日本最大手銀行である三菱UFJ銀行が、国債の入札時に有利な条件で参加できる資格の返上を検討していることを公表しました。これは、「国債市場特別参加者」と呼ばれている資格で、国債発行予定金額の4%以上を応札しなければならないなどの条件がある一方、財務省との意見交換の機会を持つことができたり、通常よりも有利な条件で国債の買い入れを行う事ができる資格です。

 

今回の三菱UFJ銀行の発表は、まさに日銀のマイナス金利政策の影響と言えます。2016年1月29日のマイナス金利政策の発表以降、国債の利回りは低下を続け、マイナス圏で安定推移している状況です。そんな中でも4%以上の応札が義務付けられており、それが収益面を圧迫し続ける懸念があるため、その資格の返上の検討に入ったということになります。

 

確かに、三菱UFJ銀行としては、国債の利回りがマイナスまで低下しており、国債を保有し続けるメリットが薄れているのは事実でしょう。一方、銀行の銀行である日銀の当座預金の金利がマイナスである以上、三菱UFJ銀行銀行にとって大量のお金の行き先が無いのも事実です。この報道だけでも、中央銀行である日銀と、その日銀のマイナス金利政策に反対の意を示している民間銀行団の代表格である三菱UFJ銀行の確執がわかります。

 

なお、三菱UFJ銀行が返上を検討しはじめたこの資格は、異次元金融緩和で大量に発行し続けている日本国債を市場を安定化させるために、三菱UFJ銀行以外にも、大手金融機関(銀行・証券会社)に与えられています。今回の三菱UFJ銀行の動きが他の金融機関にも拡大した場合、国債市場が混乱することも予想されます。まずは他の金融機関にもその動きが広まるのか金融業化の動向にも注目したいところです。(2016年は162兆円の国債を発行する計画で国債購入の買い手の中心は三菱UFJ銀行を中心としたこの「国債市場特別参加者」です。)

 

仮に三菱UFJ銀行がこの資格を返上した場合、正常金利に戻り三菱UFJ銀行が再び資格の取得を希望したとしても、政府・日銀の政策に反旗を翻す形で返上した三菱UFJ銀行に素直に再度付与するか否かはわかりません。まさに、マイナス金利政策の先までを見越した交渉・折衝が行われていると言えるでしょう。


さて、本題です。本件が住宅ローン金利に与える影響ですが、現在のところはまだ検討段階でもありその影響は不透明です。ただし、仮に本当に三菱UFJ銀行がこの資格を返上し、他の金融機関も追随したばあ、国債市場が混乱することで一時的に金利が上昇するなど、これまでになかった動きをみせる可能性は否定できません。しかしながら、その一方で、日銀がマイナス金利政策を維持・強化していく戦略である限り、住宅ローン金利の継続的な上昇や、急激な上昇につながる可能性は依然として低いままです。

 

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