タイプ別に自分に合った住宅ローンを選ぶ家族のイメージ

日本の住宅ローンは、長く続いた「歴史的な低金利」から金利上昇局面へと環境が変わりました。日本銀行は2026年6月に政策金利を年1.0%程度へ引き上げており、変動金利・固定金利とも各行で見直しが進んでいます。それでも金融機関ごとの適用金利・諸費用・団信の差は大きく、どの住宅ローンを選ぶかで総返済額は数十万円から数百万円変わります。

住宅ローンは実は複雑な商品で、数多くの金融機関が提供しています。どれを選べばよいのかよくわからない。そんな人たちは非常に多くいらっしゃると思います。この特集ページでは、人によって考え方や付き合い方が違う住宅ローンをタイプ別に整理します。住宅ローン選びの最大のポイントが金利であることに変わりはありませんので、まずは金利の低い住宅ローンで絞り込みを行い、そのうえでご自身にあった住宅ローンに絞り込んでいくと良いでしょう。

※本記事の金利・手数料は2026年7月時点で各金融機関の公式サイトを確認したものです。金利は毎月見直され、適用されるのは融資実行月の金利です。最新情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

1.タイプ別のおすすめ住宅ローンとは?

住宅ローンを検討されている方は千差万別です。例えば「新規マイホーム購入」と「契約済み住宅ローンの借り換え」などがわかりやすい例です。それ以外にも「契約までに時間がない」であったり、「頭金の用意が難しい(または家具などの他の用途で使いたい)」、「クレジットカードや携帯電話の支払いをうっかり遅延させてしまったことがある」など、住宅ローンを検討している人はそれぞれ事情を抱えています。

また、特にご自身については悩みや事情が無くても、「これから金利が上昇するかもしれない」、「しばらくの間は金利は上昇しない」、「そもそも金利が上昇するとか上昇しないとかよくわからない。考えるのも面倒だ。」など、いわゆる「考え方」も違うものです。

個人の事情や考え方によって、おすすめしたい住宅ローンは変わってきます。その全てのケースを網羅することはできませんが、代表的なタイプに合わせて、おすすめしたい住宅ローンを整理してみたいと思います。もちろん、「しっかりとした理由もなく当サイトが勝手におすすめしている」とならないように、各金融機関の公式サイトで確認できる客観的なデータや数字にもとづいて紹介します。

タイプ① 難しいことは考えたくない。理屈はいらないから返済金額をとにかく少くしたい人におすすめの住宅ローン

そんな人におすすめの住宅ローンは「変動金利」の住宅ローンです。「変動金利には金利上昇のリスクがあり・・・・」という説明はあえてここではしません。返済金額を少なくするには金利の低い住宅ローンを選ぶのが一番わかりやすい選択です。

ただし、「ネット銀行なら一律に安い」と言い切れた時代は終わりました。2026年の金利上昇局面では、変動金利を先行して引き上げたネット銀行と、据え置いた銀行とで順位が入れ替わっています。まずは主要行の変動金利(新規借入・最優遇)を横並びで確認してください。

金融機関変動金利(新規・最優遇)主な条件
三菱UFJ銀行0.945%ネット専用・最優遇
住信SBIネット銀行(WEB申込コース)0.950%通期引下げプラン
りそな銀行0.950%融資手数料型
SBI新生銀行0.990%SBIハイパー預金の優遇適用時(自己資金10%以上の優遇適用時は1.060%)
みずほ銀行1.025%ネット専用・最大引下げ
イオン銀行1.040%金利プラン
auじぶん銀行1.134%全期間引下げ・物件価格の80%以下の借入
三井住友銀行1.275%WEB申込・最優遇
PayPay銀行1.330%全期間引下型
ソニー銀行1.347%変動セレクト住宅ローン

※2026年7月1日時点で各行公式サイトに掲載された新規借入の金利(審査結果により適用金利は変わります)。優遇の条件・団信の内容・事務手数料の型が異なるため、金利だけの単純比較はできません。

低金利で選ぶなら、住信SBIネット銀行の住宅ローンは変動0.950%(通期引下げプラン)で、諸費用の条件も明快です。一方、auじぶん銀行の住宅ローンは金利水準だけ見ると中位ですが、後述のとおり上乗せ0%で付帯する団信が手厚いのが持ち味です。金利が近い場合、差がつくのは「団信」と「諸費用」です。

費用面の見通しを立てやすい一本としては、SBI新生銀行の住宅ローンも候補に入ります。「SBIハイパー預金」を利用すると変動金利(半年型)の当初借入金利から年0.090%引き下げられ、2026年7月の適用金利は0.990%。保証料0円・一部繰上返済手数料0円(1円から何度でも)・一般団信の上乗せ0円と、かかる費用がシンプルで比較しやすい設計です。

タイプ② そんなに計画的に住宅ローンの借り入れ(借り換え)できなかった。頭金や借り換え費用なんて用意していない人におすすめの住宅ローン

ソニー銀行の住宅ローン。ソニー銀行は3種類の商品を用意しており、そのうち「住宅ローン」(定額型)は取扱手数料が一律44,000円(税込)です。その代わり金利の引下げ幅が小さく、表面金利はやや高く見えます。低金利の「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」は、取扱手数料が借入金額の2.20%(税込)です。

4,000万円を借りる場合、2.20%(税込)の定率型なら事務手数料は88万円(税込)。定額型の44,000円(税込)とは80万円以上の差になります。手元資金を残したい人、借入額が大きい人ほど、この「型」の違いが効いてきます。

事務手数料の型金額の例(借入4,000万円)該当する主な商品
定額型44,000円(税込)ソニー銀行「住宅ローン」(そのぶん金利の引下げ幅は小さい)
定率型(借入金額×2.20%・税込)880,000円(税込)ソニー銀行「変動/固定セレクト住宅ローン」、住信SBIネット銀行(WEB申込コース)、SBI新生銀行 など

※2026年7月時点で各行公式サイトを確認。上記のほか、登記費用・火災保険料などの実費が別途かかります(保証料は上記各行とも0円)。

初期費用を抑えるなら定額型、金利の低さを取るなら定率型——どちらが有利かは借入額と借入期間で逆転します。借り換えで「手元のお金を使いたくない」ケースでは、事務手数料や諸費用を借入金額に含められるか(住信SBIネット銀行・SBI新生銀行は可能)もあわせて確認しておきましょう。

タイプ③ 借りた後は住宅ローンの事は忘れたい。家賃みたいに毎月同じ金額を引き落として欲しい人におすすめの住宅ローン

そんな人におすすめの住宅ローンは固定金利(超長期固定金利)の住宅ローンです。固定金利の住宅ローンと言えば、フラット35。2026年7月のフラット35の最も多い金利は、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・団信込みで年3.140%、借入期間20年以下は年2.820%です(住宅金融支援機構)。融資率9割超は年3.250%と上乗せされるため、頭金を1割用意できるかどうかで全期間の金利が変わります。

フラット35は同じ商品でも取扱金融機関ごとに金利と融資手数料が異なります。費用面で比較しやすいのは楽天銀行で、返済口座を楽天銀行に指定した場合の融資手数料は新規1.10%(税込)/借り換え0.99%(税込)。住信SBIネット銀行のフラット35(買取型)は2.20%(税込・最低110,000円)ですので、金利が同じでも初期費用の差は小さくありません。フラット35は「金利+手数料」の合計で比べるのが鉄則です。

タイプ④ 失敗した・・・。まさかクレジットカード(など)の返済履歴が住宅ローンの審査に影響あるなんて、という人におすすめの住宅ローン

正々堂々とおすすめできる住宅ローンはコレ、と宣言するのが難しいのですが、一般の住宅ローンと異なり国の政策的な役割も担うフラット35は、ぜひ一度検討していただきたい住宅ローンです。住宅ローンの審査基準は各金融機関で異なり、各種ローンの延滞履歴があると審査に通りにくいのが一般的です。

フラット35の特徴は、勤続年数や雇用形態の要件を設けず、年収に対する総返済負担率(年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下)という基準を公表している点です(住宅金融支援機構)。審査の物差しが公開されているぶん、自分が要件を満たすかを申込前に確認しやすいのは、民間ローンとの大きな違いです。

ただし、フラット35でも個人信用情報は確認されます。「延滞履歴があっても必ず通る」わけではありません。審査に落ちた具体的な理由が開示されないのは各金融機関に共通です。心当たりがある人は、まず信用情報機関(CIC・JICCなど)に自分の登録内容の開示請求を行い、事実関係を確かめてから申し込むのが現実的な進め方です。

タイプ⑤ 契約まで時間がない!1か月とか2か月待っているわけにはいかない人におすすめの住宅ローン

auじぶん銀行の住宅ローンは「郵送」の手間を無くし、必要書類をスマートフォンやパソコンからアップロードして申し込みまで完結できる住宅ローンです。契約も電子契約に対応しており、印紙税が不要という副次的なメリットもあります。ネット銀行の弱点(郵送のやり取りに時間がかかる)を補っている点で、このタイプの人におすすめしたい住宅ローンの1つ目として紹介させていただきます。

もっとも、審査期間は申込内容・混雑状況・物件書類の揃い方に大きく左右されます。「必ず◯週間で実行できる」と断定できる金融機関はありません。決済日が決まっているなら、申込前に必要書類の一覧を取り寄せて先に揃えておくのが結局いちばんの近道です。

タイプ⑥ 過去に大病を患った経験あり。でも今は元気で職場復帰も果たせたし、そろそろマイホームを持ちたい人におすすめの住宅ローン

過去・現在の健康状態に不安がある。過去に大病を患ったことがある場合、住宅ローンの契約の必須条件である団体信用生命保険の審査に落ちてしまうことがあります。そんな人の為に用意されているのがワイド団信と呼ばれる団信です。団信とは生命保険だと思っていただければよいのですが、例えば、一般の生命保険も年齢が高くなったりすると保険料があがるように、ワイド団信も費用負担があります。

ワイド団信は金利に年0.300%を上乗せする金融機関が多いなか、ソニー銀行の住宅ローン年0.200%の上乗せでワイド団信に加入できます(完済時年齢は満81歳未満)。年0.100%の差は、借入3,000万円・35年なら総返済額でおよそ50万円規模の違いになります。という事で、過去・現在の健康状態に不安を抱えている人におすすめしたい住宅ローンとしてソニー銀行の住宅ローンを紹介させていただきます。

なお、ワイド団信でも加入できなかった場合は、団信への加入が任意であるフラット35という選択肢が残ります(団信なしの金利が適用され、民間の生命保険で別途備える考え方です)。健康状態に不安がある人ほど、団信の選択肢が広い金融機関を早めに候補へ入れておくことが大切です。

タイプ⑦ 私は家族の大黒柱。小さい子供もいる。何かあった時の保証を手厚くしておきたい。家族を安心させる必要がある、という人におすすめの住宅ローン

縁起が悪い話なので書きにくいですが、死には至らなかったものの、重度の障害が残り、職場復帰が難しくなってしまった時のことを考えてみましょう。通常の団信では、住宅ローンの残債はゼロにはなりませんので、職場復帰できないのも関わらず、住宅ローンの返済を続けなければなりません。

auじぶん銀行の住宅ローンには、金利の上乗せなしで「がん・4疾病50%保障団信」が付帯します。がんと診断確定されると住宅ローンの残債が半分になるほか、すべてのケガ・病気で入院が180日以上継続した場合に残高が0円になる全疾病長期入院保障、入院が続く間の毎月の返済を保障する月次返済保障上乗せ0%で付帯します(付帯は借入時の年齢が満50歳未満の場合)。がん保障をさらに厚くしたい場合は、年0.050%の上乗せで「がん100%保障団信」へ切り替えられます。

保障を重視するなら、「無料でどこまで付くか」と「上乗せ金利の水準」を必ずセットで比較してください。同じがん保障でも上乗せが年0.100%〜0.200%の金融機関があり、35年で見れば数十万円の差になります。

タイプ別・チェックすべき比較軸の早見表

あなたのタイプ最優先で見る比較軸候補になりやすい住宅ローン
とにかく返済額を抑えたい変動金利の水準と優遇の条件三菱UFJ銀行/住信SBIネット銀行/りそな銀行/SBI新生銀行
初期費用を抑えたい事務手数料の型(定額/定率)ソニー銀行「住宅ローン」(定額44,000円・税込)
返済額を固定したい全期間固定金利+融資手数料フラット35(楽天銀行など手数料の低い取扱金融機関)
審査に不安がある審査基準の明確さ・返済負担率フラット35
契約まで時間がないネット完結・電子契約の可否auじぶん銀行
健康状態に不安があるワイド団信の上乗せ金利ソニー銀行(年0.200%上乗せ)
保障を手厚くしたい上乗せ0%で付く団信の範囲auじぶん銀行(がん・4疾病50%保障が上乗せ0%)

よくある質問(タイプ別に選ぶときの疑問)

Q. 金利がいちばん低い銀行を選べば、総返済額も最少になりますか?
A. 必ずしもそうなりません。事務手数料が定率型(借入金額×2.20%・税込)か定額型かで、借入4,000万円なら80万円以上の差が出ます。「表面金利」ではなく「金利+事務手数料+団信の上乗せ」の合計で比べてください。

Q. 金利上昇局面でも変動金利を選んでよいのでしょうか?
A. 判断は借入額・返済期間・家計の余力によります。多くの金融機関の変動型には返済額の急増を抑える「5年ルール」「125%ルール」がありますが、これらのルールを設けていない商品もあります(ソニー銀行など)。金利が上がったときに返済額がどう変わる商品なのかは、申込前に必ず確認しましょう。

Q. 複数の銀行に同時に申し込んでもよいですか?
A. 事前審査(仮審査)を複数行に出すことは一般的に行われています。ただし金融機関によっては仮審査を行わず本審査のみで完結するところもあり(SBI新生銀行など)、必要書類を揃えるタイミングが変わります。併願するなら、審査の進め方の違いを踏まえてスケジュールを組んでください。

Q. 頭金は入れたほうが得ですか?
A. フラット35は融資率9割以下と9割超で金利が変わり、2026年7月は9割以下が年3.140%、9割超が年3.250%です(借入期間21年以上35年以下)。頭金1割の有無で全期間の金利が変わります。民間ローンでも自己資金の割合で優遇幅が変わる金融機関があります(SBI新生銀行の自己資金10%以上の優遇など)。

Q. 「今月の金利」で決めてよいですか?
A. 適用されるのは申込月ではなく融資実行月の金利です。金利上昇局面では実行月に金利が上がっている可能性もあるため、資金計画には余裕を持たせてください。

ひょっとしたら上記のタイプの中に当てはまらない人もいらっしゃるかもしれませんが、住宅ローンは個人個人のおかれている環境や、考え方によっておすすめできる住宅ローンが変わってきます。当サイトでは、多種多様な皆さまに少しでも役にたてるように様々な角度からコンテンツを提供していますので、こちらのページの記事以外でもいくつかの特集ページを参考にしていただければと思います。

 

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