<2017年4月18日更新>
イギリスのメイ首相が4月18日にEUからの離脱について国民に信を問うために、議会を解散し6月8日に総選挙を実施すると発表しました。
野党がEU離脱のための取り組みに協力していないことを理由にしています。
解散には議会の2/3以上の賛成が必要となり、総選挙の実現有無、総選挙の結果から目が離せません。
<2017年1月18日更新>
イギリス時間1月17日にイギリスのメイ首相はイギリスのEU離脱に関する方針を示しました。前日には強硬な形でのEU離脱を予想する動きがありましたが、結果的にはそうしたものではありませんでした。メイ首相は
1.EU単一市場に残る事は出来ない
2.中途半端な形でのEUのメンバーになるような事はしない
3.EU域内からの移民を制限する
4.EUとの新しい関係を目指す
5.EUとの最終的な合意は上下両院に投票による承認を求める
6.イギリスは世界の国々と取引や貿易がしたい
イギリスは独立した国家としての権限回復を目指しているようです。
この動き自体が世界経済やイギリス経済にどういった影響をもたらすかは、プラス要素、マイナス要因が思われ判断は難しいとところでしょう。
アメリカの大統領選挙でもみられたように、世界的に保護主義・保守主義が台頭しており、2017年に多く開かれるヨーロッパ内での選挙でさらにEU離脱派が選挙に勝つようなことになるとEU崩壊を意識し、世界的な動揺が発生するのは間違いなく、世界的な株安ユーロ安円高が進むと思われます。
こうした動きは結果的に世界経済網はもちろん日本経済にもマイナスの影響を与えるでしょう。
1月20日にはアメリカにおいてトランプ氏が大統領に就任し、同士の掲げる経済政策は経済にプラスの影響及ぼすとされていますがトランプ氏が掲げる保護主義の動きが台頭すれば、世界的な経済不安が起きるかもしれません。
こうして考えると世界的な長期金利の動向を現時点で予測するのは難しいとこでしょう。ただし、日本では日銀が掲げるゼロ金利政策は長期金利を0%前後に維持することを目的としており、住宅ローン金利の上昇を抑える事は間違いありませんので、当面は住宅ローンの借入借り換えには適した環境が続くものという事は間違いないでしょう。
<2016年6月25日投稿>
現地時刻の23日(日本時刻で6月24日)に行われたイギリスの欧州連合(EU)離脱・残留を決断する国民投票で、離脱派が約1740万票の51.9%を占めて離脱を決断しました。
今回の国民投票の結果は世界マーケットを震撼させ、日本においても大幅な株安はもちろん、急激に円高が進むなど世界中の経済が大混乱する事態に陥りました。イギリス国内においても、EU残留を支持していたキャメロン首相はすでに首相を辞任を表明するなど、大混乱に陥っています。投票開始前から接戦であることは各種調査で判明していましたが、投票開始直前は残留派優勢の報道が増えていましたので、EU離脱派の勝利は大きなサプライズとなって、マーケットの大混乱につながりました。
なぜ、イギリスでEU離脱の声が高まりを見せたのか?
イギリス国内でEU離脱の声が高まった理由はいくつかあります。その中でも大きな影響を与えた問題は、イギリスへの移民流入問題です。それ以外にも、ヨーロッパを束ねる巨大組織となったEUの官僚体制への不満、ギリシャ問題に代表されるユーロ圏経済の混乱と将来に対する不安の高まり等があげられます。特に難民問題は、EU各国の足並みがそろわず適切な対処が行えず問題が長期化していました。その結果、ロンドンにはEU各国からの難民の流入が続き、純粋なイギリス人は50%もいないと言われる程の状態とまで言われています。
更にイギリス経済は長期に渡って低迷しています。日本円にして時給400円のいわゆるワーキングプアは数十万人にのぼるとされ、解決の糸口は見つかっていません。同じEUの中でも経済的に独り勝ちしているドイツとは雲泥の差が生じてしまっていました。
そんな状況が続き、イギリス国民の中でEUに対する苛立ち・ストレスが拡大すると共に、自国(イギリス)であれば、EUという大きな枠組みに頼らずに自立して政治・経済面でる必要が無いという意識が高まり、今回のEU離脱派の勝利につながったと言われています。かつて、世界を席巻した大国であるイギリスならではの国民性も当然に影響していると言えるでしょう。
イギリスがEU離脱するとどうなる?
国民投票でEU離脱派が勝利してしまった以上、基本的にはEU離脱に向けて必要な手続きが進んでいくことになります。1つのポイントはリスボン協定と呼ばれるEU内での約束です。簡単に言うと、EUから離脱することを正式にEUに対して通知した場合、2年以内に離脱の手続きを完了させなければならない、という約束です。離脱に向けてまさに2年間のカウントダウンがいつからスタートするのかが次の注目ポイントと言えます。
さて、イギリスがEUを離脱したら、イギリス・EU・世界にどのような影響があるのでしょうか?
まず、最も大きな影響は、イギリスがヨーロッパ地域における中枢でなくなること、と言われています。世界、特に世界経済のマーケットは、ヨーロッパン(ロンドン)、アジア(上海(+東京))、アメリカ(ニューヨーク)の3つを中心として動いています。イギリス(ロンドン)は、EU離脱後はその中心の立場を維持できないであろうということですね。現在、ロンドンには世界中の金融機関がヨーロッパの拠点として進出しています。まさに金融大国イギリスの経済を下支えしているのは、そのような世界中の金融機関と言っても過言ではありません。
現在はイギリスを拠点としてEU各国でビジネスを展開できていますが、離脱後は同じようにはできなくなります。イギリスに拠点があるからと言って、ドイツやフランスと言ったEU各国でのビジネスを展開できなくなるわけです。そうなった場合、世界中の金融機関(金融機関以外の企業も同様です)がイギリスから撤退していく可能性があります。実際にそうなったら雇用が大きく減少し、イギリス国内の失業率は大幅に上昇していくと言われています。
EUに与える影響も計り知れません。一番大きな問題は第2のイギリスの登場と言えるでしょう。EUからの離脱の声が高まっているのはイギリスだけではありません。イタリア・ギリシャ・スペインと言った国々でもEU離脱の声は拡大しています。今回のイギリスのEU離脱の決断は、そういった国々に飛び火していく危険性を大いに秘めています。それは、イギリスの国民投票の結果判明後、即座にEU加盟各国が一致団結して問題の解決にあたると声明を出していることからも、他国への飛び火を恐れていることが伺えます。
世界経済に与える影響は先ほども少し触れましたが、遠い日本にもその影響は波及しています。むしろ、短期的には日本はイギリスよりも経済的ダメージを被るという意見も出始めています。政治・経済双方の面で不透明になったイギリスの通貨ポンドを持ち続けたくないという投資家のポンド離れがポンド安につながるのは当たり前と言えば当たり前でした。その間、米ドル円も一時99円を割り込む水準まで円高が進み、日経平均株価も1,200円以上下落して、15,000円を下回る形で24日の取引を終えました。
まさに円高・株安です。円高により輸出に多大なるマイナス影響を与えることは容易に想定できますので、株価も急激に下落に転じている状況です。日本の通貨「円」は、世界的に安全資産と見做され、他の通貨が不透明な状態になり、「リスクオフ(投資家がリスクのある資産を売却し、安全資産に資産を移動する)」の動きが世界中で起こり、結果として急激に円高が進む、まさにいつもの展開です。前述の通り、急激な円高は日本経済にとって明らかにマイナスに働きます。
日本の住宅ローンの金利に与える影響は?
では、そろそろ本題にはいります。いわゆる「リスクオフ」の動きは、単なる円高には留まりません。急激な株安が示す通り「円建ての資産」の中でもより安全な商品に資金が流入することになります。安全な資産の代表と言えば、日本が発行する日本国債です。当然、今回のEU離脱は24日の日本の債券市場にも影響を与えています。以下は、ブルームバーグ社のホームページより引用した6月24日時点での国債利回りです。
長期金利(10年物日本国債の利回り)が再び▲0.18%まで低下していることがわかります。ここから先は当サイトでも頻繁にご説明している通り、長期金利の低下は基本的には住宅ローン金利の低下に直結します。つまり、住宅ローン金利に対してはプラスの影響(金利低下)が生じることになります。世界経済はしばらく混乱を続く可能性が高く、安全資産にお金が流入する動きもしばらく続くことが予想されます。つまり、そうそうカンタンに長期金利・住宅ローン金利が上昇に転じる可能性はより低くなったと言えますね。
前述の通り、今回の国民投票の結果は、EUに残留する以上にイギリス経済にマイナスの与える影響が大きいということです。それが、遠く日本の住宅ローン金利の低下につながります。来週以降に徐々に判明する2016年7月以降の住宅ローン金利は更に低下する可能性が高くなっている状況です。
最後に、ご参考に最新の住宅ローン金利(10年固定金利)をご紹介します。
10年固定金利比較表/
10年固定金利比較表 | |||
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※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。 |
※1 自己資金10%以上の場合
※2 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。審査結果によっては金利に年0.1%~年0.30%上乗せとなる場合があります、借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。