住宅ローンの繰上返済を計画する夫婦のイメージ

住宅ローンは長い年月をかけて返していくのが一般的ですが、完済までの期間が短ければ短いほど、支払う利息の総額は軽くなります。その有力な手段が「繰上返済」です。ここでは、繰上返済の手数料・最低金額・2つの方法(期間短縮型/返済額軽減型)・注意点を、主要ネット系銀行の比較も交えて整理します。

繰上返済とは? なぜ効果があるのか

繰上返済とは、毎月の約定返済とは別に、まとまった資金でローン残高(元金)の一部または全部を前倒しで返すことです。返済したお金はまるごと元金に充当されるため、その元金にかかるはずだった将来の利息が丸ごと消えます。特に、元金が多く残っている借入初期ほど利息軽減の効果が大きいのが特徴です。

繰上返済に手数料はかかるの?

ひと昔前は、繰上返済のたびに3万円前後の事務手数料が必要な金融機関が多くありました。しかし現在は、一部繰上返済の手数料を無料にしている金融機関が主流です。特にネット銀行やインターネットからの手続きは無料が一般的で、店頭窓口や、固定金利期間中の「全額」繰上返済には手数料がかかる、という使い分けの銀行もあります。

下表は、主要なネット系銀行の繰上返済手数料の一例です(2026年7月時点・各行公式サイトより。最新の条件は必ず公式でご確認ください)。

金融機関一部繰上返済全額繰上返済最低金額(一部)
SBI新生銀行無料(いつでも何度でも)無料1円から
ソニー銀行無料無料1万円から
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)無料変動金利期間中:無料/固定金利期間中:33,000円(税込)1円から
イオン銀行無料55,000円(税込)ネット1万円/店頭50万円から

このように、一部繰上返済はネット銀行では無料が中心ですが、全額繰上返済(完済)は無料の銀行と有料の銀行に分かれます。とくに固定金利期間中の全額繰上返済には手数料がかかる銀行がある点に注意してください。銀行は固定金利で貸す際に将来の金利変動リスクをカバーするコストを負担しているため、その期間中の完済にコストを求めるケースがあるためです。

なかでもSBI新生銀行は、一部繰上返済が1円から・いつでも何度でも手数料0円で、インターネットバンキング(パワーダイレクト)から手軽に行えます。全額繰上返済も手数料0円とわかりやすく、コツコツ返済したい人にとって使い勝手のよい選択肢の一つです。

繰上返済はいくらから?

繰上返済の最低金額は金融機関によって異なり、1円から可能な銀行もあれば、1万円から・50万円からという銀行もあります。手数料が無料で、かつ少額から返済できる銀行なら、ボーナスや臨時収入のたびに「コツコツ繰上返済」する使い方がしやすくなります。反対に、手数料がかかる場合は、ある程度まとまった金額でないと、軽減できる利息より手数料のほうが高くつくこともあるため、手数料と最低金額はセットで確認しましょう。

繰上返済の2つの方法 期間短縮型と返済額軽減型

繰上返済には『期間短縮型』と『返済額軽減型』の2種類があり、手続きのたびにどちらかを選びます。

種類毎月の返済額返済期間向いている人
期間短縮型変わらない短くなる総返済額(利息)をできるだけ減らしたい人
返済額軽減型減る変わらない毎月の家計負担を軽くしたい人

一般的に選ばれることが多いのは『期間短縮型』です。毎月の返済額は変えずに残りの返済期間を縮めるため、将来の利息軽減効果は返済額軽減型より大きくなります。一方で、毎月の返済が少し負担に感じるようになった場合は『返済額軽減型』を選び、月々の返済額を下げることもできます。今の家計状況と目的に合わせて使い分けましょう。

繰上返済で気をつけたいこと

1. 手元の資金を使いすぎない。 繰上返済を無理に行って家計の貯蓄を取り崩しすぎると、病気・失業・教育費など、いざというときの備えが不足しかねません。生活防衛資金や近い将来に必要なお金は残し、無理のない範囲で行うのが基本です。

2. 住宅ローン控除への影響。 住宅ローン控除(減税)は「返済期間10年以上」が要件の一つです。期間短縮型の繰上返済で、借入当初から通算した返済期間が10年未満になると、その年以降は控除を受けられなくなる場合があります。控除期間中は、短縮しすぎに注意しましょう。

3. 金利環境も踏まえて。 変動金利は依然として低い水準にあるものの、2024年以降の日銀の利上げで上昇する局面もあります(2026年7月時点)。低金利のうちは手元資金を運用や備えに回す考え方もあり、繰上返済を「必ず最優先」と決め打ちせず、金利・家計・目的のバランスで判断するとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 繰上返済の手数料は本当に無料ですか?
一部繰上返済は、ネット銀行やインターネット手続きでは無料が主流です。ただし、店頭窓口での手続きや、固定金利期間中の全額繰上返済(完済)は有料の場合があります。適用条件は各金融機関の公式サイトで確認してください。

Q. 期間短縮型と返済額軽減型、どちらが得ですか?
支払う利息の総額を減らす効果は、一般に期間短縮型のほうが大きくなります。ただし毎月の負担を軽くしたい場合は返済額軽減型が向きます。「利息を減らしたいか/毎月を楽にしたいか」で選び分けましょう。

Q. 少額でも繰上返済する意味はありますか?
手数料が無料で少額から返済できる銀行なら、少額でも元金が着実に減り、利息軽減の効果が積み上がります。特に借入初期は効果が大きいため、無理のない範囲でこまめに返すのも有効です。

Q. 繰上返済は住宅ローン控除に影響しますか?
期間短縮型で返済期間が通算10年未満になると、控除の対象外になる場合があります。控除を受けている期間は、返済期間を10年未満にしないよう注意が必要です。

手数料や最低金額、全額繰上返済の扱いは銀行ごとに差があります。これから住宅ローンを選ぶなら、金利だけでなく「繰上返済のしやすさ(手数料・最低金額・ネット完結の可否)」も比較のポイントに加えると、返し始めてからの自由度が変わってきます。

<当サイトおすすめの住宅ローン公式サイト>

ソニー銀行公式サイト

ドコモの銀行公式サイト

イオン銀行公式サイト

SBI新生銀行公式サイト