新築の省エネ住宅と住宅取得支援をイメージしたイラスト

すまい給付金の対象は、一定の期間に契約した人でも2022年(令和4年)12月末までに引渡し・入居した住宅まででした。申請受付も2024年(令和6年)3月に終了しており、今から申請することはできません。

いま住宅を買う人が使える国の支援は、住宅ローン減税と、省エネ性能の高い住宅向けの補助金であるみらいエコ住宅2026事業が中心です(2026年10月時点)。

すまい給付金とは?(制度のふり返り)

すまい給付金は、消費税率の引上げによる住宅取得の負担増を和らげる目的で実施された制度です。消費税率10%への引上げにあわせて、給付額は最大30万円から最大50万円に拡充されました。

住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、消費税8%時は収入額の目安が510万円以下の人に最大30万円が給付されました。消費税10%時は、775万円以下の人に最大50万円でした。住宅ローンを使わず現金で購入した場合は、50歳以上で収入額の目安が650万円以下の人に限って対象になりました。

制度の経緯と申請受付の終了は、国土交通省のすまい給付金のページに掲載されています。

なぜ給付金が必要だったのか

この制度は、所得税・住民税の納付額が少なく、住宅ローン控除を使い切れない中低所得者のためのものでした。住宅ローン控除は、すでに納めた所得税・住民税が戻ってくる仕組みです。もともと納めていない税金まで還付されることはありません。

所得税から引ききれない分は、翌年度の住民税から差し引けます。上限は前年分の課税総所得金額等の5%(97,500円まで)です。納める税金が少ない人ほど、ローン残高が大きくても控除額は頭打ちになります。控除を使い切れない層に現金を給付して負担を軽くすることが、すまい給付金の役割でした。

終了後のいま、住宅取得に使える支援策の全体像

消費税対策の現金給付だったすまい給付金は終了しましたが、住宅取得への支援は続いています。2026年10月時点で使えるのは、住宅ローン減税、省エネ性能に応じた国の補助金、自治体独自の補助制度の3つです。まずは全体像を押さえてください。

制度現在の扱い受け取り方・上限の目安
すまい給付金申請受付は2024年3月に終了消費税増税対策の現金給付(最大50万円)
住宅ローン減税2030年12月31日入居分まで継続年末残高×0.7%を最大13年間、所得税・住民税から控除
みらいエコ住宅2026事業
(住宅省エネ2026キャンペーン)
受付中(予算上限あり・予約は2026年11月16日まで)新築は1戸あたり35万〜125万円。登録事業者を通じて還元
自治体独自の補助自治体ごとに実施移住・子育て・空き家活用など。要件・金額は自治体次第

年収の要件で給付額が決まったすまい給付金と違い、現在の支援は住宅の省エネ性能や世帯の条件によって金額が変わります。

住宅ローン減税は2030年末の入居分まで5年延長

住宅ローン減税(住宅ローン控除)は今も続いています。令和8年度税制改正で、適用期限が5年延長されました。入居日が2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までの住宅が対象です。

  • 控除率は年末のローン残高の0.7%。
  • 控除期間は新築の場合で最大13年間。
  • 合計所得金額は2,000万円以下、借入金の償還期間は10年以上が要件。
  • 床面積要件は新築・既存とも40㎡以上に緩和(合計所得1,000万円超の人と、子育て世帯等の上乗せ措置を使う人は50㎡以上)。
  • 2028年(令和10年)以降の入居では、土砂災害などの災害レッドゾーンに新築した住宅は対象外になります。

借入限度額は住宅の省エネ性能で大きく変わります。新築住宅(2026年入居分)の区分は次のとおりです。

住宅の区分借入限度額(一般)子育て・若者夫婦世帯控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円13年間
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年間
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年間(※)
その他住宅
(2023年末までに建築確認)
2,000万円―10年間

※省エネ基準適合住宅は2028年(令和10年)以降の入居では原則として対象外です。ただし2027年末までに建築確認を受けた住宅、または2028年6月30日までに建築された住宅は借入限度額2,000万円・控除期間10年間で対象になります。

子育て世帯は19歳未満の扶養親族がいる世帯、若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。同じ住宅を買っても、世帯の要件を満たすかどうかで借入限度額は500万〜1,000万円変わります。

住宅の省エネ性能別に見た住宅ローン減税の借入限度額の比較グラフ
同じ住宅でも、子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額が上乗せされる(2026年入居・新築の場合)

中古住宅(既存住宅)も対象です。令和8年度税制改正では、省エネ性能の高い既存住宅への支援が拡充されました。借入限度額の引き上げ、子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ、控除期間13年への拡充が行われています。要件は国土交通省の住宅ローン減税のページで確認できます。

金利が控除率(0.7%)を下回るような場合は、控除の効果で実質的な負担をかなり抑えられます。ただし控除されるのは実際に納めた所得税・住民税の範囲までで、限度額いっぱいまで必ず戻るわけではありません。すまい給付金が作られた理由と同じ問題です。

省エネ住宅の補助金「みらいエコ住宅2026事業」

いまの国の支援で現金給付に近いのは、省エネ性能の高い住宅への補助金です。新築住宅の場合は、住宅省エネ2026キャンペーンの一つであるみらいエコ住宅2026事業が使えます。新築への補助は国土交通省と環境省の合同事業です。

住宅の性能対象世帯補助額(基本額・1戸あたり)
GX志向型住宅すべての世帯1〜4地域 125万円/5〜8地域 110万円
長期優良住宅子育て世帯・若者夫婦世帯1〜4地域 80万円/5〜8地域 75万円
ZEH水準住宅子育て世帯・若者夫婦世帯1〜4地域 40万円/5〜8地域 35万円

地域区分は建築物省エネ法にもとづく区分で、どの性能でも1〜4地域の補助額が5〜8地域より高く設定されています。長期優良住宅では、建て替えなどで古家を除却する場合に20万円が加算されます(加算は20万円が上限)。

この事業でいう子育て世帯の子は、2025年(令和7年)4月1日時点で18歳未満です。住宅ローン減税の19歳未満とは基準が違います。若者夫婦世帯も、夫婦のいずれかが同じ時点で39歳以下であることが条件です。2026年(令和8年)3月末までに工事に着手した住宅では、どちらも2024年(令和6年)4月1日時点の年齢で判定します。

申し込む前に、次のことを確認してください。

  • 申請の手続きは、あらかじめ事業に登録した「みらいエコ住宅事業者」が行います。事業者が建築主に代わって交付申請を行い、受け取った補助金を建築主に還元します。依頼先が登録事業者かどうかを契約前に確認してください。
  • 予算の上限に達した時点で受付は終わります。予算は長期優良住宅・ZEH水準住宅分が1,450億円、GX志向型住宅分が750億円です。
  • 交付申請の予約は2026年11月16日で受付を終了し、交付申請は遅くとも2026年12月31日までです。注文住宅でZEH水準住宅を建てる場合は、予約が2026年8月17日、交付申請が2026年9月30日で締め切られました。

そのほか、床面積50㎡以上240㎡以下・自ら居住することなどが共通の要件です。新築住宅では、みらいエコ住宅2026事業と給湯省エネ2026事業を重ねて申請することはできません。自治体の補助は、国費が充当されているものを除いて併用できます。予算に対する申請額の割合はみらいエコ住宅2026事業の公式サイトで毎日更新されています。

住宅ローン減税と併用できる制度・できない制度

支援策には、積み上げられるものと、どちらか一方を選ぶものがあります。国土交通省が示している主な組み合わせは次のとおりです。

  • 併用できるもの…住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置、リフォーム促進税制、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除、特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除。
  • 併用できないもの…認定住宅等新築等特別税額控除(いわゆる投資型減税)、居住用財産の譲渡所得の特別控除、居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例。

親からの資金援助を受ける場合の要件は、住宅取得等資金の贈与税非課税の解説で紹介しています。

省エネ補助金と住宅ローン減税は同時に使えます。補助金を受けた場合は、確定申告の際に補助金決定通知書など補助金の額を証する書類の提出が必要です。控除額の計算にも関わるため、具体的な取り扱いは国税庁・所轄の税務署に確認してください。

減税・贈与税・補助金それぞれの期限は、住宅ローン減税・贈与税非課税・補助金の期限の記事で一覧にしています。

借入先の選び方でも総返済額は変わる

ここまで見たとおり、支援策の金額は住宅の性能や世帯の条件で決まります。一方で住宅ローンは、同じ借入額でも金利・保証料・事務手数料・団信の内容によって総返済額が変わります。

たとえば3,000万円を35年・元利均等で借りる場合、仮に金利が年1.0%と年1.2%なら、総返済額の差は約119万円です。金利だけでなく、保証料や事務手数料、団信の上乗せ金利までそろえて比べると、支援策を受けた後の実際の負担が分かります。

掲載内容は記載時点のものです。補助金の受付状況や税制の要件は、国土交通省や各事業の発表をご覧ください。