
メガバンクや地方銀行など多くの銀行は、保証会社の保証を条件とする住宅ローンを提供しています。保証料とは、住宅ローン契約者が保証会社に対して支払う費用です。
一方、auじぶん銀行、SBI新生銀行、ソニー銀行、ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)、イオン銀行では保証料がかかりません。「値引きして0円にしている」のではなく、保証会社の保証そのものを利用しない(または保証料相当額を金利に含めている)ため、別途の保証料が発生しない仕組みです。
ただし、保証料が0円だからといって諸費用が安いとは限りません。その理由も含めて整理します。
そもそも「保証会社」とは何か
保証会社は、万が一あなたが住宅ローンを返済できなくなったときに、銀行に対して残りのローン残高を支払う(代位弁済する)契約を銀行と結んでいます。
ここで注意が必要なのは、「数十万円の費用を払えば、返済できなくなったときに自分の借金が消える」わけではないという点です。保証会社は銀行に立て替えたお金をあなたから回収しようとします。つまり返済が免除されるのではなく、あなたから見た返済先が銀行から保証会社に変わるだけです。保険というより、銀行側のリスクを外部化するための仕組みだと理解しておきましょう。
保証料の相場と2つの支払い方法
保証料の支払い方法は大きく2つあります。
| 支払い方法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 外枠方式(一括前払い) | 借入時に保証料をまとめて支払う | 初期費用が増えるが、繰上返済・完済時に未経過分の返戻を受けられる場合がある |
| 内枠方式(金利上乗せ) | 借入金利に上乗せする形で毎月支払う | 初期費用を抑えられるが、返戻はない。上乗せ幅は年0.200%程度が一般的 |
各行の解説によれば、外枠方式の保証料は借入金額の2%以内が相場、内枠方式の上乗せは年0.200%程度が目安とされています。実際の料率は借入期間・審査結果によって変わるため、具体的な金額は必ず各金融機関の保証料表でご確認ください。
保証料0円の銀行と、そのかわりにかかる事務手数料
保証料がかからない銀行では、そのぶん融資事務手数料が「借入額×2.20%(税込)」の定率型になっているのが一般的です。3,000万円を借りるなら66万円(税込)です。「保証料0円=諸費用が安い」ではないのはこのためで、比較すべきは保証料と事務手数料を合わせた総額になります。
| 銀行 | 保証料 | 融資事務手数料(2026年7月確認) |
|---|---|---|
| SBI新生銀行 | 0円 | 借入金額×2.20%(税込)の定率型 |
| ドコモの銀行(WEB申込コース) | 0円 | 融資金額の2.20%(税込) |
| auじぶん銀行 | 別途負担なし(保証会社利用時も保証料相当額は金利に含む) | 借入金額の2.20%(税込) |
| ソニー銀行 | 0円 | 変動セレクト住宅ローンは借入額の2.20%(税込)/住宅ローンは44,000円(税込) |
| イオン銀行 | 0円(審査結果により保証料ありのプランでの案内となる場合あり) | 定率型 借入額の2.20%(税込・最低220,000円)/定額型 110,000円(税込) |

注目したいのは「手数料が安いタイプは金利が高めに設定されている」点です。イオン銀行では定額型(110,000円・税込)を選ぶと、定率型に比べて借入利率が年0.200%高くなります。ソニー銀行も、事務手数料が定額の「住宅ローン」より、定率2.20%(税込)の「変動セレクト住宅ローン」のほうが金利は低く設定されています。金利と手数料はセットで比べるのが鉄則です。
【フラット35】の保証料と団信はどうなっている?
楽天銀行やSBIアルヒ、ドコモの銀行などが取り扱う【フラット35】も、保証人・保証料が不要とされています。住宅金融支援機構が債権を買い取る仕組みのため、民間の保証会社を挟まないからです。
ここで、古い解説記事に残りがちな誤りに注意してください。かつて【フラット35】の団体信用生命保険は年1回の特約料を別途支払う方式でしたが、現在の新機構団信は、団信に必要な費用が毎月の返済(借入金利)に含まれており、年払いの特約料は不要です。したがって「保証料より高額な団信保険料を別途負担する」という説明は現在の制度には当てはまりません。
なお健康上の理由などで団信に加入しない場合も【フラット35】は利用でき、その場合は借入金利が年0.200%引き下げられます(ドコモの銀行の【フラット35】金利表記による)。逆にいえば、団信の費用は金利にして年0.200%相当ということです。
借り換えるなら知っておきたい「戻し保証料」
借り換えを検討している人に意外と知られていないのが、保証料の返金(戻し保証料)です。メガバンクや地方銀行で借りていて、保証料を外枠方式(一括前払い)で支払っている場合、繰上完済すると未経過期間に対応する保証料の一部が戻ってきます。
返金額は、支払済みの保証料のうち未経過期間対応分から保証会社の事務手数料を差し引いた金額です。一般的には完済から1か月程度で指定口座に振り込まれます。借り換えの損得計算では、この戻し保証料を「借り換えコストの減額分」として必ず織り込みましょう。
ただし保証料を内枠方式(金利上乗せ)で支払っている場合、返金はありません。自分がどちらの方式かは、契約時の書類か借入先への確認でわかります。
住宅ローンの保証料についてよくある質問
Q.保証料が0円なら、それだけで有利といえますか?
いえません。保証料0円の銀行は融資事務手数料が借入額の2.20%(税込)であることが多く、3,000万円なら66万円(税込)かかります。保証料・事務手数料・金利を合計した総支払額で比べてください。
Q.保証料は誰のための費用ですか?
実質的には銀行の貸倒リスクを保証会社に移すための費用です。契約者が支払いますが、返済不能時に債務が免除されるわけではありません。
Q.保証料は住宅ローン控除の対象になりますか?
住宅ローン控除は年末のローン残高を基準に計算されるため、保証料そのものが直接控除額を増やすわけではありません。ただし、諸費用を借入額に含めた場合の取扱いなど細かい論点があるため、詳細は国税庁の案内や税務署でご確認ください。
Q.外枠方式と内枠方式はどちらを選ぶべきですか?
繰上返済や借り換えの可能性があるなら、返戻を受けられる外枠方式が有利になりやすい一方、手元資金を残したい人には内枠方式にも合理性があります。返済期間中に繰上返済を予定しているかどうかが判断軸です。
Q.保証会社の審査に落ちると住宅ローンは借りられませんか?
保証会社の保証が条件の住宅ローンでは、保証承認が得られないと借入れできません。ただし保証会社を利用しない銀行なら結果が変わる可能性があります。1行の結果だけで諦めず、仕組みの異なる銀行にも当たってみる価値があります。
まとめ
保証料は「払えば安心が買える費用」ではなく、銀行のリスクを保証会社に移すための費用です。だからこそ、保証料の有無だけで銀行を選ぶのではなく、保証料+融資事務手数料+金利+団信を合計して比べる必要があります。
諸費用のわかりやすさという点では、SBI新生銀行のように保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の上乗せ0円と条件がシンプルな銀行は、総額の見積りが立てやすく検討しやすい選択肢です。当サイトでは金利だけでなく諸費用・団信の観点でも各社を横並びで比較していますので、あわせてご覧ください。
※金利・手数料・保証料の取扱いは変更されることがあります。最新の条件は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。
