
表面金利は、銀行が年◯%と公表している適用金利です。実質金利は、事務手数料や保証料などの諸費用を金利に置き換えて足した、実際の負担に近い金利を指します。
どちらも住宅ローンの正式な用語ではなく、計算の仕方も比較サイトごとに違います。比べる際は、表面金利と借入時の諸費用を並べて総額で見ると判断を誤りにくくなります。
表面金利と実質金利の違い
表面金利は、毎月の利息の計算に使われる金利です。銀行の金利一覧に載っている数字がこれにあたります。
実質金利は、借入時に払う諸費用まで含めて考えた負担の目安です。事務手数料や保証料は、銀行によって数十万円単位の差がつきます。
つまり、表面金利が低い銀行が総額でも安いとは限りません。諸費用の差が金利差を打ち消すことがあるためです。
借入時の諸費用は保証料型と事務手数料型に分かれる
住宅ローンの借入時費用は、おもに次の2タイプに分かれます。三菱UFJ銀行の解説記事で示されている目安をもとにまとめました。
| 費用タイプ | 事務手数料 | 保証料 | 金利の傾向 |
|---|---|---|---|
| 保証料タイプ | 定額(3万〜5万円が目安) | 必要。借入時の一括払い(借入額×2.2%が目安)か、金利への上乗せ(年0.2%が目安)を選ぶ | 事務手数料タイプより高め。上乗せを選ぶとさらに上がる |
| 事務手数料タイプ | 定率(借入額×2.20%(税込)が多い) | 不要 | 保証料タイプより低め |
保証料を金利に上乗せする方式では、表面金利が年1.000%なら負担は年1.200%前後になります。事務手数料タイプで3,000万円を借りると、2.20%の手数料は66万円(税込)です。
主な銀行の借入時費用を横並びで比較
ネット銀行や大手行では、保証料0円で事務手数料を定率にする形が増えています。各行の公式案内で確認した内容は次の表のとおりです(2026年10月時点)。
| 金融機関・商品 | 事務手数料(税込) | 保証料 |
|---|---|---|
| ドコモSMTBネット銀行(対面相談コース) | 融資金額の2.20% | 0円 |
| SBI新生銀行(パワースマート住宅ローン) | 借入金額の2.20% | 原則0円 |
| 三菱UFJ銀行(事務手数料タイプ) | 借入金額の2.20% | 不要 |
| ソニー銀行(変動セレクト・固定セレクト住宅ローン) | 融資金額の2.20% | 0円 |
| ソニー銀行(住宅ローン) | 一律44,000円 | 0円 |
| フラット35 | 取扱金融機関により異なる | 不要 |
ドコモSMTBネット銀行のWEB申込コースは、2026年10月30日(金)17時で仮審査申込の受付を終了します。以降の新規申込は対面相談コースが窓口です。
フラット35は、保証料と保証人が要りません。融資手数料は金融機関ごとに違うと住宅金融支援機構のご利用条件に明記されています。
定額型と定率型は借入額で有利・不利が変わる
ソニー銀行は、手数料の型が違う商品を選べます。ソニー銀行の住宅ローンは手数料が一律44,000円で、変動セレクト・固定セレクトは融資金額の2.20%です。
3,000万円を借りる場合、定率タイプの手数料は66万円です。定額タイプとの差は61万6,000円になります。
一方、定額タイプの商品は表面金利が高めに設定されています。金利差は35年続くため、初期費用の差だけでは判断できません。
比べると、借入額が大きく返済期間が短いほど定額タイプが有利になる傾向です。手数料の差が広がり、金利差の影響を受ける期間が短くなるからです。最終的には、同じ条件で総返済額を試算して並べます。
諸費用を含めた試算の手順は、住宅ローンを総費用で比較する方法で詳しく扱っています。
繰上返済をするなら保証料の戻りも比べる
保証料を借入時に一括で払った場合、繰上返済をすると保証料の一部が戻ります。返済期間が短くなった分、保証の期間も短くなるためです。
事務手数料タイプや保証料を金利に組み込む型では、原則として戻る保証料はありません。早めの完済を考えている人は、この差も費用に入れて比べます。
諸費用を金利に換算する考え方は、APR(実質年率)と諸費用の比べ方の記事も参考になります。
よくある質問
Q. 実質金利は銀行の公式サイトに載っていますか?
A. 住宅ローンの実質金利は正式な用語でないため、銀行が共通の方法で公表する数字はありません。比較サイトが独自に計算している例が多いため、計算の前提を見てから使います。
Q. 事務手数料は借入額に含めて借りられますか?
A. 金融機関によっては可能です。SBI新生銀行は、登記費用や税金などの諸費用も借入金額に含められると案内しています。その分、利息の負担は増えます。
Q. 繰上返済の予定がある場合、保証料タイプと事務手数料タイプのどちらが有利ですか?
A. 一括前払いの保証料は、繰上返済で一部が戻ります。事務手数料は戻らないのが一般的です。早期完済の予定があるなら、戻る保証料も差し引いて総額を比べます。
まとめ
表面金利は利息の計算に使う金利で、実質金利は諸費用まで含めた負担の目安です。金利の数字だけで選ぶと、手数料の差を見落とします。
比べる際は、事務手数料・保証料・繰上返済時の戻りまで同じ条件で並べます。そのうえで総返済額を試算すると、各行の差がはっきりします。
掲載内容は記載時点のものです。最新の金利・条件は各金融機関の発表をご覧ください。
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