不動産業界では「新築マンションが中古になると2割価格が下がる」と言われています。

これは単純に、マンション開発事業者の粗利を2割として、中古ではその分がなくなるというものですが、実際のところはどうなのでしょう?

ある調査によると、首都圏平均で、新築から築1年で平均10%減。その後は1年ごとに2%ずつ下がるとのこと。

エリア別でみると、東京23区では5%減、千葉埼玉県では15%の減少です。

つまり、東京23区内なら新築でも中古でも損得の差はそれほどありませんが、千葉・埼玉地区では中古を購入する場合、築年数が浅ければ新築より有利だといえます。

気をつけたいのは、千葉・埼玉地区で新築を購入する場合。仮に頭金15%としましょう。

年15%の値下がりがあると、1年後にはその頭金分の市場価値は失っており、債務超過となります。この物件を売却したくなっても、仲介手数料3%を自前で用意できないとなると、売却も難しくなります。

住宅ローンには住宅を担保として抵当権が設定されていますが、元本が返済できない場合、抵当権が外れないため、売却すらできないのです。

つまり、郊外でマンションを購入するなら、新築ではなく中古を選択すべきで、頭金を多めに入れられない場合は数年後に売却すらできなくなるというリスクを考えておかなければなりません。

マンションを購入するか、借りるかを選択する際には、「不動産投資=賃料利回り-譲渡損益-金利-税制」の式で考えを整理すると良いでしょう。

相場変動を無視して、購入するか賃貸かを比較すると、金利と税制だけを考えればよく、実質的にマンションは購入する方が有利です。

さらに、元本の減少と資産価値に着目すると、つぎの4点に留意してください。

⑴東京23区ならば新築中古どちらでも良い

⑵それ以外のエリアは新築は不利となる。中古中心に検討すべき

⑶住むエリアが変更できない場合、その他の物件属性(駅に近いかどうか)に着目する

⑷物件の値下がり幅を常に確認し、住み替えがいつでもできるように注意する。

価格や資産面で、中古を含めたマンション購入の際に考えておきたい点は上記のとおりですが、これ以外にも中古の良い面があります。

まずは、選択肢の多さ。住みたいエリアがすでに決まっている場合、新築よりも中古の物件数が圧倒的に多く、物件の選択肢が増えます。

さらに、中古なら実際の物件を確認できることも大きな中古のメリットです。

例えば、物件をみて、窓から見える景色や採光、そしてご近所にどんな人が住むのか、そんなことも購入を決める前に確認することができます。さらに、実際に住んでいる人に住み心地や周辺環境について聞いてみることもできるでしょう。