2017年6月に民間の金融機関と協業しフラット35を提供している国の機関である住宅金融支援機構がフラット35利用者調査の結果を発表しました。この調査は2016年4月1日から2017年3月31日までにフラット35を実際に借り入れた方を対象にした調査となっており、実際に住宅ローンを利用している方々の実態を知る上で貴重なものとなっています。今回はこの調査の中で年収倍率について見ていきたいと思います。

 

年収倍率とは?

年収倍率は住宅価格年収で割った倍率であり住宅価格が年始の何倍に相当するかを算出したものです年収倍率が低いほど住宅が購入しやすく、高いほど住宅が購入しにくいことを示しています。
ただし年収倍率には住宅ローンに関する要素がなく、住宅ローン利息額を加味した修正年収倍率という指標もあります

 

年収倍率の推移

 年収倍率は住宅の価格が年収に対し何倍であるかというものを指標化したものであり、不動産価格の上昇により倍率は上昇方向にあります。国は年収の5倍程度が住宅価格として望ましい水準であると発表していますが、足元では不動産価格の上昇によりこの水準を大きく上回っています。
今回の住宅近縁種支援機構の調査によると全国平均で建売住宅が6.5倍、新築マンションが6.8倍、中古戸建て5.1倍、中古マンションが5.4倍となっています。戸建て住宅は2年連続、新築マンションは6年連続、中古戸建て・中古マンションは3年連続で上昇となっています。地方都市を含む全国平均であるため大都市圏の年収倍率はさらに大きく伸びており一般的なサラリーマン家庭にはマイホームの購入がしづらい状況が続いていると言えるでしょう。

引用;国土交通省ホームページ

 

国土交通省が発表した住宅経済関連データによると首都圏新築マンションの年収倍率は5倍程度であった模様です。足元これが7倍程度まで高くなっており、住宅価格のみを見るとサラリーマン家庭に取りマイホーム購入が難しい状況になっていると言えそうです。

 

修正年収倍率で計算すると住宅価格は高くなっていない?

次に住宅ローン支払い金利を加味した修正年収倍率を見ていきたいと思います。長期固定型住宅ローンの筆頭であるフラット35は日銀のマイナス金利政策を受け大きく金利水準を切り下げています。下記のグラフのように5年前の2012年にはフラット35の金利は年3%程度でしたが、現状を年1%となっておりマイホームを購入し住宅ローンを組んだとした場合の住宅ローン支払い金利に大きな差が発生することとなります。今回は2012年に3,000万円のマイホームを購入した場合の完済までの総支払金額と現時点でマイホームを購入した場合の総支払金額を比較してみたいと思います。

引用;楽天銀行

 

  2012年 2017年
フラット35金利 3% 1%
借入金額  30,000,000円 30,000,000円
支払い総利息  18,632,056円  5,599,261
支払総額  48,632,056 円  35,599,261円

 

金利に2%の差が有ることで、支払い総額に1300万円もの差がある計算となります。仮に住宅価格が2012年より30%程度値上がりしていたとしても、支払い総額は4600万円程度となる計算であり、住宅ローン金利が住宅価格の上昇という負担増を吸収してくれることが分かります。

 

最後に

2017年7月31日に東京カンテイが2016年度のマンション年収倍率を発表しています。これによると首都圏の新築マンション年収倍率は10.68倍 、中古マンションの年収倍率は7.13倍となっており購入希望者にとって経済的な負担が大きい状況が続いています。
繰り返しになりますが住宅価格が上昇する一方で、長期固定型住宅ローンの金利が年1%程度と、この5年程度で約3分の1まで金利水準が低下していることで住宅ローン支払い金利が大幅に低下しておりこうした負担減少に繋がっている部分も加味し住宅購入に関するシュミレーションを是非行ってみてください。

 

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