日銀のマイナス金利政策導入後1ヶ月以上たっても、主要銀行の貸出金利基準の1つである短期プライムレート(短プラ)は引き下げられていません。
他の長期金利や長期プライムレート等が軒並み引き下げられている中、銀行側の収益を確保したい意図のため、短プラの引下げのみが据え置かれています。
そして、短プラ連動で金利が決められることの多い中小企業向け融資は、当然のことながら、金利引下げがありません。
また、同様に、住宅ローンの変動金利や教育ローン、自動車ローンなど個人向け融資も短プラと連動することが多いのが現状です。 マイナス金利政策の恩恵は、大企業にとどまり、中小企業や個人には届いていないのです。
実際に金利タイプの内訳を開示している三井住友、りそなホールディングス、横浜銀行の情報をみても、市場連動型の融資は大企業を中心に全体の30-50%となっています。 多くの銀行は住宅ローン金利を「基準金利」と「優遇幅」の2つで決めています。いくつかの銀行は、ここ最近の金利競争激化のため、その優遇幅を広げる形で、金利を下げていますが、短プラに連動する基準金利は変更されていません。
新規借り入れ金利は値下げ競争が繰り広げられているけれど、既存の借り手の金利は下がらないのです。 つまり、現時点で住宅ローンに関しては、「新規借り入れか借換えすると、マイナス金利政策の恩恵を受けられる」と言えます。
そんな中、ここ数ヶ月のauじぶん銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行の金利競争は、驚異的な低金利を生み出しています。
auじぶん銀行は、昨年12月から独自の住宅ローンを取り扱い始めました。ガン保障などでユニークな商品がありますが、金利も非常に低く抑えられており、金利の積極的な引き下げを実施しております。
住信SBIネット銀行は、本年3月に年0.568%に変動金利を引き下げ、4月もそれを継続しています。3月の引下げは、auじぶん銀行の昨年12月の引き下げを受け、それを追いにきた形ですが、4月には再度引き離される結果となりました。また、住信SBIネット銀行は変動金利の引下げだけでなく、10年固定金利も0.640%と驚異的な値です。
楽天銀行の変動金利も2015年4月現在、年0.563%からと住信SBIネット銀行を下回る金利を提示しています。楽天銀行はすでに5月の金利を発表しており、5月も変動金利は0.563%という低金利を維持しています。
住宅ローンの金利をめぐり、歴史的な低金利競争がおこっています。今後もぜひ注目していきたいところですね。
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