
「省エネ住宅ポイント制度」は2015年10月21日の受付分で予算に達し、すでに終了した制度です。未交換ポイントの交換を含め、いま新たに申請することはできません(国土交通省)。
代わりに2026年9月時点で使えるのは、後継にあたる国の「みらいエコ住宅2026事業」です。以下では当時の制度内容を記録として残しつつ、現行制度の補助額・申請期限・予算の消化状況を横並びで整理します。
「省エネ住宅ポイント制度」とは(2015年に実施され終了した制度)
省エネ住宅ポイント制度は、平成26年度補正予算(2015年1月閣議決定)に基づき国土交通省が実施した支援策でした。国が定めた省エネ基準を満たす住宅の新築・購入や、エコリフォームに対してポイント(1ポイント=1円に相当)を発行する仕組みです。
発行されるポイントは、新築・購入で30万ポイント、リフォームは工事内容に応じて最大30万ポイントでした。受付は2015年3月10日に始まっています。
対象住宅に求められた省エネ性能は、「トップランナー基準」や木造住宅の「断熱等性能等級4」などでした。いずれの基準でも、当時としては高い省エネ性能が条件だった点が特徴です。
エコリフォームでは、次のいずれかで一定レベルの改修工事を行うことが必要とされました。
- 窓の断熱改修
- 外壁、屋根・天井、床の断熱改修
- 設備のエコ改修
あわせてバリアフリー改修やエコ設備の設置、リフォーム瑕疵保険への加入、耐震改修を行った場合は、ポイントの加算対象とされていました。
対象期間も細かく決められていました。工事請負契約日は平成26年12月27日以降、着工は契約締結日から平成28年3月31日までで、完了は予算成立日以降という条件です。
完成済みの新築住宅を購入する場合は、平成26年12月27日までに建築基準法に基づく完了検査の検査済証が発行され、予算成立日以降に売買契約を結んだものが対象でした。
受付は2015年10月21日分で終了、申請は新築・リフォーム合わせて約44万戸
国土交通省の報道発表によると、省エネ住宅ポイントは2015年10月21日の受付分をもって予定していた予算に達し、ポイント発行申請の受付が終了しました。同年3月10日の受付開始から約7か月での締切です。
申請受付戸数は速報値で新築が約20.3万戸、リフォームが約23.8万戸でした。前回の「復興支援・住宅エコポイント」と同じく、予算上限に達して早期に受付終了となった形です。
現在はポイント発行や商品交換など本事業に係る手続きがすべて終了しており、申請情報やポイント交換に関する問い合わせも受け付けられていません(国土交通省|省エネ住宅に関するポイント制度について)。
省エネ住宅ポイントから「みらいエコ住宅2026事業」までの流れ
制度が終わったあとも、国は名称と対象を変えながら住宅の省エネ化を支援する制度を続けてきました。主な流れは次のとおりです。
| 制度名 | 状況 | 備考 |
|---|---|---|
| 省エネ住宅ポイント制度 | 終了(2015年10月21日受付分で締切) | 本記事で解説した制度 |
| 次世代住宅ポイント制度 | 終了(2020年3月31日受付終了) | 消費税率10%引き上げへの対応 |
| グリーン住宅ポイント制度 | 終了 | 感染症拡大期の住宅取得支援策 |
| 子育てグリーン住宅支援事業 | 終了(2026年2月16日交付申請受付終了) | 予算額1,600億円 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 実施中(2026年9月時点) | GX志向型・長期優良・ZEH水準の新築と省エネリフォーム |
現行制度「みらいエコ住宅2026事業」の補助額
2026年9月時点で実施されている国の制度が、住宅省エネ2026キャンペーンの一つ「みらいエコ住宅2026事業」です。新築は国土交通省・環境省が、省エネリフォームは国土交通省が担当しています。
新築(注文住宅・新築分譲住宅)の補助額は、住宅の性能と世帯の条件で次のように分かれます。かっこ内は建築物省エネ法における1〜4地域の額です。
| 対象世帯 | 対象住宅 | 補助額(1戸あたり) |
|---|---|---|
| すべての世帯 | GX志向型住宅 | 110万円(1〜4地域は125万円) |
| 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 長期優良住宅 | 75万円(80万円) |
| 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 長期優良住宅+古家の除却 | 95万円(100万円) |
| 子育て世帯・若者夫婦世帯 | ZEH水準住宅 | 35万円(40万円) |
| 子育て世帯・若者夫婦世帯 | ZEH水準住宅+古家の除却 | 55万円(60万円) |
対象となる住戸の床面積は50㎡以上240㎡以下で、土砂災害特別警戒区域など一部の立地は原則として対象外です。賃貸住宅の新築は補助額が別に定められているため、上の表の額をそのまま当てはめないよう注意してください。
リフォームは、改修前の住宅の省エネ性能と、改修後に達する基準の組み合わせで上限額が決まります。
| 対象住宅 | 改修後に達する基準 | 補助上限額(1戸あたり) |
|---|---|---|
| 平成4年基準を満たさない住宅 | 平成28年基準相当 | 100万円 |
| 平成4年基準を満たさない住宅 | 平成11年基準相当 | 50万円 |
| 平成11年基準を満たさない住宅 | 平成28年基準相当 | 80万円 |
| 平成11年基準を満たさない住宅 | 平成11年基準相当 | 40万円 |
リフォームの対象は、原則として平成28年(2016年)12月31日以前に新築された住宅です。躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む、幅広い工事が軸になります(出典:国土交通省 報道発表資料 2025年11月28日)。
申請期限と予算の消化状況|ZEH水準の注文住宅は2026年9月30日まで
交付申請の受付は、遅くとも2026年12月31日までです。ただし注文住宅の新築でZEH水準住宅を選ぶ場合だけは、第2期の受付期間が2026年5月13日〜9月30日に前倒しされています。
注文住宅でZEH水準への適合が標準的になりつつあることを踏まえ、誘導策としての支援を先に終える整理です。分譲住宅・賃貸住宅は予算上限に達するまで(遅くとも12月末まで)が対象とされています。
いずれの期限も「最終期限」で、予算上限に達した時点で受付は終わります。公式サイトが公表した2026年9月17日午前0時時点の、予算に対する補助金申請額の割合は次のとおりでした。

GX志向型住宅は上限750億円に対して58%、長期優良住宅・ZEH水準住宅は上限1,450億円に対して31%、リフォームは6%です(いずれも第1期と第2期の合計に対する割合)。GX志向型が先行して消化しており、枠は日々動きます。
対象工事の着手は2025年11月28日以降である必要があり、新築では「基礎工事」の着手が基準です。前年度の子育てグリーン住宅支援事業は「基礎工事より後の工程」が対象だったため、この点は変更されています。
申請するのは工事業者|契約前に登録事業者かを確認する
補助金の交付申請や受け取り、発注者への還元は、事務局に登録された「みらいエコ住宅事業者」が行います。補助対象者である一般消費者が直接申請することはできません。
登録のない事業者と契約した工事は補助対象になりません。公式サイトには事業者検索が用意されているため、契約前に依頼先が登録済みかどうかを確かめておくと安全です。
GX志向型住宅を建てる場合は、建築事業者が「GXへの協力表明」を行っていることも前提になります。表明を行っていない事業者が建築した住宅は補助対象外です。
補助金と住宅ローンは合わせて比べる
補助金で数十万円を軽くできても、住宅ローンの金利や諸費用の差は総返済額で数十万円から数百万円に広がります。制度の申請と並行して、借入先の条件も横並びで確認しておきたいところです。
省エネ性能の高い住宅では、金利面で優遇を受けられる住宅ローンもあります。全期間固定を軸に考えるなら、フラット35Sの金利引下げ幅とポイント制を先に押さえておくと比較しやすくなります。
すでに返済中の人が省エネリフォームを検討する場合は、借り換えの試算も合わせて行う方法があります。住宅ローン借り換えの比較(金利・手数料・団信)で、諸費用込みの損益分岐を確認できます。
新規の借入先としては、保証料が原則0円で一部繰上返済手数料もかからないSBI新生銀行のように、諸費用の条件を読み取りやすい銀行を候補に入れておくと比較が進めやすくなります。金利・事務手数料・団信の条件は各行で異なるため、同じ観点で並べて判断してください。
Q. 省エネ住宅ポイントの未交換ポイントは今からでも交換できますか?
A. できません。国土交通省によると、ポイント発行や商品交換など本事業に係る手続きはすべて終了しており、申請情報やポイント交換に関する問い合わせも受け付けられていません。
Q. みらいエコ住宅2026事業は子育て世帯でなくても使えますか?
A. GX志向型住宅の新築は、すべての世帯が対象です。一方で長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築は子育て世帯または若者夫婦世帯が対象となり、世帯の条件で選べる補助が変わります。
Q. みらいエコ住宅2026事業の補助金は自分で申請できますか?
A. できません。交付申請などの手続きは、事務局に登録された住宅事業者が発注者に代わって行い、交付された補助金が発注者に還元される仕組みです。契約前に、依頼先が登録事業者かどうかを確認しておきましょう。
Q. ZEH水準の注文住宅は、いつまでに交付申請すればよいですか?
A. 第2期の交付申請の受付期間は2026年5月13日から9月30日までです。予算上限に達すればその時点で締め切られるため、期限前に受付が終わる可能性もあります。
補助額・対象要件・受付状況は今後変わる可能性があります。申請を検討する際は、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトで最新情報をご確認ください。
