田園地帯の住宅地と地域の協同組合をイメージしたイラスト

JAバンク(JA=農業協同組合)でも住宅ローンを借りられます。農家でなくても利用でき、金利や条件は地域の各JAが決めています。銀行と比べる前に、自分の地域のJAで申し込めるか、どんな保証と団信が付くかを押さえておく必要があります。

JAバンクとは:JA・信連・農林中金で構成するグループ

JAバンクは、全国に店舗網を展開しているJAバンク会員(JA・信連・農林中金)で構成するグループの名称です。1つの銀行ではなく、次の3層で成り立っています。

組織位置づけ役割
JA(農業協同組合)地域の組合相互扶助の精神のもと、指導事業・経済事業・共済事業・信用事業(貯金・ローン・為替)を総合的に行う
信連都道府県段階の連合会JAの事業運営をサポートし、地域金融機関としてJAと連携して金融サービスを提供
農林中央金庫全国段階JA・JF(漁協)・森林組合等の出資による協同組織の全国金融機関

JAは、農業経営の改善や農産物の集荷・販売といった事業とあわせて、貯金・ローンなどの金融サービス(信用事業)も提供しています。JAで住宅ローンを利用できるのはこのためです。

JAの住宅ローンは「全国一律の商品」ではない

JA住宅ローンは各JAが地域ごとに商品性・金利・条件を設定しており、全国共通の1つの商品ではありません。この点が銀行と大きく違います。同じ「JA住宅ローン」という名前でも、住んでいる地域のJAによって金利も諸費用も変わります。

JAバンクの全国サイトも、金利などの融資条件は各JAで異なるとして金利を載せていません。自分に適用される条件は、最寄りのJAの公式サイトか窓口で確かめる必要があります。

参考として、東京都のJA西東京は、自組合のローン案内ページに住宅ローンの金利一覧や商品概要説明書を載せています。

JAバンクが示す融資条件の例(借入時18歳以上66歳未満など)

JAバンクの全国サイトには、住宅ローンの融資条件の例が載っています。実際の条件は各JAで異なる場合があります。

項目融資条件の例
使いみち住宅の新築・購入、宅地の購入、住宅の増改築、他金融機関からの借換
年齢借入時18歳以上66歳未満、最終償還時80歳未満
年収・勤続年数前年度税込年収200万円以上、勤続年数3年以上
融資金額10万円以上20,000万円以内
融資期間新築は3年以上50年以内、新築以外は3年以上40年以内
保証各JA所定の保証機関の保証を受ける
金利タイプ固定変動選択型・変動金利型・固定金利型から選ぶ

融資期間の上限は、新築なら50年以内です。いずれも例であり、利用できるのは各JA所定の資格・要件を満たす人に限られます。

農業をしていなくても利用できる?組合員・准組合員の考え方

JAバンクは、農家以外の人でも利用できます(法令等により一定の制限があります)。所定の出資金を払い込んで准組合員になることも可能です。

出資金の額や准組合員になる手続きはJAごとに異なります。申込みの前に「自分は利用対象か」「出資金はいくらか」を最寄りのJAに確かめてください。

農林水産省の案内によると、組合員になる資格は各農協の定款で定められ、組合員以外の利用は一定の範囲に限られます(農林水産省「農協、農事組合法人についてよくある質問」)。組合員の資格や利用の範囲を知らずに他行と金利だけ比べても、実際には申し込めないことがあります。

保証と団信の扱い(銀行とは呼び名が違う)

JAの住宅ローンでは、各JA所定の保証機関の保証を受けます。たとえばJA西東京の住宅ローンは、東京都農業信用基金協会・協同住宅ローン株式会社・全国保証株式会社の保証ごとに商品概要説明書が分かれています。

銀行の団体信用生命保険(団信)に相当するものは、JAでは団体信用生命共済と呼びます。保証料の有無と金額も、諸費用の総額を左右する項目です。

JA住宅ローンの団信(9大疾病団信・三大疾病団信など)

JAバンクの全国サイトでは、JA住宅ローンの団信として次のものを案内しています。

団信死亡・後遺障害または高度障害がん(診断確定)急性心筋梗塞・脳卒中(所定の状態が60日以上継続)高血圧症・糖尿病など6疾病(所定の状態が365日以上継続)加入タイプ
9大疾病団信〇〇〇〇単生タイプのみ
三大疾病団信〇〇〇―単生タイプか連生タイプ
がん団信〇〇――単生タイプか連生タイプ
一般団信〇―――単生タイプか連生タイプ
ワイド団信〇―――単生タイプのみ

6疾病は高血圧症・糖尿病・慢性膵炎・肝硬変・慢性腎不全・ウイルス肝炎です。JAによっては一部の団信を取り扱っていない場合があります。選んだ団信によっては金利が上乗せされ、上乗せ幅もJAによって異なります。

JA住宅ローンを検討するときのチェックポイント

観点内容
金利変動・固定期間選択・全期間固定の取扱いと、優遇後の適用金利。地域のJAごとに異なる
諸費用保証料の方式(前払い/金利上乗せ)と金額、事務手数料、繰上返済手数料
保障団体信用生命共済の種類、疾病保障を付けられるか、上乗せ金利の有無
利用資格組合員・准組合員の要件、出資金の額、年齢・勤続年数などの条件
手続き申込み・審査の進め方、来店の要否、ネットでできる手続きの範囲

繰上返済の方法もJAで違います。JA西東京では、JAネットバンクからスマホやパソコンで住宅ローンの一部繰上返済ができ、手数料は無料、1回あたりの下限額は1円です。

JAバンクはローン相談会やオンライン面談を案内しており、相談しながら進めやすい点が特徴です。一方で、金利や手数料は全国一律ではないため、各JAの条件を自分で集めて比べる手間がかかります。

まとめ

JAバンクはJA・信連・農林中央金庫で構成するグループで、住宅ローンも取り扱っています。商品は地域のJAごとに異なるため、自分の地域のJAの条件を集めてから比べる必要があります。

表面の金利だけでなく、保証料・事務手数料・団信の上乗せ金利まで含めた総額で比べてください。比べ方は住宅ローンの実質金利と表面金利の違いの記事で紹介しています。変動金利を選ぶ場合は変動金利の仕組みの記事も参考になります。

銀行の住宅ローンも対面で相談しながら比べたい人は、銀行代理業者のSBIマネープラザも利用できます。店舗とオンラインで相談できます。

掲載内容は記載時点のものです。最新の金利・条件は各JAの発表をご覧ください。