
auじぶん銀行で住宅ローンを借りる場合、火災保険は本審査のあとに案内され、スマートフォンやパソコンから「らくっとネット手続き」で申し込めます。保険料はauじぶん銀行の口座から引き落とされ、住宅ローンと同じくオンラインで完結させやすいのが特徴です(2026年9月時点)。
ただし、案内された保険に入るかどうかは自由で、補償の選び方しだいで保険料は大きく変わります。後半では、2022年10月の「保険期間は最長5年」、2024年10月の「水災の保険料は地域で5段階」という2つの大きな変更を踏まえて、住宅ローン利用者が押さえたい火災保険の基本を整理します。
auじぶん銀行の火災保険はスマホで申し込める共同保険
auじぶん銀行が住宅ローン契約者向けに案内する火災保険の要点は、次のとおりです(auじぶん銀行公式・2026年9月時点)。
- あいおいニッセイ同和損害保険(引受幹事・分担67%)と東京海上日動火災保険(同33%)による共同保険で、商品は「タフ・すまいの保険」。
- 対象は同行の住宅ローン契約者で、住宅ローンの本審査後に案内される。提案・見積もり・契約手続きは取扱代理店が担当する。
- 申し込みは郵送の申込書か、スマートフォン・パソコンで手続きできる「らくっとネット手続き」のどちらか。
- 保険料はauじぶん銀行の口座から引き落としができる。
- 地震保険はセットでの加入がすすめられている(地震保険だけの単独加入はできない)。
申込書の記入や郵送のやり取りを省けるため、火災保険まで含めて来店せずに進めたい共働き世帯や、遠方の物件を購入する人には実務上のメリットがあります。
銀行が案内する保険に入るかは自由
auじぶん銀行は、案内する火災保険に加入するかどうかが預金・融資などほかの取引に影響しないことを明記しています。つまり、補償内容や保険料に納得できなければ、自分で選んだ火災保険を契約する選択も取れます。保険商品は預金保険制度の対象外である点も、あわせて押さえておきましょう。
団信は「保障割合」と年齢条件まで確認する
auじぶん銀行は団信の設計にも特徴があります。上乗せ金利なしで付けられるのは、がんと診断されたときに住宅ローン残高の50%が保障される「がん50%保障団信」で、残高が0円になる「がん100%保障団信」は年0.050%、「がん100%保障団信プレミアム」は年0.150%の上乗せです。
がん団信は50歳のうちに借入れる人が対象で、50歳以下が一般団信(特約なし)を選ぶと「一般団信限定金利」が適用される仕組みもあります。詳しい比較はイオン銀行とauじぶん銀行のがん団信の比較で解説しています。
住宅ローンと火災保険の関係
住宅ローンを借りる際、火災保険への加入は事実上の必須条件とされるのが一般的です。担保となる建物が焼失・損壊すると、金融機関にとっても返済の裏付けが失われるためです。押さえておきたいのは次の3点です。
- 保険会社を金融機関が指定するとは限らない…必要な補償条件を満たしていれば、自分で選んだ火災保険でも構わないケースが一般的です。条件は契約先に必ず確認しましょう。
- 質権設定の有無を確認する…金融機関が保険金を優先して受け取れるようにする「質権設定」を求められる場合があります。設定されていると、保険の見直しや解約に金融機関の同意が必要になります。
- 地震保険は火災保険とは別…地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償されません。備えるには火災保険に付帯する形で地震保険を契約する必要があります。
火災保険の保険期間は2022年10月から最長5年
損害保険料率算出機構が参考純率を適用できる期間を最長10年から5年へ短縮したことを受け、各社の火災保険は2022年10月以降に始まる契約から最長5年になりました。住宅ローン利用者にとっては、次の意味があります。
- 長期一括契約による割引効果が小さくなった…以前は10年一括で大きく割り引けましたが、現在は最長5年です。
- 更新のたびに料率改定の影響を受ける…自然災害による保険金支払いの増加を背景に改定が続いており、更新時に保険料が上がる可能性があります。
- 返済期間中に何度も更新が来る…5年契約を続けると、35年ローンなら当初の契約に加えて6回の更新が発生します。更新のたびに補償を見直せると前向きに捉えるのが実用的です。
なお、すでに結んでいる長期契約の期間が途中で短縮されることはありません。
2024年10月から水災の保険料は地域で5段階に
もうひとつ大きな変更が水災補償の保険料です。損害保険料率算出機構は2023年6月、住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げ、水災に関する料率を市区町村ごとのリスクに応じて5区分に細分化しました(損害保険料率算出機構「火災保険参考純率」)。これを受けて、多くの損害保険会社が2024年10月に火災保険料を改定しています。
全国一律だった水災の保険料が、住む地域の水災リスクによって安くも高くもなるようになったということです。13.0%はあくまで全条件の平均で、所在地・建物の構造・築年数によって改定率は異なります。区分の単位や数は保険会社ごとに違う場合もあるため、見積もりの段階で「自宅はどの区分か」を確認しておきましょう。
銀行経由で申し込むか、自分で選ぶか
| 比較の観点 | 銀行経由で申し込む | 自分で選んで契約する |
|---|---|---|
| 手続きの手間 | 住宅ローンと同じ流れで進めやすい(auじぶん銀行はネット手続きに対応) | 見積もり取得・比較の時間が別途必要 |
| 保険料 | 案内された商品の条件で決まる | 複数社を比べて抑えられる可能性がある |
| 水災の保険料区分 | 案内された保険会社の区分で決まる | 区分の決め方(市区町村単位など)が違う会社も比べられる |
| 補償の調整 | 用意されたプランの範囲で選ぶ | 水災・破損汚損の要否まで細かく調整しやすい |
| 引渡日への間に合わせやすさ | スケジュールが住宅ローンの手続きと連動しやすい | 引渡日から逆算して自分で手配する必要がある |
| 向いている人 | 手続きの負担を減らしたい人 | 保険料と補償を納得いくまで比較したい人 |
どちらが正解ということはありません。引渡日までの残り時間と、比較にかけられる手間で選ぶのが現実的です。
補償範囲で判断が分かれるのは水災と破損・汚損
火災保険は「火事のための保険」と思われがちですが、実際には風災・雪災・落雷・水濡れ・盗難など幅広い事故が対象です。保険料に大きく影響し、判断が分かれやすいのは次の2つです。
- 水災…水災の保険料が地域で5段階になり、リスクの低い地域では負担が軽くなる場合もあります。外すかどうかは、自治体のハザードマップで浸水や土砂災害の想定を確認したうえで決めましょう。
- 破損・汚損など…日常の不注意による損害をカバーします。小さな子どもやペットがいる世帯では実用性が高い一方、免責金額の設定しだいで使い勝手が変わります。
自然災害への備え方は、台風、竜巻、突風、水害など自然災害への備え|保険でマイホームを守ろうもあわせてご覧ください。
地震保険は火災保険の30〜50%で設定する
地震保険は国と損害保険会社が共同で運営する制度で、火災保険とセットでのみ契約でき、保険金額は火災保険の30〜50%の範囲、上限は建物5,000万円・家財1,000万円です(財務省「地震保険制度の概要」)。火災保険金額の最大50%までしか設定できないため、地震保険だけで住宅ローンの残債すべてをまかなえるとは限りません。
損害保険料率算出機構によると、2025年度に契約された火災保険(住宅物件)のうち70.8%が地震保険を付帯しており、2003年度以降23年連続で上昇しています(損害保険料率算出機構「グラフで見る!地震保険統計速報」)。残債が大きい借入初期ほど、加入の意義を検討する価値があります。
住宅ローンの火災保険でよくある質問
Q. 火災保険はいつまでに契約すればよいですか?
A. 一般に物件の引渡日(融資実行日)を保険の始期とするため、そこから逆算して手配します。auじぶん銀行では本審査後に案内が届くので、ネット手続きを使う場合も書類確認の時間を見込んで早めに動くのが安全です。
Q. auじぶん銀行で借りても、他社の火災保険を選べますか?
A. 選べます。auじぶん銀行は、案内する火災保険に加入するかどうかが預金・融資などほかの取引に影響しないと明記しています。自分で選ぶ場合は、融資の条件として求められる補償内容を事前に確認しておきましょう。
Q. 保険期間は5年一括と1年更新のどちらが得ですか?
A. 一括払いのほうが割引は効きますが、まとまった支出が必要です。料率改定が続く局面では、長期契約のほうが改定前の料率を契約期間中は維持できる面もあります。手元資金と見直しの手間を比べて選びましょう。
Q. 借り換えをしたら火災保険はどうなりますか?
A. 火災保険の契約自体は継続できますが、質権が設定されている場合は金融機関の変更手続きが必要です。借り換えの見積もりを取る段階で、火災保険の扱いも確認しておくと手戻りがありません。
まとめ
auじぶん銀行の住宅ローンでは、本審査後に案内される火災保険をスマホ・パソコンで申し込め、保険料も口座から引き落とせるため、手続きの負担を減らしたい人に向いています。一方で、案内された保険に入るかは自由で、自分で比べて選ぶこともできます。
火災保険は2022年10月から最長5年になり、2024年10月からは水災の保険料が地域で5段階に分かれました。返済中に何度も訪れる更新のたびに、補償と保険料を見直す前提で考えることが大切です。補償内容・保険料・取扱条件は改定されることがあるため、最新の内容は各金融機関・保険会社の公式サイトでご確認ください。
auじぶん銀行の住宅ローン全体の特徴は、auじぶん銀行の住宅ローンの金利優遇割・がん団信・諸費用のまとめで確認できます。
