住宅ローン変動金利の仕組みをイメージした図

住宅ローンを組む際に、引き続き変動金利を選ぶ人が多数を占める傾向が続いています(住宅金融支援機構の利用者調査より)。日銀が2016年に採用したマイナス金利政策のもとで住宅ローン金利は歴史的な低水準まで下がりましたが、そのマイナス金利政策は2024年3月に解除され、日銀は段階的な利上げを進めています(2026年6月には政策金利を1.0%程度へ)。変動金利にも上昇圧力がかかりつつある今こそ、変動金利の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

変動金利は、景気が良くなり金利が上昇すると毎月の返済額が増える可能性があります。そのリスクを和らげる仕組みとして知られるのが、今回取り上げる「5年ルール」「125%ルール」です。変動金利をうまく活用するには、この2つのルールがどのようなものかをしっかり押さえておきましょう。

変動金利の5年ルールについては住宅ローン変動金利タイプの仕組み・基礎知識と注意点[5年ルールとは]でも詳しく解説しています。

5年ルールとは?

「毎月の返済額の見直しは5年ごとに行う」ことを定めたルールです。仮にその間に適用金利が変動しても、月々の返済額は5年間は変わりません。5年ごとに訪れる見直しのタイミングで、はじめて毎月の返済額が変わります。ここで注意したいのが繰上返済です。繰上返済を行うとこの5年ルールの返済額見直しも同時に行われるため、金利上昇期には繰上返済をしたら毎月の返済額が増えてしまった、ということになりかねません。

125%ルールとは?

「返済額の見直しのタイミングで毎月の返済額が増える場合でも、その上限を前回返済額の125%までとする」というルールです。たとえば毎月10万円を返済していた場合、見直しで返済額が上がっても、上限は12万5,000円になります。この際、元本ではなく利息を優先して返済する扱いとなります。

5年ルール・125%ルールのデメリットとは?(未払利息に注意)

5年ルール・125%ルールは、利用者にとって安心できる仕組みのように感じますが、デメリットもあります。ポイントは、返済額の見直しは5年ごとでも、適用される金利自体は半年ごとに見直されるという点です。つまり、金利が上がっても返済額を据え置く分、返済を先延ばしにしているだけともいえます。

先延ばしにしているのは利息の免除ではなく、元本返済です。上昇した金利分の負担は「未払利息」として積み上がり、最終的にはその分の利息も含めて支払う必要があるため、総返済額は膨らみます。返済の最終回にまとめて請求されるケースもあるため、金利上昇局面では「返済額が急に増えない=安心」と単純に考えないことが大切です。

なお、ネットで人気を集めるソニー銀行SBI新生銀行、PayPay銀行などは、この5年ルール・125%ルールを採用していません(各行公式で確認)。適用金利が上昇した際は、その都度、上昇幅に応じて返済額を見直すため、未払利息が発生せず、返済の最終回にしわ寄せされないのが特徴です。毎月の返済額の増加が早めに訪れる可能性はありますが、元本返済が遅れない点はメリットといえます。

変動金利の5年ルール・125%ルールの仕組み図

引用;三菱UFJ銀行

5年ルール・125%ルールには賛否両論がありますが、5〜10年のスパンで考えれば金利が急上昇する可能性は高くなく、変動金利の低さのメリットを享受できると考えられます。一方で、金利上昇にしっかり備えたいという方は、変動金利ではなく10年固定などの一定期間金利を固定できるタイプや、フラット35のように返済期間を通じて金利を固定できるタイプを検討するのも一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q. 5年ルール・125%ルールがあれば、金利が上がっても損はしない?
A. いいえ。返済額の急増は抑えられますが、上昇した金利分は「未払利息」として積み上がり、最終的に支払う必要があります。総返済額はむしろ増えることがある点に注意してください。

Q. どの銀行が5年ルール・125%ルールを採用していないの?
A. ソニー銀行・SBI新生銀行・PayPay銀行などが採用していないと公表しています。取り扱いは変わることがあるため、契約前に必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

Q. 金利が上昇しても返済額が本当に125%で頭打ちになる?
A. 元利均等返済で採用している銀行の場合、見直し後の返済額の上限は前回の125%です。ただし固定できるのは「毎月の返済額」であって「金利負担」ではないため、未払利息のリスクは残ります。

変動金利比較表/

変動金利比較表
No銀行名変動金利特徴
1
SBI新生銀行年0.990%ハイパー預金金利優遇プログラム適用時
2PayPay銀行年1.330%(全期間引下型)日本初のネット銀行(旧ジャパンネット銀行)。来店不要・ネット完結・電子契約で利便性も抜群。
※借入総額が、物件購入価格および建築請負価格の合計額に対して90%以内のお客さまが対象です。
※本優遇を受ける場合は、諸費用、事務手数料も自己負担となります。
3
ソニー銀行
(変動セレクト住宅ローン)
年1.347%
オリコン顧客満足度上位常連。無料の疾病保障も魅力。
※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります
4イオン銀行年1.040%※1イオングループでの買い物がいつでも5%オフ
※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。

※1 物件価格の80%以内でお借入れの場合

 

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