
住宅ローンの「金利以外のおまけ」は、大きく分けて①金利の上乗せなしで付く病気の保障(疾病保障付き団信)と②買い物割引などの暮らしの特典の2種類です。どちらも便利ですが、選ぶ順番は金利・総返済額・諸費用で候補を絞ってから、おまけで最終判断が基本です。
とくに差が出やすいのが保障のほうで、同じ「無料の疾病保障」でも対象になる病気、支払われる条件、加入できる年齢が銀行ごとに違います。ここでは代表的な5行の付帯サービスを、同じ物差しで並べて整理します(2026年9月時点・各行公式サイトにて確認)。
おまけは「保障型」と「暮らし型」の2種類
保障型は、団体信用生命保険(団信)に病気やケガの保障を上乗せ金利なしで付けるタイプです。働けない期間の返済を肩代わりしたり、所定の状態でローン残高の一部または全部が保険金で返済されたりします。
暮らし型は、グループ企業での買い物割引やポイント付与など、日々の支出を軽くするタイプです。家計への効き目は分かりやすい反面、その店やサービスを使わない家庭では価値がほぼゼロになります。
どちらが得かは家庭しだいなので、「保障を厚くしたいのか」「毎月の支出を抑えたいのか」を先に決めておくと比べやすくなります。
SBI新生銀行:一般団信・全疾病保障付団信とも上乗せ0円
SBI新生銀行では、一般団信に加えて「全疾病保障付団信」も金利の上乗せなしで選べます(2026年3月取り扱い開始)。死亡・高度障害に加え、重度のがんや、病気・ケガによる就業不能状態が所定の期間続いた場合にローン残高を保障し、就業不能期間中の毎月の返済も保障の対象です。
注意したいのは加入できる年齢で、全疾病保障付団信は加入時20〜49歳(完済時80歳未満)が条件です。また、借入れ後90日間は待機期間として就業不能状態が保障の対象外になります。がんに備えたい場合は、年0.100%の上乗せで「ガン団信」も選べます。
諸費用面では、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型のみです。借入額が大きいと手数料もそのぶん増えるため、保障の価値とあわせて総額で比べましょう。
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行):全疾病保障が基本付帯
ドコモSMTBネット銀行の団信「スゴ団信」は、すべての病気・ケガを対象にした「全疾病保障」が基本付帯です。保険料は銀行が負担するため、利用者の追加負担はありません。
さらに、借入時50歳以下なら、がん診断時などにローン残高の50%が保障される「3大疾病50%保障」も上乗せ金利なしで付きます(2024年8月に対象を満40歳未満から拡大)。50歳を超えて借りる場合は、3大疾病保障を上乗せ金利で追加する形です。
全疾病保障は、所定の就業不能状態で毎月の返済額が最長12か月分支払われ、12か月を超えて続くとローン残高の返済に保険金が充てられる仕組みです。「働けない期間が長引いたとき」に効く保障だと理解しておきましょう。
auじぶん銀行:がん50%保障団信に4疾病・長期入院の保障
auじぶん銀行は、借入時50歳以下なら上乗せ金利なしで「がん50%保障団信」が付きます。がんと診断されたときにローン残高の50%を保障するのが柱で、急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患の4疾病でも50%保障の対象になります(50%保障の支払いはいずれか1回)。
加えて、精神障害を除く病気で180日以上入院した場合にローン残高を100%保障する「全疾病長期入院保障」と、入院が続く間の月々の返済保障もセットです。がんの保障を100%にしたい場合は、年0.050%の上乗せで「がん100%保障団信」も選べます。
楽天銀行:がん保障特約・全疾病特約付き団信
楽天銀行の住宅ローン(金利選択型)は、がん保障特約・全疾病特約付きの団信を選べ、がん50%保障タイプなら金利の上乗せはありません。就業不能状態が15日を超えて続くと毎月の返済額を最大36か月保障し、1年を超えて続くとローン残高の返済に充てられます。
がん保障特約の対象は融資実行日に満20歳以上50歳以下の人で、51歳以上は全疾病特約のみの加入です。がんの保障は、保障開始から90日を過ぎてからの診断が対象になる点も押さえておきましょう。
イオン銀行:イオングループでの買い物が毎日5%割引
暮らし型の代表がイオン銀行の「イオンセレクトクラブ」です。住宅ローン契約者に発行される専用カード(イオンゴールドカードセレクト<イオンセレクトクラブ>)で、イオングループの対象店舗でクレジット払いをすると、ローン完済まで毎日5%割引になります。
たとえば対象店舗での買い物が月5万円なら、割引は月2,500円・年3万円の計算です。ただし、返済用口座をイオン銀行以外に変えたりカードを解約したりすると中途退会になり、入会にはカードの審査もあります。対象外の店舗・商品もあるため、ふだん使う店が対象かを先に確認しておきましょう。
対象ローンは住宅ローン(フラット35を含む)で、新規借入れだけでなく借り換えでも利用できます。
付帯サービスの早見表
ここまでの内容を、同じ項目で並べると次のとおりです。
| 金融機関 | 上乗せ金利なしの主な付帯サービス | 年齢などの条件・注意点 |
|---|---|---|
| SBI新生銀行 | 一般団信/全疾病保障付団信(2026年3月〜) | 全疾病保障付団信は加入時20〜49歳・90日の待機期間あり |
| ドコモSMTBネット銀行 | 全疾病保障(基本付帯)+3大疾病50%保障 | 3大疾病50%保障は借入時50歳以下 |
| auじぶん銀行 | がん50%保障団信(4疾病50%・全疾病長期入院保障つき) | 借入時50歳以下 |
| 楽天銀行 | がん保障特約(50%)・全疾病特約付き団信 | がん保障は満20〜50歳。51歳以上は全疾病特約のみ |
| イオン銀行 | イオンセレクトクラブ(イオングループで毎日5%割引) | 専用カードのクレジット払いが条件・対象外店舗あり |
年齢と暮らし方で「効くおまけ」は変わる
表を見ると分かるとおり、無料の疾病保障の多くは「50歳以下」「49歳まで」といった年齢で線が引かれています。50代で借りる人は、同じ銀行でも受けられる保障が変わるため、自分の年齢で付く内容を必ず確認してください。
一方、買い物割引は年齢に関係なく使えますが、効き目は生活圏しだいです。保障の中身をさらに詳しく比べたい人は住宅ローンの疾病保障の比較、預金口座の使い勝手まで含めて比べたい人は住宅ローンで選ぶ銀行のATM手数料の比較も参考になります。
よくある質問
Q. 付帯サービスが充実していれば、金利が多少高くても得ですか?
A. 一概には言えません。金利差は借入額が大きいほど総返済額に大きく効くため、まず金利・総返済額・諸費用で候補を絞り、そのうえで付帯サービスを比べるのが基本です。
Q. 51歳以上で借りると、無料の疾病保障は付きませんか?
A. 銀行によって違います。ドコモSMTBネット銀行の全疾病保障のように年齢を問わず基本付帯のものもあれば、がん保障は50歳以下に限る銀行もあります。自分の借入時年齢で付く内容を確認しましょう。
Q. 借り換えでも付帯サービスは受けられますか?
A. 多くは借り換えも対象ですが、団信は借り換え時点の年齢と健康状態で改めて審査されます。今の団信より保障が薄くならないか、諸費用を差し引いても得かを合わせて確認しましょう。住宅ローン借り換えの比較もあわせてどうぞ。
Q. 疾病保障が無料なら、民間の医療保険は不要ですか?
A. 住宅ローンの疾病保障は、所定の状態でローンの返済が保障されるもので、入院費や治療費そのものを補うわけではありません。支払条件を確認し、必要に応じて医療保険と組み合わせて考えましょう。
金利以外のおまけは、年齢と暮らし方によって価値が大きく変わります。金利と総返済額で土台を固めたうえで、自分の条件で「実際に受けられる」付帯サービスを選ぶことが、後悔しない住宅ローン選びにつながります。保障内容や特典の条件は変わることがあるため、最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
