金融庁をご存知でしょうか?
金融庁は1998年に創設された金融再生委員会を原型として作られた組織であり、日本の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、金融商品への投資者を保護するとともに、金融システムを円滑にすることも目的としています。
銀行に取っては、「監督者・警察」のような立場の組織なのかもしれません。
この金融庁が2016年2月に日銀が開始したマイナス金利政策について、金融機関に与える影響についての調査を行い、話題となっています。
この調査によると、マイナス金利政策によりメガバンク3行で今期3000億円の減益となるとしています。
また、住宅ローン金利についても調査されており、変動金利で年0.625%を貸す銀行では住宅ローン単体で「赤字」になっているという驚きの結果まで発表されています。
赤字でも住宅ローンを貸し出す銀行の思惑としては、
・給与振り込みに利用してもらう
・公共料金などの支払い銀行口座に指定してもらう
・クレジットカードの同時発行などの付加サービスで利益を狙う
といったところが考えられるのではないでしょうか?
実際、最優遇金利の条件として、上記のような前提を出しているメガバンクも多くあります。
今回の調査で注目すべきは、赤字でのサービス提供を続ければ、経営基盤を蝕み、金融システムに影響を及ぼすと金融庁が懸念をしている点でしょう。
冒頭にもご紹介しましたが、金融機関に取り、金融庁の存在は絶対です。
この金融庁が懸念するほど現在の住宅ローン金利は急低下しているのです。
ご参考までに2016年8月の変動金利をランキングでご紹介したいと思います。
変動金利比較表<2021年1月>
変動金利比較表 | |||
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No | 銀行名 | 変動金利 | 特徴 |
1 | auじぶん銀行 | 0.410% (全期間引下げプラン)![]() | がんと診断されたら住宅ローンの残債が半分になる、がん50%保障と全ての病気とケガを保障する全疾病保障が無料が付帯してこの低金利。低金利ネット住宅ローンの代表格。 |
1 | SBIマネープラザ (住信SBIネット銀行のミスター住宅ローンREAL)※2 | 0.410%(通期引下げプラン)![]() | インターネット専業銀行でとして高い人気を集める住信SBIネット銀行のリアル店舗専用の住宅ローン。全疾病保障が無料で付帯。 |
2 | 住信SBIネット銀行 (ネット専用住宅ローン)※1 | 0.440%(通期引下げプラン)![]() | インターネット専業銀行でとして高い人気を集める住信SBIネット銀行。全疾病保障が無料で付帯。 |
3 | ソニー銀行 (変動セレクト住宅ローン) | 0.507%![]() | 顧客満足度10年連続1位のソニー銀行。住宅ローンも高い人気。 |
4 | イオン銀行 | 0.520% | イオンなどでの買い物がいつでも5%オフなるサービスは他行では決してまねできない。 |
※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。 |
※2 審査結果によっては、金利に年0.1%~年0.3%上乗せとなる場合があります
いかがでしょうか?
金融庁は具体的にランキングででご紹介した銀行について懸念を示した訳ではありませんが、いずれも赤字になるレベルの住宅ローン金利を提示していることがわかると思います。
逆説的ですがが、住宅ローン契約者にとっては、住宅ローン借り入れ、借り換えには極めて有利な環境が発生していると言えます。