
【フラット35】Sは、省エネルギー性や耐震性などを備えた質の高い住宅を取得するときに、【フラット35】の借入金利を当初5年間引き下げる制度です。
引下げ幅は当初5年間で年0.250%〜0.750%です。2026年10月の【フラット35】の最頻金利は年3.830%なので、当初5年間は年3.080%〜3.580%になります。
【フラット35】Sの引下げ幅は当初5年間で年0.250%〜0.750%
メニューは3つで、住宅の性能レベルによって引下げ幅が変わります。どのメニューも引下げ期間は当初5年間です。
| 金利引下げメニュー | 金利引下げ期間 | 金利引下げ幅 |
|---|---|---|
| 【フラット35】S(ZEH) | 当初5年間 | 年▲0.750% |
| 【フラット35】S(金利Aプラン) | 当初5年間 | 年▲0.500% |
| 【フラット35】S(金利Bプラン) | 当初5年間 | 年▲0.250% |
※住宅金融支援機構の公表内容(2026年10月時点)。【フラット35】Sだけを適用した場合の引下げ内容です。
引下げ幅は各メニューの合計で決まり、上限は4ポイント
【フラット35】の金利引下げは、メニューごとのポイントを合計して決まります。1ポイントにつき、当初5年間の金利が年0.250%下がります。
S(ZEH)は3ポイント、金利Aプランは2ポイント、金利Bプランは1ポイントに当たります。メニューは次の4つのカテゴリーに分かれています。
| カテゴリー | 主なメニュー | 対象 |
|---|---|---|
| 家族構成 | 【フラット35】子育てプラス | 子育て世帯・若年夫婦世帯。こどもの人数等に応じて加算 |
| 住宅性能 | 【フラット35】S/中古プラス/リノベ | 質の高い住宅、一定の基準を満たす中古住宅、中古住宅の購入とリフォーム |
| 管理・修繕 | 【フラット35】維持保全型 | 長期優良住宅、管理計画認定マンションなど |
| 地域連携 | 【フラット35】地域連携型 | 地方公共団体による財政的支援とあわせて利用 |
子育てプラスを利用しない場合、合計の上限は4ポイントです。当初5年間で年1.000%の引下げが最大になります。
子育てプラスの対象は、借入申込年度の4月1日時点で18歳未満のこどもがいる世帯と、夫婦のいずれかが同日時点で40歳未満の世帯です。
子育てプラスは【フラット35】借換融資を利用する場合も対象です。借換えには使えないSとは扱いが違うので、メニューを組み合わせるときは注意してください。
2026年10月の最頻金利なら、4ポイント適用で当初5年間は年2.830%
2026年10月資金受取分の最頻金利(融資率9割以下・新機構団信付き)に、4ポイントで年1.000%の引下げを当てはめた金利です。
Sだけで適用されるのは最大3ポイント(S(ZEH))です。4ポイントにするには、ほかのメニューとの組み合わせが必要です。
| 借入期間 | 最頻金利 | 4ポイント適用時の当初5年間 | 6年目以降 |
|---|---|---|---|
| 21年以上35年以下(【フラット35】) | 年3.830% | 年2.830% | 年3.830% |
| 20年以下(【フラット20】) | 年3.510% | 年2.510% | 年3.510% |
| 36年以上50年以下(【フラット50】) | 年4.100% | 年3.100% | 年4.100% |
※住宅金融支援機構の公表値(2026年10月資金受取分)。最頻金利は、金融機関が提供する金利で最も多いものです。借入金利は各金融機関が決めています。
6年目以降は引下げ前の金利に戻ります。表の3つの期間とも、当初5年間との差は年1.000%です。
総返済額の差はS(ZEH)で約125万円(機構の試算例)
住宅金融支援機構は、借入額3,000万円(融資率9割以下)・借入期間35年・元利均等返済・ボーナス返済なし・借入金利年2.500%の条件で試算例を公表しています。

| 【フラット35】 | S(ZEH) | S(金利Aプラン) | S(金利Bプラン) | |
|---|---|---|---|---|
| 当初5年間の金利 | 年2.500% | 年1.750% | 年2.000% | 年2.250% |
| 6年目以降の金利 | 年2.500% | 年2.500% | 年2.500% | 年2.500% |
| 当初5年間の毎月返済額 | 107,248円 | 95,573円 | 99,378円 | 103,270円 |
| 6年目以降の毎月返済額 | 107,248円 | 105,706円 | 106,235円 | 106,749円 |
| 総返済額 | 45,044,199円 | 43,788,588円 | 44,207,234円 | 44,625,826円 |
| 【フラット35】との差 | — | ▲1,255,611円 | ▲836,965円 | ▲418,373円 |
※住宅金融支援機構の試算例。数値は概算で、融資手数料・物件検査手数料・火災保険料などは含みません。
6年目からは毎月の返済額が増えます。S(ZEH)の例では95,573円が105,706円になり、月10,133円の増加です。
当初5年間の返済額を前提に借入額を決めると、6年目からの家計の負担が重くなります。返済計画は6年目以降の返済額で立てると無理がありません。
【フラット35】Sの技術基準は4つ
対象は、次の4つの基準のいずれかを満たす住宅です。適合しているかは、第三者機関である検査機関などの設計検査・現場検査で確認します。
| 基準 | 内容 | 機構が挙げるメリット |
|---|---|---|
| 省エネルギー性 | 高い水準の断熱性などを実現した住宅 | 冷暖房費に差が出る |
| 耐震性 | 強い揺れに対して倒壊、崩壊などしない程度の性能を確保した住宅 | 地震保険も割引になる |
| バリアフリー性 | 高齢者の日常生活を行いやすくした住宅 | 老後の工事費も軽減 |
| 耐久性・可変性 | 長期優良住宅など、耐久性を有し、長期にわたり良好な状態で使用するための措置を講じた住宅 | 将来のメンテナンス費用も軽減 |
Sの基準を満たす住宅は、価格だけで比べると割高に見えることがあります。金利の引下げ額と住んでからの費用を合わせて比べると、差の大きさが分かります。
申し込む前に確認したい5つの制約
Sには使えない場面があります。予算枠と借換えの扱いは資金計画に直接かかわるので、物件探しの段階で確認しておくと、あとで資金計画を立て直さずに済みます。
| 制約 | 内容 |
|---|---|
| 予算金額がある | 予算金額に達する見込みとなった場合は受付が終了します。受付終了日は終了の約3週間前までに機構のサイトで告知されます |
| 借換えには使えない | 新築住宅の建設・購入と中古住宅の購入が対象で、【フラット35】借換融資には利用できません |
| リノベとの併用不可 | 【フラット35】リノベと【フラット35】Sは併用できません |
| レッドゾーンは対象外 | 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内等で新築住宅を建設・購入する場合は利用できません |
| 検査と手数料が必要 | 設計検査・現場検査を通じて基準への適合を確認します。物件検査手数料は借り手の負担です |
中古住宅の購入でもSは使えます。基準に合うかどうかは、売主や仲介会社に早めに問い合わせると確実です。
Sの引下げとは別に、借入先の金利も比べる
【フラット35】Sは、質の高い住宅なら当初5年間で年0.250%〜0.750%の引下げを受けられる制度です。ほかのメニューと組み合わせると、子育てプラスなしで最大年1.000%まで広がります。
同じ【フラット35】でも借入金利は金融機関ごとに決まります。Sの対象になるかを確かめたうえで申込先の金利を比べると、どこで借りると返済額が下がるかが分かります。
プランごとの引下げ条件と総返済額の差は、フラット35Sの引下げ条件と総返済額の解説でも紹介しています。最頻金利の動きは住宅ローン金利の推移を図で解説した記事で確認できます。
制度の内容と技術基準は住宅金融支援機構の【フラット35】Sのページ、毎月の最頻金利は【フラット35】の金利情報に掲載されています。
掲載内容は記載時点のものです。最新の金利・条件は住宅金融支援機構と各金融機関の発表をご覧ください。
