横浜の杭偽装問題以降、芋づる式に発覚した各社マンションの施工問題。一連のニュースで消費者の不安感は助長され、新築マンション売れ行きが悪化しています。

マンションの売れ行きは、買い手側のマインドで大きく左右される傾向があり、今回の売れ行き悪化や消費税の駆け込み需要、そして反動減などは、それをよく示しています。

マンション購入を考えているなら、感情に任して様子見するのではなく、「どの売主の、どの物件が良いか?」情報を集め、検討していく必要があります。

 

住まいサーフィンが、会員1000サンプルに対して2016年1月に行った調査結果「マンション入居者満足度ランキング」をみてみましょう。

調査対象者は、2010年以降新築分譲マンションに入居し、今までにアフターサービスを受けた人に限定されています。アフターサービスには、引き渡し前の内覧会から居住後の売主とのコミュニケーションまでを含みます。 売主別の満足度ランキングは、

1位: 三井不動産レジデンシャル

2位: 野村不動産

3位: 住友不動産

4位: 東京建物

5位: 東急不動産

6位: 大和ハウス工業

7位: 三菱地所レジデンス

8位: 大京

9位: 伊藤忠都市開発

10位: 大成有楽不動産

 

と続きますが、上位2位の三井不動産レジデンシャルと野村不動産が他を引き離しています。

本調査直前に杭工事データ改ざんに関する報道がされたため、調査中では、売主や管理会社から居住者に杭問題に関する説明があったかどうかについても確認されいます。本問題のマンション販売元となった三井不動産レジデンシャルは、他マンション居住者へも説明は全員に納得できるものではなかった(「説明に納得」は7位で78.3%)が、積極的に行っている(「説明認知率」1位で86.5%)ことがわかります。この他にも、大手売主は、比較的積極的に説明責任を果たしていると言えます。

ここ10年で、消費者はインターネットで情報を積極的に得るようになり、かつては分譲マンションデベロッパーは押し売りが得意な会社が供給の上位でしたが、消費者同士のコミュニケーションがそうした行為を抑止するようになってきています。事業者は、入居後のアフターフォローを含め一貫してサービスレベルを上げ、各社ブランドの信頼を高める努力をしているようです。

ただし、そうしたサービスへの高コストが、分譲マンション業界の大手寡占傾向を強めていることも事実。さらに、中堅以下の事業者は安全性の問題が発覚しても、公表できず、購入した入居者にしても、公表されて資産価値が落ちるのは避けたいため、問題が表にでない可能性もあります。