
※本記事は2026年7月時点の情報に更新しています。地震保険の制度や各社の火災保険・共済・特約の名称や内容は見直されることがあります。加入・見直しの際は、必ず各社の公式サイトや最新の商品パンフレットで現在の内容をご確認ください。
地震大国・日本に住んでいる以上、地震の被害と無縁ではいられません。意外に知られていませんが、地震による損害(地震が原因の火災・倒壊・津波・液状化など)は、通常の火災保険では補償されません。これに備えるのが地震保険です。仮に地震保険に入らずに自宅が全壊しても、住宅ローンの支払い義務は残ります。まずは仕組みを正しく理解し、必要な備えを判断しましょう。
なお、地震保険の世帯加入率は2024年度で35.4%、火災保険に地震保険を付ける付帯率は2024年度に70.4%と初めて7割を超えました(損害保険料率算出機構)。新しく火災保険を契約する人の多くが、あわせて地震保険に加入しているということです。
まず押さえる:地震保険の基本
地震保険には、次のような大切な特徴があります。
- 火災保険とセットでしか加入できない(単独では契約できません。加入中の火災保険に途中から付けることは可能です)。
- 補償内容と保険料は、どの保険会社で入っても同じです。地震保険は政府と損害保険会社が共同で運営する公的性格の強い制度のためです(火災保険の部分は会社ごとに異なります)。
- 補償は「全損=100%・大半損=60%・小半損=30%・一部損=5%」という損害区分に応じて支払われます。
地震保険 選び方の3つのポイント
ポイント①:保険金額は火災保険の「30〜50%」(上限に注意)
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で設定します。ただし上限があり、建物は5,000万円、家財は1,000万円までです。この範囲内で「いくらに設定するか(30%か50%か)」がまず考えるポイントです。ここは法律で上限が決まっているため、地震保険だけで住まいを元通りに建て直すことは想定されていません(地震保険は“生活の再建”を支える制度です)。基本は上限の50%で設定し、足りない分をどう補うかを次に考えます。
ポイント②:不足分は「地震上乗せ特約」などで補う
50%では不安という場合、火災保険会社が用意する「地震上乗せ特約」を付けることで、地震保険とあわせて実質100%(火災保険金額と同額)まで補償を近づけられる商品があります(全損・半損時のみ対象など条件は商品により異なります)。取り扱いの有無や名称は保険会社ごとに違うため、火災保険を選ぶときにあわせて確認しましょう。地震保険そのものは横並びでも、「上乗せ特約が付けられるか」で火災保険選びに差が出ます。
ポイント③:割引と「地震保険料控除」で負担を抑える
建物の耐震性能に応じて、地震保険料の割引が受けられます(重複適用は不可)。
- 免震建築物割引:50%
- 耐震等級割引:等級1=10%/等級2=30%/等級3=50%
- 耐震診断割引:10%
- 建築年割引(1981年6月以降に新築):10%
さらに、支払った地震保険料は地震保険料控除の対象で、所得税で最大5万円、住民税で最大2.5万円が所得から控除されます。証明書は保険会社から届くので、確定申告や年末調整で忘れずに申告しましょう。
「地震保険の不足分」を補う選択肢の比較
地震保険(最大50%)だけでは足りないと感じる場合の、代表的な補い方を整理します(2026年7月時点。取扱・名称は各社公式でご確認ください)。
| 備え方 | 特徴 | 地震保険料控除 |
|---|---|---|
| 地震保険+地震上乗せ特約(各損保) | 火災保険に付帯。地震保険とあわせて実質100%に近づけられる(全半損時のみ等の条件あり) | 地震保険部分は対象 |
| 少額短期保険の地震補償(例:SBIリスタ少額短期保険「Resta」) | 地震保険とは別商品で単独加入も可能。半損以上が対象などの条件あり | 対象外 |
| 共済の自然災害共済(こくみん共済 coop〈全労済〉ほか) | 火災共済とセットで加入。掛金は比較的安いが補償限度は保険より小さめ | 共済により異なる(要確認) |
※旧「全労済」は2019年に「こくみん共済 coop〈全労済〉」へ名称変更しています。商品名や補償内容は見直されることがあるため、加入前に各社・各団体の公式サイトで最新の内容を確認してください。
まとめ
地震保険は、火災保険とセットで、火災保険金額の30〜50%(上限 建物5,000万・家財1,000万)という枠組みが基本で、補償・保険料はどの会社でも同じです。だからこそ、①保険金額を上限まで確保する ②不足分を上乗せ特約などで補う ③割引と地震保険料控除で負担を抑える——この3点で考えると選びやすくなります。火災保険を選ぶ・見直すタイミングで、地震への備えもあわせて点検しておきましょう。
