マンションの資産価値と購入判断をイメージした図

マイホームとしてマンションを購入するとき、多くの人が気にするのが「買った後、資産価値がどれくらい下がるのか」という点です。とくに新築マンションは、購入した瞬間に“中古”となり価格が下がりやすいと言われます。ここでは、価値が下がる仕組みと、購入時に気をつけたいポイントを中立的に整理します。

「新築マンションは中古になると価値が下がる」と言われる理由

不動産業界では昔から「新築マンションが中古になると2割ほど価格が下がる」と言われてきました。これは、分譲マンションの価格にはマンション開発事業者の粗利(利益)がおおむね2割程度含まれており、中古になるとその分が乗らなくなる、という考え方にもとづくものです。

実際の下がり方は物件・エリア・時期によって大きく異なりますが、新築時の価格には、購入者が住み始めた瞬間に失われる“新築プレミアム”が含まれているという点は押さえておきたいところです。

下落幅は築年数・エリアで大きく異なる

価値の下がり方は一律ではありません。首都圏の中古マンションでは、築15年ごろまでで新築時からおおむね2割前後下がり、その後も築25年を超えるとさらに下落しやすい傾向がある、というデータもあります(公益財団法人 東日本不動産流通機構の築年帯別成約状況などより)。一方で、都心・駅近・管理状態の良い物件は価値が下がりにくく、郊外・築古・駅遠の物件は下がりやすいという差も、年々はっきりしてきています。

また2026年時点では、建築費の高止まりや新築供給の少なさを背景に、首都圏の中古マンション価格は歴史的な高値圏にあります。ただし住宅ローン金利の上昇は買い手の負担を増やすため価格の下押し要因となり、都心の一部では価格が調整する動きも出ています。「必ず値下がりする/値上がりする」と決めつけず、購入するエリア・物件の相場を、同じ条件の最新の成約事例で確認することが大切です。

チェックの観点見るポイント備考
エリア都心・駅近ほど価値が下がりにくい郊外・駅遠は下落しやすい
築年数築浅ほど価格を維持しやすい築15年・築25年が下落の目安とされる
頭金(自己資金)多いほど売却時の残債リスクが小さい少額だと売れないリスクに注意
管理・修繕管理状態・修繕積立金の健全さ中古では特に価値を左右する

頭金が少ないと「売りたくても売れない」リスク

気をつけたいのは、値下がりしやすいエリアで、頭金をあまり入れずに購入するケースです。仮に頭金1〜2割で購入し、その後に価格が大きく下がると、売却価格よりも住宅ローンの残債(元本)が上回る「オーバーローン(債務超過)」の状態になることがあります。

住宅ローンを借りると、その住宅を担保に抵当権が設定されます。売却代金で残債を完済できないと抵当権を外せないため、「売りたくても売れない」状況に陥りかねません。売却時には仲介手数料などの諸費用も自己資金で用意する必要があります。頭金を厚めに入れる、値下がりしにくい物件を選ぶことは、将来の住み替えの自由度を確保するうえでも重要です。

「買う」か「借りる」かの考え方

マンションを購入するか賃貸にするかを整理するときは、「不動産投資=賃料利回り−譲渡損益−金利−税制」といった枠組みで考えると論点がすっきりします。相場変動をいったん脇に置いて購入と賃貸を比べると、実質的には金利と税制の差が中心となり、条件次第では購入が有利になりやすい面もあります。ただし、相場が下がるリスク・売却しづらくなるリスクを織り込むことを忘れないようにしましょう。

中古マンションならではのメリット

価格・資産面のリスクを踏まえたうえで、中古マンションには次のような魅力もあります。

1. 選択肢の多さ。住みたいエリアが決まっている場合、新築より中古のほうが物件数が圧倒的に多く、条件に合う物件を見つけやすくなります。

2. 実物を確認できる。窓からの眺望・採光・共用部の管理状態などを、実際に自分の目で見て判断できます。周辺環境や住み心地を、実際に住んでいる人に確認できることもあります。

なお、2022年の税制改正で住宅ローン控除の対象となる中古住宅の築年数要件が緩和され、1982年(昭和57年)以降に建築された新耐震基準の物件であれば、原則として築年数を問わず対象となりました(登記簿上の建築日付などで判定)。中古を検討する際の後押しになる制度です。

よくある質問(FAQ)

Q. 新築マンションは買った瞬間にどれくらい価値が下がりますか?
A. 一般には新築プレミアムの分、1〜2割程度下がると言われますが、下落幅はエリア・築年数・管理状態で大きく異なります。都心・駅近の人気物件は下がりにくく、郊外・駅遠は下がりやすい傾向です。最新の相場は同じエリア・築年数の成約事例で確認してください。

Q. 値下がりが心配なら中古を選ぶべきですか?
A. 一概には言えません。中古は新築プレミアムが剥落した後なので価格の下落ペースが緩やかになりやすい一方、築年数が進むと管理・修繕の負担や設備の古さも考慮が必要です。エリアの相場・管理状態・修繕計画をあわせて判断しましょう。

Q. 金利が上がると価格はどうなりますか?
A. 金利上昇は買い手の毎月返済額を増やすため、一般に価格の下押し要因になります。ただし建築費の高止まりや供給の少なさは価格を支える要因でもあり、方向は物件やエリアで分かれます。

住宅ローン選びもあわせて検討を

マンション購入では、物件の資産価値だけでなく、金利・諸費用・団信(団体信用生命保険)を含めた住宅ローンの総コストも、住み替えのしやすさを左右する重要な要素です。金利の低いネット銀行に加え、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応するSBI新生銀行のように、諸費用のわかりやすさや保障内容で選ぶという視点もあります。各行の条件を横並びで比較し、自分の資金計画に合う一本を選びましょう。

※本記事は資産価値の一般的な考え方を整理したものです。個別物件の相場や税制の適用可否は、最新の成約事例・公的統計・各金融機関の公式情報でご確認ください。