マイホームの買い時を検討する夫婦のイメージ

「マイホームは今が買い時なのか?」——住宅ローンを比較する前に、誰もが一度は考える問いです。本記事では、「買い時」を判断するための基本の3つの観点を整理したうえで、かつての超低金利時代と大きく変わった2026年の金利環境での考え方を解説します。

「買い時」を判断する3つの観点

「マイホームが買い時か」を考えるとき、ポイントは大きく3つあります。

1点目は住宅そのものの価格です。1年前に5,000万円で売り出されていたマンションが4,000万円になっていれば、当然1年前より今が買い時と言えます。

2点目は住宅ローンの金利です。同じ5,000万円のマンションでも、借りるローンの金利が低ければ総返済額は数百万円単位で変わります。

3点目は税制・国の支援策です。消費税率や住宅ローン減税、省エネ住宅への補助金など、政府の政策次第で実質的な負担は大きく変わります。

比較の観点見るポイント2026年7月時点の状況
物件価格需給・エリアの人気度地域差が大きく一律には語れない
金利政策金利・変動/固定の水準政策金利1.0%程度・金利上昇局面
税制・支援策住宅ローン減税・補助金要件は毎年見直し(公式で最新を確認)

2015年の調査では「FPの6割が買い時」だった

この問いをめぐっては、興味深い過去の調査があります。住宅金融支援機構が公表した「平成27年度下期における住宅市場動向について」(2015年)のアンケートでは、「2015年度下期(2015年10月〜2016年3月)はマイホームの買い時だと思うか」という質問に対し、一般の人で「買い時だ」と答えたのは全体の49.2%だった一方、ファイナンシャルプランナー(FP)資格を持つ人では62.3%に増えていました。

理由として挙げられていたのは、省エネ住宅などの条件を満たすと金利が引き下げられる「フラット35S」の魅力でした。ただし、フラット35Sは条件をクリアできる住宅にしか適用されないため、「お金のプロが買い時と言っているから買い時だ」と言い切るのは当時も危険な読み方でした。

当時の当サイトの見立ては「この下期が特別な時期とは考えない=どっちでもない」というものでした。実際、その後2016年には日銀のマイナス金利政策が始まり、住宅ローン金利は史上最低水準の更新が続いたため、「いつ買っても超低金利」という時代がしばらく続きました。

2026年の今は「金利が上がる時代」に変わった

しかし、現在は前提が大きく変わっています。日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、追加利上げを重ねて、2026年6月16日には政策金利を1.0%程度へ引き上げました(1995年以来、約31年ぶりの高水準)。2026年8月には3メガバンクが短期プライムレートを年2.125%から2.375%へ引き上げる予定で、変動金利型の住宅ローンにも順次波及する見込みです(反映時期は銀行ごとに異なります)。

固定金利側では、フラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)の2026年7月の金利は年3.140%と、前月から0.070%低下し4カ月ぶりの低下となりましたが、かつての1%台とは水準が異なります。なお、住宅金融支援機構の2026年1月の利用者調査では、変動型を選ぶ利用者の割合は75.0%と依然多数派です。

2026年7月に報道された民間調査では、住宅ローン返済中の人の約3割が「返済額の増加に不安」と答え、購入検討者の約6割が日銀の利上げで購入に「やや慎重」になったとされます。金利のある世界では、「いくら借りられるか」ではなく「金利が上がっても無理なく返せるか」が買い時判断の中心になります。

結論:「本当に欲しい家か」が最重要なのは今も同じ

それでも、当サイトの基本的な結論は2015年当時から変わりません。マイホームと賃貸のどちらが得かは、経済がよくできているだけに実は大差がつきにくいものです。何よりもまず「その家が本当に欲しいのか」を最重要視すること。そのうえで、金利・諸費用・団信・付帯サービスを含めて各社の住宅ローンをしっかり比較することが「おトク」への近道です。

金利上昇局面では、変動・固定の選び方や繰上返済のしやすさ、店舗で相談できるかどうかも重要になります。ネット銀行の低金利に加え、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応し保証料0円のSBI新生銀行のような銀行も含めて、横並びで比較して検討するとよいでしょう。最新の金利・条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください