住宅ローン金利の報道を冷静に読み解くイメージ

※本記事は2016年4月当時の住宅ローン金利と、その時期の報道についての解説です(公開当時の内容を記録として残しています)。

2016年4月に入り、Yahoo!トップにも掲載されていたため記事内容をご覧になった方も多いかと思いますが、「マイナス金利なのに住宅ローン金利が引き上げられた」というタイトルの記事がありました。

この記事をご覧になっていた方々の中には、「住宅ローンの借り換え、3.6倍に 金利過去最低で急増」という記事との関係について、次のような疑問を持たれる方もいらっしゃいました。

一見すると矛盾する内容の記事が出ていたため、戸惑うのも当然のことだと思います。マイナス金利と住宅ローン金利に関する報道

そこで今回は、「本当に住宅ローン金利は上昇・上がったのか?」という点を解説したいと思います。

結論から申し上げると、

「住宅ローン金利が引き上げられたという報道は極めて誤解を招くもので正しくなく、住宅ローン金利は引き続き過去最低を更新し続けている」

というのが実態でした。論より証拠ということで、ネット専業銀行の老舗であるソニー銀行の2016年3月と4月の金利比較をご紹介します。

 

2016年3月

2016年4月 変動幅
変動金利 0.869% 0.849% -0.02%
固定金利2年 0.701% 0.700% -0.01%
固定金利3年 0.704% 0.700% -0.04%
固定金利5年 0.756% 0.750% -0.06%
固定金利7年 0.840% 0.806% -0.034%
固定金利10年 0.915% 0.840% -0.075%
固定金利15年 1.301% 1.132% -0.0169%
固定金利20年 1.514% 1.269% -0.0245%
固定金利35年 1.664% 1.381% -0.0283%

いかがでしょうか。変動金利を含め、すべてのタイプの住宅ローン金利が引き下げられています。

次に、変動金利と長期固定金利について、2015年1月からの金利推移をご紹介します。

変動金利は住信SBIネット銀行、長期固定金利は楽天銀行フラット35の金利を用いています。両行ともに金融業界において最低水準の金利を常に提供しているため、十分に参考になる金利とお考えください。

下記のグラフをクリックすると大きなグラフが閲覧できます。

2015年1月からの変動金利・長期固定金利の推移グラフ(2016年4月時点)

いずれの金利を見ても、住宅ローン金利は「上がった」というよりも、まだ「下がっている」「最低水準を維持している」という見方が正しいことが分かります。

では、なぜ「住宅ローン金利が上がった」という報道がなされたのでしょうか。

これは、メガバンクが10年固定金利に限って0.05%程度の金利引き上げを行ったため、この引き上げにフォーカスして「住宅ローン金利が上がった」と報道され、誤解を生んでいるというのが実態です。

2016年4月には、多くの金融機関で10年固定金利以外の金利タイプにおいて金利引き下げや過去最低金利の維持が行われていました。

auじぶん銀行ソニー銀行は、変動金利の引き下げも実施していました。

以上の状況を総合すると、「住宅ローン金利が引き上げられた・上昇した」という報道は正しくなく、引き続き過去最低を更新している状況だったと言えます。

報道は常に「注目」を浴びることを目的としている側面もあり、必ずしも真実をそのまま伝えているとは限りません。見出しだけで判断せず、誤解によって損をしないよう心がけたいですね。

同時に、住宅ローンの借り入れ・借り換えについても、しっかり比較を行うことが家計の節約にとって重要となります。

 

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