賃貸と持ち家の選択を天秤にかけるイメージ

「賃貸住宅に住み続けるのが良いのか?それとも住宅ローンを借りてマンションや戸建てを買った方が良いのか?」——住宅選びの永遠のテーマです。

この論争をめぐっては、2015年の夏、有名ブロガーと有名上場企業役員とのSNS上のやり取りが話題になりました。本記事ではこの論争を振り返りつつ、金利環境が大きく変わった2026年の視点で「35年ローンの合理性」を考え直してみます。

2015年に話題になった「35年ローン論争」

当時、有名ブロガーが自身のブログで「35年ローンとか意味不明すぎて笑える」と、35年ローンで借りる住宅ローン利用者を揶揄するような批判的発言をしました。35年もの長期間お金を払い続けて同じ家に住み続けることに合理性はない、という主張です。

これに対して、某有名上場企業の執行役員が「俺は35年ローンでマンションを買った」とSNSで反論。大きな注目を集めました。

ブロガー側の懸念は、
・35年も同じ家に住むわけがない
・起きるかどうかわからない地震に対して、火災保険や地震保険に入る経済的合理性に乏しい
・子供が巣立ったらどうするのか
・ローンが払えなくなるリスク
といったものでした。

一方で注目したいのは、年収数千万円クラスと思われる上場企業役員が、あえて住宅ローンを借りてマンションを買っていたという事実です。個別の事情はあるにせよ、当時の超低金利と、住宅取得を後押しする税制優遇策を合理的に利用したと考えるのが自然でしょう。

当時と今で大きく変わった金利環境

この論争があった2015年は、住宅ローン金利が「史上最低水準」と言われた超低金利時代で、翌2016年には日銀のマイナス金利政策も始まりました。しかし現在は状況が大きく変わっています。

日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、その後4回の利上げを経て、2026年6月16日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度へ引き上げました。これは1995年以来、約31年ぶりの高水準です。2026年8月には3メガバンクが短期プライムレートを年2.125%から2.375%へ引き上げる予定で、変動金利型の住宅ローンにも順次波及していく見込みです(反映時期は銀行ごとに異なります)。

比較の観点2015年当時2026年7月時点
日銀の政策金利ゼロ金利(翌2016年からマイナス金利)1.0%程度(2026年6月に約31年ぶり水準へ利上げ)
金利の方向感低下傾向(史上最低水準を更新)上昇局面(短プラ引き上げが変動金利へ波及見込み)
フラット35(21〜35年・融資率9割以下)1%台の超低金利年3.140%(2026年7月・新機構団信付き)

※金利は随時改定されます。最新の適用金利は各金融機関・住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

金利上昇時代でも「35年ローン=不合理」ではない

では、金利が上がった今、35年ローンは不合理になったのでしょうか。必ずしもそうとは言えません。

1)毎月返済額を抑えて手元資金を確保できる
借入期間を長くとれば毎月の返済額は下がり、教育費や生活防衛資金など手元の流動性を保てます。余裕ができたら繰上返済で期間を短縮する「長く借りて早く返す」戦略は、金利上昇時代でも有効です(繰上返済手数料が無料の銀行を選ぶのがポイントです)。

2)団体信用生命保険(団信)による保障
住宅ローンには団信が付帯し、契約者に万一のことがあれば残債が保険で完済されます。賃貸には無い、家族に住まいを残せる仕組みです。

3)住宅ローン減税などの税制優遇
住宅ローン控除をはじめとする税制優遇は現在も存在します。ただし控除率・借入限度額・省エネ性能などの要件は年々見直されているため、最新の内容は国土交通省・国税庁の公式情報でご確認ください。

一方で、金利上昇局面では「いくら借りられるか」より「いくらなら無理なく返せるか」が重要になります。変動金利・固定金利の選択や金利タイプの見直しやすさも含めて、複数の銀行を横並びで比較して選びましょう。変動・固定を両にらみで検討するなら、保証料0円・一部繰上返済手数料0円と諸費用が分かりやすいSBI新生銀行のような銀行も選択肢の一つです。

結局のところ、賃貸か購入かに万人共通の正解はありません。それぞれの金銭感覚・価値観・ライフプランがあり、ローンを借りてまで家を買う合理性を疑う人も、自分の城を築きたい人もいて自然です。大切なのは、今の金利環境を正しく知ったうえで自分に合った選択をすることです。

最新の住宅ローン金利について詳しくは金利比較表をご確認ください。