住宅ローンの借り換えを検討するイメージイラスト

住宅ローンの借り換えは、かつての「超低金利のうちに金利差で得をする」だけの話ではなくなりました。2026年は日銀の政策金利が1.0%程度(2026年6月16日決定)まで上がり、住宅ローンは上昇局面にあります。それでも借り換えの検討価値は残っています。「金利差で総返済額を減らす」借り換えに加えて、「変動から固定へ移して返済額を確定させる」借り換えという目的が増えたためです。

この記事では、借り換えの審査条件を、判断に必要な観点ごとに整理します。数値は各行の公式資料で確認したもののみを掲載しています。

まず、借り換えのメリットが出るかを確認する

一般的に、借り換えでメリットが出やすいのは次の3つを満たすケースだと言われます。

  • 現在のローンとの金利差が1%以上
  • ローン残高が1,000万円以上
  • 残りの返済期間が10年以上

あくまで目安です。借り換えには事務手数料・登記費用・印紙税などの諸費用がかかるため、「金利差による利息の減少額」から「諸費用」を差し引いた総額で判断する必要があります。実際の削減額は、各行の借換シミュレーションで自分の残高・残期間を入力して確認してください(例:イオン銀行 住宅ローンのお借換え)。

なお、2026年7月時点で借り換え先の変動金利は、当社が各行公式サイトで確認した範囲でも年1%前後の水準です(後述)。いま2%台で借りている人や、返済額を確定させたい人は検討の余地があります。一方、すでに低い金利で借りている人は、諸費用を回収できないことが多く、無理に動く必要はありません。

借り換え審査で見られる主な条件

借り換えは「新しい銀行で住宅ローンを組み直す」手続きです。したがって新規借入とほぼ同じ審査を受けます。チェックされる観点を整理します。

審査の観点見るポイント備考
年齢申込時・借入時の年齢と、完済時の年齢(上限は銀行により満80歳未満・満85歳未満など)完済時年齢の上限から逆算して借入期間が制限される場合がある
年収前年度の年収(自営業は申告所得)。下限は銀行によって差が大きいソニー銀行は400万円以上、イオン銀行は100万円以上(いずれも公式資料)
勤続年数・事業年数給与所得者の勤続年数、自営業者の事業継続年数「1年以上」を求める銀行もあれば、6カ月以上・明示なしの銀行もある
団体信用生命保険団信に加入できる健康状態か持病がある場合はワイド団信(金利上乗せ)の対象になることがある
現在のローンの返済実績延滞なく返済できているか「一定期間以上の正常返済」を条件にする銀行もある。基準は各行で確認
担保評価物件の評価額がローン残高を上回っているか(担保割れの有無)担保割れ分は実質的に無担保融資となるため、審査が慎重になりやすい
他の借入カードローン・自動車ローン・奨学金など、他の債務の返済負担返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)で判定される

担保割れの前提は、2014年当時と変わっている

かつては「デフレで不動産価格が下がり、残高が担保評価を上回る(担保割れ)」ことが借り換えの壁として語られていました。しかし現在の前提は逆です。国土交通省の不動産価格指数では、マンション価格は2013年以降おおむね上昇基調が続いています(出典:国土交通省「不動産価格指数」)。購入時期によっては、担保評価がむしろ残高を上回っているケースも珍しくありません。

もっとも、担保評価は立地・築年数・物件種別で大きく変わります。価格が上がっている=必ず担保評価が足りる、とは限りません。頭金が少なく、購入からの経過年数が短い場合は、事前審査で確認するのが確実です。

銀行別の申込条件(公式資料で確認)

審査条件は銀行ごとに違います。当サイトで紹介している2行を例に、公式資料に明記されている条件を並べます(2026年7月時点)。

比較の観点ソニー銀行イオン銀行
年齢申込時 満20歳以上/借入時 満65歳未満/完済時 満85歳未満(ワイド団信は満81歳未満)年齢条件あり(疾病保障付を選ぶ場合は借入時 満50歳未満)。詳細は商品概要説明書で確認
年収前年度の年収(自営業は申告所得)が400万円以上給与所得者・会社経営者は前年度年収100万円以上
勤続・事業年数明示の条件は掲載なし給与所得者は6カ月以上勤務/会社経営者・個人事業主は事業開始後3年経過
事務手数料(税込)変動セレクト・固定セレクト=借入金額の2.20%/住宅ローン=44,000円定額型=110,000円/定率型=借入金額の2.20%(最低220,000円)
借換の変動金利(当社確認)1.347%(2026年7月1日確認)1.130%(2026年7月1日確認)

出典:ソニー銀行「住宅ローン商品詳細説明書」イオン銀行「住宅ローン 商品概要説明書」(2026年6月1日現在)/金利は当社編集部が各行公式の金利ページで2026年7月1日に確認(ソニー銀行イオン銀行)。金利・条件は随時変わるため、最新情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

同じ「借り換え可能な住宅ローン」でも、年収の下限は100万円以上と400万円以上で4倍の開きがあり、勤続年数の扱いも違います。「審査条件が厳しい/甘い」ではなく、自分の属性が引っかかる項目はどこかを1行ずつ潰していくのが、借り換え審査の正しい進め方です。

諸費用は「借入に含められる」ことが多い

借り換えでは、新しい銀行への事務手数料、抵当権の設定・抹消にかかる登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、印紙税、現在の銀行への繰上返済手数料などがかかります。手元資金が足りない場合、これらの諸費用をローン残高に上乗せして借り入れられる銀行もあります(上限や取扱いは銀行により異なります)。

ただし、諸費用を借入に含めれば、その分だけ利息の対象となる元金が増えます。「毎月の返済額が下がるか」ではなく「諸費用を含めた総支払額が下がるか」で判断してください。

金利タイプの選び直しも、借り換えの目的になる

住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査)では、住宅ローン利用者の変動型比率は75.0%、固定期間選択型14.9%、全期間固定型10.1%でした(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査」)。前回調査の79.0%からは低下しており、金利上昇を受けて固定へ動く人が出始めていることがうかがえます。

参考として、全期間固定の代表である【フラット35】の2026年7月の借入金利は年3.140%(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き。前月比−0.07%)です(出典:住宅金融支援機構【フラット35】金利情報)。変動との金利差は依然大きく、「固定にすれば安心」と単純化せず、当初の返済額の重さも含めて比較する必要があります。

返済額を確定させたいが固定の負担は避けたい、という場合は、変動と固定を組み合わせるミックスも選択肢です。借り換え先の候補としては、SBI新生銀行のように保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の上乗せ0円と諸費用まわりが分かりやすい銀行もあります(変動金利は2026年7月1日時点の当社確認で年0.990%=SBIハイパー預金適用時。SBI新生銀行 公式)。店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、借り換えのように書類の多い手続きでは実務的なメリットになります。

よくある質問

Q. 金利が上がっている今、借り換える意味はありますか?

目的によります。2%台など高めの金利で借りている人は、いまの水準へ借り換えるだけで利息負担が下がる可能性があります。また変動で借りていて今後の上昇が不安な人は、固定へ移して返済額を確定させる目的の借り換えが選択肢になります。逆に、すでに低い変動金利で借りている人は、諸費用を回収できず不利になることが多いです。

Q. 「現在のローンを3年以上返済していること」は必須ですか?

すべての銀行に共通する条件ではありません。返済実績を条件にする銀行もあれば、明示していない銀行もあります。共通しているのは「延滞していないこと」です。返済実績の要否は、申し込む銀行の商品概要説明書で個別にご確認ください。

Q. 担保割れしていると、借り換えはできませんか?

できないとは限りません。担保評価を上回る部分は実質的に無担保での融資になるため審査は慎重になりますが、自己資金で差額を埋める、返済実績・収入で補うなどで通るケースもあります。「無理そうだから諦める」ではなく、まず事前審査で確認するのが現実的です。

Q. 借り換えで返済期間を延ばせますか?

銀行の完済時年齢の上限(満80歳未満・満85歳未満など)と、残りの返済期間の範囲内であれば延長できる場合があります。ただし期間を延ばせば毎月の返済額は下がる一方、総支払額は増えます。家計の立て直しが目的なら有効ですが、利息を減らす目的とは方向が逆になる点に注意してください。

Q. 複数の銀行に同時に申し込んでもよいですか?

事前審査(仮審査)は複数行へ同時に申し込むことができます。審査結果の適用金利や上乗せ幅は銀行ごとに違うため、2〜3行を並行して確認し、条件を見比べてから本審査に進むのが合理的です。なお、SBI新生銀行のように原則として事前審査を設けず本審査のみで完結する銀行もあり、必要書類をそろえるタイミングが異なります。

まとめ

借り換えの審査条件は、年齢・年収・勤続年数・団信・返済実績・担保評価・他の借入の7点に整理できます。銀行によって基準は大きく異なり、年収の下限だけでも100万円以上から400万円以上まで開きがあります。

「200万円得する」といった見出しの数字ではなく、自分の残高・残期間・金利で計算した削減額から、諸費用を差し引いた実額で判断してください。そのうえで、条件に合いそうな銀行を2〜3行選び、事前審査で実際の適用金利を確認するのが、遠回りに見えていちばん確実です。金利・審査条件は随時改定されるため、最新の情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

<当サイトおすすめの借り換えに強い住宅ローン公式サイト>

ソニー銀行公式サイト

イオン銀行公式サイト