計算方法で決まり、前払い額の残り年数分がそのまま戻るわけではありません。正確な額は、いまの借入先に完済時の返戻見込みを問い合わせると分かります。

保証料0円のローンへ移れば、今後の保証料負担もなくなります。比べると、保証料を前払いした人ほど借り換えの手残りが増えやすい構造です。

住宅ローン借り換えの注意点④ 団信(団体信用生命保険)の再審査

借り換えでは、団信に入り直すための審査(健康状態の告知)があります。最初の借り入れ後に持病を抱えた場合、団信に入れず借り換え自体ができないこともあります。

告知義務に違反して持病を申告しないと、万一のときに保険金を受け取れなくなる恐れがあります。健康に不安がある人向けに、引受基準を緩めたワイド団信を扱う銀行もあります。

保障の中身も変わる点に注意が必要です。いまのローンにがん保障などの特約が付いている場合、借り換え先で同じ保障を付けると金利の上乗せが生じることがあります。

注意点⑤ 申込先の受付期限と審査の上乗せ金利

借り換え先の申込ルートが変わる例もあります。ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の住宅ローン「WEB申込コース」は、2026年10月30日(金)17時で仮審査申込の受付を終了します。

終了までに仮審査を申し込んだ人は、WEB申込コースで手続きを続けられます。それ以降に申し込む人は、銀行代理業者が窓口の「対面相談コース」を使う流れです。

比較の観点対面相談コースWEB申込コース
借り換えの変動金利(通期引下げプラン・2026年10月)年1.600%(物件価格80%以下)/年1.70%(80%超)年2.000%
審査結果による上乗せ最大年0.55%年0.1〜0.3%
申込の窓口銀行代理業者(店舗・オンラインで相談)WEB・LINE(2026年10月30日17時で仮審査受付終了)

対面相談コースは表面金利が低い一方、審査結果による上乗せの幅はWEB申込コースより広くなります。つまり、表の金利がそのまま適用されるとは限らず、審査後の適用金利で損得を試算し直す必要があります。

対面相談コースの「環境配慮型住宅への特別金利優遇」は、2026年9月実行分で終了しています。物件価格80%以下の優遇は対面相談コースで続いています。

対面相談コースの相談窓口の一つがSBIマネープラザです。

※PR SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行を所属銀行とする銀行代理業者です。

借り換えの審査で見られる年齢・年収・勤続年数は、住宅ローン借り換えの審査条件7項目で銀行別に並べています。

よくある質問(FAQ)

Q. 借り換えで得をする条件の目安は?

A. 残り返済期間10年以上・残高1,000万円以上・金利差1%以上が一般的な目安です。金利差が小さくても残高が大きく期間が長ければ得になることがあり、諸費用を引いた手残りで判断します。

Q. 金利が上がっている今、借り換えは不利ですか?

A. 損得は、いまの借入金利と借り換え後の金利の差で決まります。数年前に高めの固定金利で借りた人なら、上昇局面でも差が残るケースがあります。変動に移す場合は将来の上昇も試算に入れます。

Q. 借り換えの諸費用はどのくらいかかりますか?

A. 定率タイプの事務手数料(借入金額の2.20%(税込)が主流)に登記費用などを加え、数十万円規模が多いです。残高2,000万円なら事務手数料だけで44万円です。多くの銀行で諸費用をローンに組み込めます。

Q. 借り換えで団信のがん保障を付け直すと費用は増えますか?

A. 銀行と保障の種類によって、金利の上乗せが生じる場合と生じない場合があります。いまの保障と同等の内容を借り換え先で付けたときの適用金利で、総返済額を比べます。

掲載内容は記載時点のものです。最新の金利・条件は各金融機関の発表をご覧ください。

借り換え先を金利・団信・諸費用で並べた一覧は、住宅ローン金利・借り換え比較ランキングにまとめています。

 

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