
ダブルフラットとは
ダブルフラットとは、借入期間の異なる【フラット35】を2本に分けて借り入れる方法のことです。具体的には、返済期間が長い【フラット35】(21年以上35年以下)と、返済期間が短い【フラット20】(15年以上20年以下)を組み合わせて、ひとつの住宅資金をまかないます。住宅金融支援機構が正式に用意している使い方で、将来の返済負担を計画的に軽くしたい人に向いた仕組みです。
言葉だけではイメージしづらいので、まずは具体的なシミュレーションで見てみましょう。
<シミュレーションの前提>
住宅ローンの借入金額:3,000万円
住宅ローン金利(2026年6月時点・融資率9割以下の最頻金利):
フラット35(21年以上35年以下)→年3.210%
フラット20(20年以下)→年2.890%
(金利は住宅金融支援機構が公表する2026年6月の最頻金利です。楽天銀行や住信SBIネット銀行など取扱金融機関ごとに金利・手数料は異なります。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。)

<フラット35で借り入れた場合(全額35年)>
毎月の返済額:約119,000円
総返済額:約4,998万円(借入期間35年)
<フラット20で借り入れた場合(全額20年)>
毎月の返済額:約164,700円
総返済額:約3,954万円(借入期間20年)
<ダブルフラット(フラット35とフラット20に半額ずつ)>
毎月の返済額:
最初の20年 約141,900円(フラット20分 約82,400円+フラット35分 約59,500円)
21年目以降 約59,500円
総返済額:約4,476万円(借入期間35年)
| 借り方 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フラット35(全額35年) | 約119,000円 | 約4,998万円 | 毎月の負担が軽い/総返済額は最も多い |
| フラット20(全額20年) | 約164,700円 | 約3,954万円 | 総返済額が最も少ない/毎月の負担は重い |
| ダブルフラット(半額ずつ) | 最初20年 約141,900円 21年目以降 約59,500円 | 約4,476万円 | 毎月の負担と総返済額のバランスを取りやすい |
この3つを比べると、総返済額を最も抑えられるのはフラット20(全額20年)ですが、その分毎月の返済額は大きくなります。一方ダブルフラットは、最初の20年こそ毎月の返済額がやや増えますが、フラット35だけで借りる場合に比べて総返済額を約520万円抑えられ、しかも21年目以降は毎月の返済額が約59,500円まで下がるのが特徴です。
このように、フラット20とフラット35を上手に組み合わせることで、毎月の返済額と総返済額をご自身の返済計画に合わせて調整できるのがダブルフラットの特徴です。効果はそれだけではありません。住宅ローン以外のライフプランや将来の生活スタイルを考えると、ダブルフラットの隠れたメリットが見えてきます。
例えば、40歳でダブルフラットを利用してマイホームを購入したケースを考えてみましょう。最初の20年間は毎月14万円強の返済が必要になりますが、60歳〜75歳の15年間の毎月の返済額は約59,500円になります。つまり、退職して年金受給を開始しているタイミングでは、毎月の住宅ローンの返済負担が軽くなっていることになります。高年齢になったときの返済負担を抑える、計画的な返済が自動的にできる仕組みです。
もう一つの例で考えてみましょう。フラット20は「必ず20年でなければならない」わけではなく、15年以上20年以下で選べます。例えば、子どもが1歳のときに、借入期間15年のフラット20とフラット35を組み合わせたダブルフラットを利用したとします。子どもが高校生になるまでの15年間は義務教育期間が多く学費はそれほどかかりませんので、その間に短いほうの返済を進められます。お子さんが高校生・大学生になる前に積極的に返済を終え、学費・養育費が増えるタイミングで毎月の返済負担が大きく軽くなるように設計できます。これも、計画的に住宅ローンを返済する仕組みを自動的に作れる例です。
フラット35は、住宅ローンの返済額を借り入れの時点で固定できる安心が魅力の住宅ローンです。近年は金利が上昇局面にあり、2026年6月の最頻金利は借入期間21年以上で年3.210%と、現行制度になって以来初めて3%を超えました。それでも「返済額が完済まで変わらない安心」という全期間固定ならではの強みは健在で、ダブルフラットのように使い方を工夫すれば、家族の将来の生活も見据えた計画的な返済プランを作り上げることができます。
当サイトおすすめのフラット35取扱金融機関でも、ダブルフラットを利用できます。借り換えでフラット35を検討する人も増えていますので、金利動向を確認しながらタイミングを逃さないようにしましょう。
ダブルフラットに関するよくある質問
Q. ダブルフラットはどんな人に向いていますか?
A. 「定年後は毎月の返済額を減らしたい」「子どもの学費が増える時期の返済負担を軽くしたい」といった、将来の負担を計画的にコントロールしたい人に向いています(住宅金融支援機構もこうした目的を案内しています)。
Q. 手数料は1本で借りるときより増えますか?
A. はい。ダブルフラットはそれぞれの借入れに対して金銭消費貸借契約や抵当権設定などの手続きが必要になるため、融資手数料・印紙税・抵当権設定費用などが、1本で借りる場合より多くかかります(公式の商品概要に明記)。利用前に総コストで比較しましょう。
Q. 途中でフラット20の期間を延ばせますか?
A. 20年以下の借入期間を選んだ場合、原則として返済の途中で借入期間を21年以上に変更することはできません(公式の注意事項)。組み合わせ方は最初によく検討しましょう。
