住宅ローンの金利優遇の2つのタイプを表すイメージ

住宅ローンの金利優遇とは、銀行が示す基準金利(店頭金利)から一定幅を差し引く割引です。差し引いた後の適用金利が、毎月の返済で実際に払う金利になります。

割引の付け方は、当初の一定期間を厚くする型と、全期間で同じ幅を引く型の2つです。比べる対象は割引幅ではなく、優遇後の適用金利と優遇が続く年数です。

金利優遇は当初期間型と全期間型の2タイプ

同じ銀行でも、どちらの型を選ぶかで適用金利が変わります。下の数値は仕組みを示すための仮の例です。

① 当初期間優遇型(当初期間引下げ型)
返済開始から一定期間は優遇幅が大きく、期間が終わると優遇幅が小さくなります。たとえば当初5年間は基準金利から1.5%、6年目以降は1.0%を引く形です。

② 全期間優遇型(通期引下げ型)
借入期間のすべてに同じ優遇幅が付きます。たとえば借入期間30年を通じて、基準金利から1.0%を引く形です。

当初期間型と全期間型の違いを比較

比較の観点当初期間優遇型全期間優遇型
優遇の効き方当初は手厚い/期間経過後に縮小全期間で一定
向いている人返済期間が短い人/当初の優遇期間中に繰上返済や借り換えを考える人返済期間が長い人/返済額の見通しを立てやすくしたい人
注意点優遇縮小後の金利水準と返済額の増え方当初の割引幅は当初期間型より小さい

※優遇幅・条件は銀行ごとに異なります。

表の読み方は単純です。返済期間が長いほど、縮小後の期間が長くなり、当初期間型の不利が積み上がります。

つまり「その優遇が何年続くか」と「自分の返済年数」を突き合わせることが判断の軸です。複数の銀行で審査を受け、提示された適用金利で比べると差がはっきりします。

実際の商品で見る2タイプ(2026年10月時点)

ネット銀行も、2つの型を金利プランとして用意しています。auじぶん銀行と、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の対面相談コースを同じ項目で並べます。

比較の観点auじぶん銀行ドコモSMTBネット銀行 対面相談コース
全期間型のプラン名全期間引下げプラン通期引下げプラン
当初期間型のプラン名当初期間引下げプラン当初引下げプラン
変動金利(全期間型・新規・物件価格の80%以下)年1.734%年1.600%
変動金利(物件価格の80%超)年1.779%年1.700%
固定10年(当初期間型・新規)年3.470%年3.379%
条件で金利が下がる仕組み住宅ローン金利優遇割(モバイル・でんき・ネット・TVの利用で最大年0.150%引下げ)物件価格の80%以下で借りると変動金利が低くなる
審査結果による変化審査の結果、保証付金利プランになる場合がある審査の結果、最大年0.550%上乗せになる場合がある

※2026年10月時点・新規借入の金利。auじぶん銀行の変動金利は、50歳以下で一般団信を選ぶと年1.680%です。

表示金利だけを比べると、変動金利は対面相談コースが年0.134%低くなります。

一方で対面相談コースは、審査結果により最大年0.550%の上乗せがあります。上乗せが付くと差は逆転します。auじぶん銀行は金利優遇割を最大まで使うと年0.150%下がります。表示金利の差より、自分に付く上乗せと割引の幅のほうが結果を大きく動かします。

auじぶん銀行の割引の中身はauじぶん銀行 住宅ローンの金利優遇割・団信・諸費用の解説で詳しく整理しています。

ドコモSMTBネット銀行はWEB申込コースの受付が終了予定

ドコモSMTBネット銀行のWEB申込コースは、2026年10月30日(金)17時で仮審査申込の受付を終了します。それまでに仮審査を申し込んだ人は、WEB申込コースで手続きを続けられます。

以降に申し込む人は、銀行代理業者が窓口になる対面相談コースを使います。店舗やオンラインで担当者に相談しながら進める形です。比べると、WEB申込コースの審査上乗せは年0.100〜0.300%で、対面相談コースより幅が狭くなっています。

基準金利が上がると適用金利はどう動くか

優遇幅は契約時に決まり、その後の基準金利の動きとは切り離されるのが一般的です。基準金利が0.25%上がれば、適用金利もほぼ同じ幅で上がります。

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度へ引き上げると決めました(日本銀行「金融市場調節方針の変更について」)。変動金利の基準金利は、こうした動きを受けて各行が個別に見直します。

当初期間型は、優遇の縮小と基準金利の上昇が重なると返済額の増え方が大きくなります。縮小後の金利は、今の基準金利から縮小後の優遇幅を引いて試算しておくと実態に近づきます。

基準金利・優遇金利・適用金利の関係は基準金利・優遇金利・適用金利の違いと金利上昇期の見方、金利全体の動きは住宅ローンの金利推移と金利動向で確認できます。

ネット銀行は掲載金利が比較の出発点

ソニー銀行や楽天銀行などのネット銀行は、店頭での個別交渉より、公式サイトに載せた金利で貸す形が中心です。比較の出発点が見えやすい点が特徴です。

ただ、掲載金利がそのまま自分の金利になるとは限りません。物件価格に対する借入の割合、団信の種類、審査結果で上下します。ネット銀行にも割引の仕組みはあり、見え方が店頭の優遇と違うだけです。

よくある質問

Q. 当初期間型と全期間型は、総返済額でどちらが有利ですか?

A. 返済年数と、当初期間の後の金利で決まります。返済が長いほど全期間型が有利になりやすい傾向です。優遇縮小後の金利まで入れた総返済額で比べると判断できます。

Q. 基準金利と適用金利はどう違いますか?

A. 基準金利は割引前の金利で、適用金利は優遇幅を差し引いた実際の金利です。比較は適用金利と、その優遇が続く期間をセットで見ます。

Q. 金利優遇の幅は審査結果で変わりますか?

A. 変わることがあります。ドコモSMTBネット銀行の対面相談コースは、審査結果により最大年0.550%の上乗せがあります。自己資金の割合や取引条件で幅が変わる銀行もあります。

Q. 借りた後に基準金利が上がると、優遇幅は減りますか?

A. 一般に優遇幅は契約時のまま残り、適用金利は基準金利と同じ幅で動きます。当初期間型は、決められた時期に優遇幅そのものが小さくなる点が別に加わります。

まとめ

金利優遇は「優遇後の適用金利」と「優遇が続く期間」をセットで見ます。表示金利の差より、審査による上乗せや割引条件の差のほうが大きいこともあります。

掲載内容は記載時点のものです。最新の金利・条件は各金融機関の発表をご覧ください。

 

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