住宅ローンを窓口とネットで比較検討するイメージ

東京都民銀行・八千代銀行・新銀行東京の3行が合併し、2018年5月1日に誕生したきらぼし銀行。営業開始当初はシステム障害で混乱もありましたが、現在は東京を地盤とする地方銀行として定着しています。

この記事では、きらぼし銀行の住宅ローン「選択上手」の商品性を、ネット銀行の代表格であるauじぶん銀行の住宅ローンと横並びで比較し、「一部繰上返済に手数料はかかるのか」「保証料・事務手数料はいくらか」という、実際に負担額を左右するポイントを整理します。数値はいずれも各行の公式サイトで確認した2026年7月時点のものです。

結論:きらぼし銀行の一部繰上返済は「ネットなら無料・窓口は有料」

先に結論だけ押さえておきます。

  • 一部繰上返済手数料は、きらぼしホームダイレクト(インターネット)からの手続きなら無料。窓口だと有料(変動金利期間中5,500円/固定金利期間中は33,000円〜55,000円・いずれも税込)。
  • 保証料・手数料の払い方は3つのコースから選べる(保証料一括型/保証料分割型/融資手数料型)。「保証料が必ずかかる」わけではありません。
  • ただし事務取扱手数料33,000円(税込)はどのコースでも保証会社へ支払う点に注意。
  • auじぶん銀行は保証料不要・一部繰上返済手数料無料・事務手数料は借入額×2.20%(税込)がん50%保障団信などの疾病保障が上乗せ金利0円で付くのが最大の差です。

商品性の比較:きらぼし銀行「選択上手」 vs auじぶん銀行

審査基準と主要な諸費用を横並びにしました(2026年7月時点・各行公式サイトより)。

比較の観点きらぼし銀行「選択上手」auじぶん銀行 住宅ローン
申込時の年齢満20歳以上満70歳以下満18歳以上満65歳未満
完済時の年齢満75歳以下満80歳の誕生日まで
融資金額100万円以上3億円以内(10万円単位)500万円以上2億円以下
融資期間35年以内(1年単位)1年以上50年以下(35年1ヶ月以上は年0.100%上乗せ)
対象地域きらぼし銀行の営業エリア全国(ネット完結)
保証料3コースから選択(下記参照)。融資手数料型なら保証料は銀行負担不要※審査結果により保証付金利プランとなる場合あり
事務手数料(税込)事務取扱手数料33,000円(保証会社へ・全コース共通)+融資手数料型は借入額×2.20%借入額×2.20%
一部繰上返済手数料(税込)インターネット(きらぼしホームダイレクト)は無料
窓口:変動金利期間中5,500円/固定金利期間中33,000円(1,000万円以下)・55,000円(1,000万円超)
無料
団信保険料銀行負担(一般団信)銀行負担(一般団信)
年収条件250万円以上200万円以上
勤続年数勤続(営業)3年以上規定なし
申込方法店舗窓口・ローンプラザ(Web事前審査あり)ネット完結
上乗せ金利0円の疾病保障「選択上手」にはなしがん50%保障団信(がん・4疾病50%+全疾病保障+月次返済保障)※満50歳まで加入可
有料(上乗せ)の疾病保障別商品として3大疾病・がん保障・入院サポートの各住宅ローンを用意がん100%保障団信=年0.050%上乗せ/がん100%保障団信プレミアム=年0.150%上乗せ

※きらぼし銀行の数値は商品内容ページ(2025年9月25日現在)、auじぶん銀行の数値は商品詳細ページによる。金利・条件は改定されるため、最新は必ず各行公式サイトでご確認ください。

きらぼし銀行の「保証料・手数料」は3コースから選ぶ

ここが原稿でもっとも誤解されやすい点です。きらぼし銀行「選択上手」は、保証料・手数料の支払い方法を次の3つから選べます(いずれも税込・事務取扱手数料33,000円は共通)。

コース負担の内容向いている人
①保証料一括型借入時に保証料を一括払い。借入100万円あたり10,296円(期間35年)。+事務取扱手数料33,000円初期費用を払えて、金利を上乗せしたくない人
②保証料分割型保証料を金利に含めて毎月払い。融資利率に年0.100%を上乗せ。+事務取扱手数料33,000円初期費用を抑えたい人(総額は①より多くなりがち)
③融資手数料型借入額×2.20%を銀行へ支払い、保証料は銀行が負担。+事務取扱手数料33,000円ネット銀行と同じ料金体系で比較したい人

借入3,000万円・期間35年の場合、借入時に必要な保証料・手数料の目安は次のとおりです。

借入3,000万円・35年の場合の保証料・事務手数料の比較
きらぼしの保証料分割型は借入時の負担が小さい代わりに、融資利率に年0.100%が上乗せされる(総返済額では増える)。数値は事務取扱手数料33,000円を含む概算。

②保証料分割型は借入時の負担が33,000円で済みますが、その代わり金利が年0.100%上乗せされるため、返済総額では①より多くなるのが一般的です。「初期費用が安い=得」ではない点に注意してください。逆に③融資手数料型は初期費用が最も重く、繰上返済しても返戻はありません。

最大の差は「上乗せ0円の疾病保障」

諸費用の体系は工夫次第で近づけられますが、埋めにくいのが団信の差です。

auじぶん銀行は上乗せ金利0円の「がん50%保障団信」を用意しています。がんと診断されると住宅ローン残高の50%が保障され、さらに急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患の4疾病も50%保障、精神障害を除くすべてのけが・病気で180日以上継続入院すると残高が0円になる全疾病保障、入院期間に応じて毎月の返済額が0円になる月次返済保障まで付きます(加入は満50歳まで)。上乗せするなら、がん100%保障団信が年0.050%、がん100%保障団信プレミアムが年0.150%です。

一方きらぼし銀行は、「選択上手」自体には上乗せ0円の疾病保障はなく、「3大疾病&5(アンドファイブ)住宅ローン」「ガン保障特約付き住宅ローン」「ダブル入院サポート住宅ローン」といった保障付きの別商品が用意される形です。保障を付けるなら金利上乗せが前提になります(上乗せ幅は公式サイトでご確認ください)。

保障を金利で買うか、最初から付いている銀行を選ぶか。ここは総返済額に直結する比較ポイントです。

auじぶん銀行の住宅ローンの詳細はこちら

2026年の金利上昇局面で、変動金利の「見直しの仕組み」は必ず確認する

2026年は住宅ローンを取り巻く環境が大きく変わりました。日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げており、2026年8月には大手行の短期プライムレート(変動金利の基準)が引き上げられる予定です。かつて記事で触れていた「長引くマイナス金利」の時代は完全に終わっています。

ここで見落とされがちなのが、変動金利の「見直しのタイミング」は銀行ごとに違うという点です。きらぼし銀行「選択上手」は公式の商品内容で、毎年4月1日・10月1日の基準日に基準金利を見直し、変更後の融資利率は7月・1月の返済分から適用すると明記しています(返済額の見直しは5年ごと・上限1.25倍のいわゆる5年ルール・125%ルールも適用)。基準金利が上がっても、実際の返済額に反映されるまでにはタイムラグがあるということです。

参考までに、auじぶん銀行の2026年7月の適用金利は変動 年1.134%(新規・全期間引下げプラン・物件価格80%以下)/借り換え 年1.179%、10年固定は新規 年3.070%です(同行公式・2026年7月)。きらぼし銀行の適用金利は引下げプランの適用可否で変わるため、最新の適用金利は必ずきらぼし銀行の公式「ローン金利一覧」でご確認ください

よくある質問(FAQ)

Q. きらぼし銀行の一部繰上返済は本当に無料でできますか?
A. きらぼしホームダイレクト(インターネットバンキング)から期間短縮型で手続きすれば無料です。ただし窓口では手数料がかかり、変動金利期間中は5,500円、固定金利期間中は33,000円〜55,000円(税込)です。また、最終返済期日を据え置いて一部繰上返済する場合は別途、返済条件変更手数料5,500円が必要で、この方式はインターネットでは取り扱えません。繰上返済を頻繁に行う予定なら、契約前に必ず確認しておきましょう。

Q. 保証料と事務手数料、結局どちらが安いのですか?
A. 借入額・期間・繰上返済の予定によって逆転します。長期でしっかり返す人は保証料一括型、早期に完済する予定がある人は保証料型のほうが有利になりやすい(融資手数料型は繰上返済しても返戻がないため)というのが一般的な考え方です。金額は上の試算を目安に、必ず銀行のシミュレーションで確認してください。

Q. 勤続3年未満だときらぼし銀行では借りられませんか?
A. 「選択上手」の条件は勤続(営業)3年以上です。転職直後の方は条件を満たしません。auじぶん銀行は勤続年数の規定がないため、転職直後の人はネット銀行のほうが選択肢になりやすいといえます(ただし審査は総合判断です)。

Q. きらぼし銀行は営業エリア外でも借りられますか?
A. 「選択上手」はきらぼし銀行の営業エリアが対象です。東京都以外にお住まいの方・物件が営業エリア外の方は、全国対応のネット銀行やフラット35のほうが現実的です。

Q. 疾病保障を重視するなら、どちらを選ぶべきですか?
A. 上乗せ0円で疾病保障が欲しいならauじぶん銀行が有力です(ただし加入は満50歳まで)。50歳を超える方は上乗せ0円の疾病保障を付けられないため、年齢によって最適解が変わる点は要注意です。

まとめ:申し込みは1行に絞らない

きらぼし銀行の住宅ローンは、店舗で相談しながら進めたい人・保証料の払い方を選びたい人には合理的な選択肢です。一方で、年収・勤続年数の条件はやや厳しめで、上乗せ0円の疾病保障はありません。ネット完結・全国対応・上乗せ0円の疾病保障を重視するならauじぶん銀行、というのが2026年7月時点の素直な比較結果です。

なお、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している銀行としてSBI新生銀行も検討に値します。保証料0円・一部繰上返済手数料0円(1円から何度でも)に加え、上乗せ0円の全疾病保障付団信(2026年3月2日開始)を用意しており、変動金利はSBIハイパー預金の優遇適用で年0.990%(借り換え・2026年7月時点)。融資事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です。「対面で相談したいがネット銀行並みの条件も欲しい」という人は比較対象に入れておくとよいでしょう。

住宅ローンは審査に通らない可能性があるため、1行だけに申し込むのはおすすめしません。事前審査(仮審査)の申込みは無料で、ネット銀行なら数日〜最短当日で結果がわかります。候補を2〜3行そろえて事前審査を受け、条件を見比べてから本申込みに進むのが安全です。

金利・手数料・団信の条件は改定されます。最新の内容は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

auじぶん銀行の住宅ローンの詳細はこちら

 

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