住宅ローンを窓口とネットで比較検討するイメージ

きらぼし銀行の住宅ローン「選択上手」は、一部繰上返済をきらぼしホームダイレクト(インターネット)から行えば手数料0円、窓口だと変動金利期間中5,500円・固定金利期間中33,000円〜55,000円(いずれも税込)かかります。保証料も「必ずかかる」わけではなく、保証料一括型・保証料分割型・融資手数料型の3コースから選べるのが「選択上手」という商品名の由来です。ネット銀行の代表格・auじぶん銀行と横並びにして、実際に負担額を左右する繰上返済手数料・保証料・事務手数料・団信を整理します。数値はいずれも各行公式サイトで2026年9月に確認したものです。

要点:手数料は「どこで手続きするか」で変わる

  • 一部繰上返済手数料は、きらぼしホームダイレクト(インターネット)からの手続きなら0円。窓口だと有料(変動金利期間中5,500円/固定金利期間中は33,000円〜55,000円・いずれも税込)。
  • 保証料・手数料の払い方は3コースから選べる(保証料一括型/保証料分割型/融資手数料型)。「保証料が必ずかかる」わけではありません。
  • ただし事務取扱手数料33,000円(税込)はどのコースでも保証会社へ支払う点に注意。
  • 借り換えは「現在の住宅ローンを5年以上、正常に返済していること」が条件。他行より長めで、ここで対象外になる人がいます。
  • auじぶん銀行は保証料不要・一部繰上返済手数料0円・事務手数料は借入額×2.20%(税込)。がん50%保障団信などの疾病保障が上乗せ金利0円で付くのが最大の差です。

商品性の比較:きらぼし銀行「選択上手」 vs auじぶん銀行

審査基準と主要な諸費用を横並びにしました(2026年9月時点・各行公式サイトより)。

比較の観点きらぼし銀行「選択上手」auじぶん銀行 住宅ローン
申込時の年齢満20歳以上満70歳以下満18歳以上満65歳未満
完済時の年齢満75歳以下満80歳の誕生日まで
融資金額100万円以上3億円以内(10万円単位)500万円以上2億円以下
融資期間35年以内(1年単位)※借入当初1年間は返済据置も可1年以上50年以下(35年1ヶ月以上は年0.100%上乗せ)
対象地域きらぼし銀行の営業エリア全国(ネット完結)
保証料3コースから選択(下記参照)。融資手数料型なら保証料は銀行負担不要※審査結果により保証付金利プランとなる場合あり
事務手数料(税込)事務取扱手数料33,000円(保証会社へ・全コース共通)+融資手数料型は借入額×2.20%借入額×2.20%
一部繰上返済手数料(税込)インターネット(きらぼしホームダイレクト)は0円
窓口:変動金利期間中5,500円/固定金利期間中33,000円(1,000万円以下)・55,000円(1,000万円超)
0円(金利プランを問わず)
全額繰上返済手数料(税込)窓口のみ(インターネット不可)。固定金利期間中33,000円(1,000万円以下)・55,000円(1,000万円超)/変動金利期間中は実行後10年以内11,000円・10年超は0円固定金利が適用中なら33,000円/変動金利なら0円
金利タイプ変更の手数料(税込)変動→固定 5,500円/固定を再選択 5,500円―(公式で条件をご確認ください)
団信保険料銀行負担(一般団信)銀行負担(一般団信)
年収条件250万円以上200万円以上
勤続年数勤続(営業)3年以上規定なし
借り換えの条件現在の住宅ローンを5年以上、正常に返済していること公式の申込条件をご確認ください
対象外になる物件木造連棟式住宅/借地上の中古住宅/2年以内に住宅を建てる予定のない宅地―
申込方法店舗窓口・ローンプラザ(Web事前審査あり)ネット完結
上乗せ金利0円の疾病保障「選択上手」にはなしがん50%保障団信(がん・4疾病50%+全疾病保障+月次返済保障)※満50歳まで加入可
有料(上乗せ)の疾病保障別商品として3大疾病・がん保障・入院サポートの各住宅ローンを用意がん100%保障団信=年0.050%上乗せ/がん100%保障団信プレミアム=年0.150%上乗せ

※きらぼし銀行の数値は住宅ローン「選択上手」商品内容(2025年9月25日現在の表示・2026年9月確認)、auじぶん銀行の数値は同行の商品詳細ページおよび公式FAQ(繰上返済手数料)による。

見落としやすい「借り換えは5年以上の返済実績が必要」

きらぼし銀行の借り換えでとくに注意したいのが、公式の商品内容に明記されている次の条件です。

「借換えの場合、ご本人居住住宅に対するお借入の住宅ローンを5年以上、正常にご返済されている方」

借り換えを受け付ける条件としてはかなり長めです。たとえばりそな銀行の借りかえローンは「2年以上」、ネット銀行の多くは年数の明示がありません。「借りて3年目だが金利が上がってきたので乗り換えたい」という人は、きらぼし銀行では土俵に上がれないということです。あわせて、勤続(営業)3年以上・年収250万円以上という条件もあり、転職直後の人や借入から日が浅い人は、先に条件を満たす銀行を絞り込んだほうが早いでしょう。

きらぼし銀行の「保証料・手数料」は3コースから選ぶ

ここが誤解されやすい点です。きらぼし銀行「選択上手」は、保証料・手数料の支払い方法を次の3つから選べます(いずれも税込・事務取扱手数料33,000円は共通)。

コース負担の内容向いている人
①保証料一括型借入時に保証料を一括払い。借入100万円あたり10,296円(期間35年)。+事務取扱手数料33,000円初期費用を払えて、金利を上乗せしたくない人
②保証料分割型保証料を金利に含めて毎月払い。融資利率に年0.100%を上乗せ。+事務取扱手数料33,000円初期費用を抑えたい人(総額は①より多くなりがち)
③融資手数料型借入額×2.20%を銀行へ支払い、保証料は銀行が負担。+事務取扱手数料33,000円ネット銀行と同じ料金体系で比較したい人

なお保証料の額は借入期間で変わり、公式の例示では100万円あたり5年2,288円・10年4,269円・20年7,412円・30年9,560円・35年10,296円です。期間が短いほど保証料も軽くなるため、残り期間の短い借り換えでは①が現実的な選択肢になります。

借入3,000万円・期間35年の場合、借入時に必要な保証料・手数料の目安は次のとおりです。

借入3,000万円・35年の場合の保証料・事務手数料の比較
きらぼしの保証料分割型は借入時の負担が小さい代わりに、融資利率に年0.100%が上乗せされる(総返済額では増える)。数値は事務取扱手数料33,000円を含む概算。

②保証料分割型は借入時の負担が33,000円で済みますが、その代わり金利が年0.100%上乗せされるため、返済総額では①より多くなるのが一般的です。「初期費用が安い=得」ではない点に注意してください。逆に③融資手数料型は初期費用が最も重く、繰上返済しても返戻はありません。保証料と融資手数料の損得の考え方は住宅ローンの保証料とは?計算方法・融資手数料型との比較で詳しく整理しています。

繰上返済を前提にするなら「手続き経路」まで確認する

両行とも「一部繰上返済は無料」と言えますが、中身は同じではありません。

きらぼし銀行で0円になるのはきらぼしホームダイレクトを利用していて、かつ期間短縮型で手続きする場合です。最終返済期日をそのまま据え置いて一部繰上返済する(=毎月の返済額を下げる)方式は、インターネットでは取り扱えず、窓口で返済条件変更手数料5,500円(税込)が別途かかります。さらに、変動金利から固定金利へ切り替えるときも5,500円、固定金利を再選択するときも5,500円が必要です。

auじぶん銀行は一部繰上返済が金利プランを問わず0円。全額繰上返済も、変動金利なら0円で、固定金利が適用されている場合のみ33,000円(税込)です(同行公式FAQ・2026年9月確認)。「繰上返済を何度も繰り返して期間を詰めたい」「返済額を下げる方式も使いたい」という人ほど、きらぼしとの差が効いてきます。繰上返済そのものの効果や方式の違いは住宅ローンの繰上返済とは?手数料・種類・効果を銀行比較で解説をご覧ください。

最大の差は「上乗せ0円の疾病保障」

諸費用の体系は工夫次第で近づけられますが、埋めにくいのが団信の差です。

auじぶん銀行は上乗せ金利0円の「がん50%保障団信」を用意しています。がんと診断されると住宅ローン残高の50%が保障され、さらに急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患の4疾病も50%保障、精神障害を除くすべてのけが・病気で180日以上継続入院すると残高が0円になる全疾病保障、入院期間に応じて毎月の返済額が0円になる月次返済保障まで付きます(加入は満50歳まで)。上乗せするなら、がん100%保障団信が年0.050%、がん100%保障団信プレミアムが年0.150%です。

一方きらぼし銀行は、「選択上手」自体には上乗せ0円の疾病保障はなく、「3大疾病&5(アンドファイブ)住宅ローン」「ガン保障特約付き住宅ローン」「ダブル入院サポート住宅ローン」といった保障付きの別商品が用意される形です。保障を付けるなら金利上乗せが前提になります(上乗せ幅は公式の各商品ページでご確認ください)。

保障を金利で買うか、最初から付いている銀行を選ぶか。ここは総返済額に直結する比較ポイントです。対面で相談しながら団信を選びたい人向けには、auじぶん銀行の住宅ローン相談会(対面11か所とZoom)という選択肢もあります。

短プラは2026年8月3日に引き上げ済み。効くのは「見直しの仕組み」

2026年は住宅ローンを取り巻く環境が大きく変わりました。日本銀行が2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げたことを受け、みずほ銀行は短期プライムレート(変動金利の基準)を2026年8月3日に年2.125%から年2.375%へ0.250%引き上げています(みずほ銀行 短期プライムレートで確認)。水準も引き上げ幅も銀行ごとに異なるため、ご自分の借入先の短プラは必ずその銀行の公式ページで確認してください。かつて記事で触れていた「長引くマイナス金利」の時代は完全に終わっています。

ここで見落とされがちなのが、変動金利の「見直しのタイミング」は銀行ごとに違うという点です。きらぼし銀行「選択上手」は公式の商品内容で、毎年4月1日・10月1日の基準日に基準金利を見直し、変更後の融資利率は7月・1月の返済分から適用すると明記しています。さらに毎月の返済額は10月1日を起点とした5回目の見直しまで変わらず、変わる場合も前回返済額の1.25倍が上限——いわゆる5年ルール・125%ルールです。基準金利が上がっても、実際の返済額に反映されるまでには何段階もの時間差があるということです。

次の節目は日本銀行の金融政策決定会合(2026年9月17日・18日/結果公表と総裁会見は18日)です(日本銀行の公表日程)。仮に政策金利が動いたとしても、それが短期プライムレート→各行の基準金利→適用金利→毎月の返済額と伝わるまでには時間がかかります。結果を待って慌てて決めるより、「自分の契約の見直し基準日はいつか」「5年ルールがあるか」を返済予定表と契約書で確認しておくほうが実益があります。

参考までに、auじぶん銀行の2026年9月の適用金利は変動 年1.134%(新規・全期間引下げプラン・物件価格80%以下)/借り換え 年1.179%、10年固定は新規 年3.270%です(当編集部が同行公式サイトを2026年9月1日に確認)。きらぼし銀行の適用金利は引下げプランの適用可否で変わるため、きらぼし銀行の住宅ローン関連ページの金利一覧で確認してください。

よくある質問

Q. きらぼし銀行の一部繰上返済は本当に無料でできますか?

A. きらぼしホームダイレクト(インターネットバンキング)から期間短縮型で手続きすれば0円です。窓口では変動金利期間中5,500円、固定金利期間中は33,000円〜55,000円(税込)がかかります。また、最終返済期日を据え置いて一部繰上返済する方式は返済条件変更手数料5,500円(税込)が別途必要で、インターネットでは取り扱えません。

Q. 保証料と融資手数料、結局どちらが安いのですか?

A. 借入額・期間・繰上返済の予定によって逆転します。長期でしっかり返すなら保証料一括型、早期に完済する予定があるなら保証料型のほうが有利になりやすい(融資手数料型は繰上返済しても返戻がないため)というのが一般的な考え方です。金額は上の試算を目安に、銀行のシミュレーションで確認してください。

Q. 借りて3年目ですが、きらぼし銀行へ借り換えできますか?

A. できません。「選択上手」の借り換えは、現在の住宅ローンを5年以上、正常に返済していることが条件です。年数が足りない場合は、返済実績の要件がより短い銀行(りそな銀行の借りかえローンは2年以上)やネット銀行を検討することになります。

Q. 勤続3年未満だときらぼし銀行では借りられませんか?

A. 「選択上手」の条件は勤続(営業)3年以上です。転職直後の方は条件を満たしません。auじぶん銀行は勤続年数の規定がないため、転職直後の人はネット銀行のほうが選択肢になりやすいといえます(ただし審査は総合判断です)。

Q. きらぼし銀行は営業エリア外でも借りられますか?

A. 「選択上手」はきらぼし銀行の営業エリアが対象です。東京都以外にお住まいの方・物件が営業エリア外の方は、全国対応のネット銀行やフラット35のほうが現実的です。また木造連棟式住宅、借地上の中古住宅、2年以内に住宅を建てる予定のない宅地の購入は、エリア内でも対象になりません。

Q. 疾病保障を重視するなら、どちらを選ぶべきですか?

A. 上乗せ0円で疾病保障が欲しいならauじぶん銀行が有力です(ただし加入は満50歳まで)。50歳を超える方は上乗せ0円の疾病保障を付けられないため、年齢によって最適解が変わる点は要注意です。

まとめ:申し込みは1行に絞らない

きらぼし銀行の住宅ローンは、店舗で相談しながら進めたい人・保証料の払い方を選びたい人には合理的な選択肢です。一方で、年収250万円以上・勤続3年以上・借り換えなら返済実績5年以上と条件はやや厳しめで、上乗せ0円の疾病保障はありません。ネット完結・全国対応・上乗せ0円の疾病保障を重視するならauじぶん銀行、というのが2026年9月時点の素直な比較結果です。

なお、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している銀行としてSBI新生銀行も検討に値します。保証料0円・一部繰上返済手数料0円(1円から何度でも)に加え、上乗せ0円の全疾病保障付団信(2026年3月2日開始)を用意しており、変動金利はSBIハイパー預金の優遇適用で年0.990%(借り換え・当編集部が2026年9月1日に公式サイトで確認)。融資事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です。「対面で相談したいがネット銀行並みの条件も欲しい」という人は比較対象に入れておくとよいでしょう。

住宅ローンは審査に通らない可能性があるため、1行だけに申し込むのはおすすめしません。事前審査(仮審査)の申込みは無料で、ネット銀行なら数日〜最短当日で結果がわかります。候補を2〜3行そろえて事前審査を受け、条件を見比べてから本申込みに進むのが安全です。

参考・出典

※本記事の金利・手数料・条件は2026年9月に各金融機関の公式サイトで確認したものです。内容は改定されるため、お申込みの際は必ず各金融機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

 

注目の住宅ローン比較・ランキング・特集