住宅ローンの審査書類と申込条件を確認するイメージ

住宅ローンの審査で9割を超える金融機関が見ているのは、完済時年齢・借入時年齢・健康状態・年収・勤続年数・担保評価・返済負担率の7項目です。国土交通省が全国の金融機関に毎年たずねている調査で、この顔ぶれは長年ほとんど変わっていません。

金融機関は審査の中身や落ちた理由を原則として公表しません。だからこそ、公的調査で「どこを見られるか」を押さえ、各行が公表している申込条件と照らし合わせることが、否決を避ける近道になります。以下、最新の令和7年度調査(令和8年3月公表)をもとに整理します。

9割以上の金融機関が見ている審査項目=7つ

国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」では、次の7項目について引き続き9割以上の機関が「融資を行う際の審査項目としている」と回答しています。

審査項目としている金融機関の割合を示す横棒グラフ
7項目はいずれも9割超の金融機関が審査項目としている
審査項目審査項目としている機関の割合何を見られているか
完済時年齢98.4%返済が終わる年齢。借入時の年齢と希望返済期間から決まる
借入時年齢96.2%申し込み時点の年齢
健康状態96.1%団体信用生命保険(団信)に加入できるか
年収94.2%返済原資の大きさ
勤続年数93.9%収入の安定性・継続性
担保評価91.0%対象物件にどれだけの担保価値があるか
返済負担率90.9%年収に占める年間返済額の割合(他の借入も含む)

※出典:国土交通省 住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年3月)

9割を超える項目はほぼすべての金融機関が必ず見る項目です。年収より先に「年齢」と「健康状態」が並んでいる点にも注目してください。審査に通らなかった場合、原因はこの7項目のどれかにある可能性が高いといえます。

項目ごとに見られるポイントと対策

完済時年齢・借入時年齢=上限は「完済時80歳前後」が多い

審査項目としている割合が最も高いのが完済時年齢です。多くの金融機関が完済時の上限を80歳前後に設けており、借入期間を長くとりたい人ほど申込時の年齢が制約になります。

たとえば完済時80歳未満が条件の銀行で50歳から借りると、借入期間は最長でも29年程度です。返済期間を長めに組みたい人は、年齢条件から比較すると効率的です。

健康状態=団信に入れるかどうかで決まる

民間の住宅ローンは団信への加入が融資条件になっているのが一般的で、健康状態はここに直結します。持病や通院歴があると一般団信に加入できず、結果として審査に通らないことがあります。

ただし、引受基準を緩和した「ワイド団信」を用意している金融機関もあります。たとえばソニー銀行のワイド団信は金利に年0.2%の上乗せで、完済時の年齢条件は満81歳未満です。ワイド団信にも審査があり、加入できない場合がある点には注意してください。

勤続年数・雇用形態=基準は銀行ごとにばらばら

勤続年数は93.9%の機関が審査項目としています。もっとも「何年以上必要か」は金融機関によって異なり、明確な年数を設けていない金融機関もあります。転職して間もないことだけを理由にあきらめる必要はありません。

雇用形態の扱いも分かれます。ソニー銀行は契約社員・派遣社員などは申込対象外としている一方、雇用形態を要件に掲げていない銀行もあります。「自分の働き方では無理」と決めつける前に、申込条件を1行ずつ確認するのが実務的な近道です。

年収・返済負担率=他のローンも合算される

年収は94.2%、返済負担率は90.9%の機関が審査項目としています。返済負担率は年収に占める年間返済額の割合で、自動車ローン・カードローン・奨学金・分割払いなども合算して判定されるのが一般的です。

年収の下限も銀行によって違います。下限を明示していない銀行もあれば、ソニー銀行のように前年度の年収400万円以上を条件とする銀行もあります。

担保評価=購入価格がそのまま借入可能額とは限らない

対象物件の担保価値も9割超の機関が審査します。借り換えでは、残高に対して物件評価が下回る「担保割れ」が問題になることがあります。新築でも評価額の算定によっては希望額の満額を借りられないケースがあります。

申込条件は銀行ごとに違う=公表されている3行の例

審査基準そのものは公表されませんが、申込条件(利用できる人の条件)は各行が公表しています。同じ住宅ローンでも条件がこれだけ違います(2026年10月時点で各行・銀行代理業者の公表内容を確認)。

金融機関年齢条件収入・勤続・雇用形態に関する条件
三菱UFJ銀行
(ずーっと一律優遇コース)
借入時18歳以上70歳の誕生日まで/完済時80歳の誕生日まで同一勤務先に満1年以上勤務し、同行で給与振込を利用中であること等
ソニー銀行
(住宅ローン)
申込時満20歳以上/借入時満65歳未満/完済時満85歳未満(ワイド団信は満81歳未満)前年度の年収(自営業は申告所得)が400万円以上。契約社員・派遣社員・パート等は対象外
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)
(対面相談コース)
借入時満18歳以上満65歳以下/完済時満80歳未満安定かつ継続した収入があること(年収・勤続年数の下限は明示なし)

年齢の上限も、年収の下限も、勤続年数や雇用形態の扱いも銀行によって違います。1行で否決されたからといって住宅ローン全体をあきらめるのは早計で、条件の異なる銀行では結果が変わる可能性があります。

ドコモSMTBネット銀行は「対面相談コース」が申込の中心に

ドコモSMTBネット銀行の住宅ローンは、WEB申込コースが2026年10月30日(金)17時で仮審査申込の受付を終了します(それまでに仮審査を申し込んだ人は手続きを継続可)。以降は、SBIマネープラザなど銀行代理業者が窓口となる対面相談コースで申し込むことになります。

対面相談コースは担当者に相談しながら書類をそろえられる反面、審査の結果によっては金利が最大年0.55%上乗せされることがあります(WEB申込コースは年0.1〜0.3%)。審査に不安がある人ほど、表示金利だけでなく上乗せの可能性も含めて比較しておきましょう。

審査に通らなかったときに確認したいこと

確認する観点具体的にすること
申込条件そのもの年齢・年収・勤続年数・雇用形態など、公表されている条件を満たしていたかを再確認する
借入希望額返済負担率が高すぎないか。頭金を増やす、借入額を下げるなど条件を見直す
他の借入自動車ローン・カードローン・分割払いなどを整理・完済してから再度申し込む
健康状態一般団信が難しい場合、ワイド団信を扱う金融機関を検討する
物件の評価担保評価が理由と考えられる場合、物件や借入条件の見直しが必要になることもある

なお、短期間に多数の金融機関へ申し込むことが有利に働くとは限りません。申込情報は個人信用情報機関に登録されるため、条件の合いそうな金融機関を絞って申し込むほうが現実的です。

借り換えを検討している人は、住宅ローン借り換えの審査条件(年齢・年収・勤続年数の銀行比較)もあわせて確認してください。平日に時間が取れない人は、土日・夜間に住宅ローン相談ができる金融機関の比較も参考になります。

よくある質問

Q. 事前審査(仮審査)に通れば、本審査も必ず通りますか?

A. 通るとは限りません。事前審査は申告内容をもとにした簡易な判定で、本審査では収入証明・物件資料・団信の告知内容などを踏まえて改めて判断されます。事前審査の通過後に否決されることもあります。

Q. 金融機関は審査に落ちた理由を教えてくれますか?

A. 原則として教えてもらえません。公表されている申込条件と、上で整理した7つの審査項目から原因を推定し、次の申し込みに向けて条件を整えることになります。

Q. 事前審査が用意されていない金融機関もありますか?

A. あります。SBI新生銀行は原則として事前審査を行わず、本審査のみで完結する取り扱いです。手続きが一度で済む一方、申込時点で必要書類を一式そろえる必要があります。他行と併願する場合は、他行側の事前審査を先に済ませておくと進めやすくなります。

Q. 団信の告知は正確に書かないといけませんか?

A. 必ず正確に告知してください。事実と異なる告知は告知義務違反となり、万一のときに保険金が支払われずローンだけが残るおそれがあります。健康状態に不安がある場合は、ワイド団信や団信加入が任意の商品も含めて検討するのが安全です。

Q. 審査の結果によって金利が変わることはありますか?

A. あります。銀行によっては審査結果に応じて表示金利に上乗せする仕組みがあり、ドコモSMTBネット銀行の対面相談コースでは最大年0.55%です。審査に通ったかどうかだけでなく、適用される金利も確認してから契約しましょう。

まとめ

国土交通省の令和7年度調査では、完済時年齢・借入時年齢・健康状態・年収・勤続年数・担保評価・返済負担率を9割以上の金融機関が審査項目としています。まずはこの7項目で自分の状況を点検し、そのうえで条件が自分に合う金融機関を探すのが、遠回りに見えて確実な進め方です。

金利や諸費用と同じく、申込条件も金融機関ごとに差があります。金利だけで1行に絞り込まず、年齢・収入・雇用形態・団信の条件まで含めて比較してください。

※申込条件・金利・商品内容は変更されることがあります。最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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ドコモSMTBネット銀行安定かつ継続した収入が条件。WEB申込コースは2026年10月30日17時で仮審査申込の受付終了、以降は対面相談コース
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