
住宅ローンを組むとき、「自分はいくらまで借りられるのか」「いくらまでなら無理なく返せるのか」を考えるうえで欠かせない指標が返済負担率(返済比率)です。フラット35を提供する住宅金融支援機構は、実際にフラット35を利用した方を対象にした「フラット35利用者調査」を毎年公表しており、最新は2024年度(2024年4月~2025年3月の利用者が対象・2025年7月25日公表)の集計結果です。実際の利用者の実態を知るうえで参考になります。
このコラムでは、その返済負担率の基本と、年収ごとの借入目安を整理します。
返済負担率とは?
返済負担率とは、年間の各種ローンの返済総額が年収に対してどの程度を占めているかを示す指標です。住宅ローンだけでなく、自動車ローン・教育ローン・カードローンなども合算して計算します(=総返済負担率)。フラット35の審査基準では、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下と定められています(2026年6月時点・住宅金融支援機構 公式)。
たとえば年収450万円の方なら、年間の総返済額が約157万円(35%)まで住宅ローンを組める計算になります。ただし、これは月々に直すと約13万円もの負担となり、税金や社会保険料が天引きされることを考えると、年収450万円で月13万円の返済を続けるのは現実的とはいえません。「審査で借りられる額」と「無理なく返せる額」は別物だと意識しておきましょう。
無理のない返済負担率の目安は?
年収から住民税・所得税・社会保険料などが天引きされることを考えると、審査上限の30~35%ではなく、手取り収入をベースに20〜25%程度に抑えるのが、無理のない返済の目安とされています。実際、フラット35利用者の多くも、審査上限まで目いっぱい借りるのではなく、余裕を持った返済負担率に収めている傾向があります。
なお、利用者調査の年収は世帯年収(収入合算を含む)で集計されている点にも注意が必要です。世帯主以外の方の収入が含まれているため、契約者本人の年収だけで計算すると、返済負担率はもう少し高めに出ることがあります。
年収ごとの借り入れ目安は?(金利で大きく変わる)
35年ローン・返済負担率20%・元利均等返済を前提に、年収ごとの借入目安を見てみましょう。ここで重要なのが、同じ年収・同じ返済負担率でも、適用金利が上がると借りられる額は小さくなるという点です。
2026年6月時点では、日銀の政策金利が1.0%程度まで引き上げられ、フラット35(買取型)の最頻金利も約3.21%と上昇しています。そこで、低めの金利1.0%(変動金利の目安)と、固定・フラット35の水準に近い金利3.0%前後の2パターンで比較しました。
| 年収 | 金利1.0%の借入目安 | 金利3.0%前後の借入目安 |
|---|---|---|
| 200万円 | 約1,200万円 | 約870万円 |
| 300万円 | 約1,800万円 | 約1,300万円 |
| 400万円 | 約2,400万円 | 約1,730万円 |
| 500万円 | 約3,000万円 | 約2,160万円 |
| 600万円 | 約3,600万円 | 約2,600万円 |
| 700万円 | 約4,200万円 | 約3,030万円 |
※返済負担率20%・返済期間35年・元利均等返済での概算です。諸費用や他の借入は考慮していません。実際の借入可能額・返済額は金利・返済期間・団信などで変わるため、必ず各金融機関のシミュレーションでご確認ください。
表のとおり、金利が1.0%から3.0%へ上がるだけで、借入目安はおよそ3割近く小さくなります。金利上昇局面では「借りられる額」も「総返済額」も大きく変わるため、最新の適用金利で試算し直すことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 返済負担率は年収のどの数字で計算しますか?
A. 一般に税込みの年収(額面)で計算します。ただし手取りは額面より2〜3割少なくなるため、無理のない返済計画を立てるなら、手取りベースでも20〜25%程度に収まるかを確認すると安心です。
Q. 住宅ローン以外の借入も影響しますか?
A. はい。自動車ローン・教育ローン・カードローン(キャッシングやリボ払いを含む)などの年間返済額も合算して審査されます。審査前にこれらを完済・整理しておくと、住宅ローンに回せる枠が広がります。
Q. 返済負担率の基準ギリギリまで借りても大丈夫?
A. 審査に通ることと無理なく返せることは別です。教育費の増加・金利上昇・収入減なども見込み、余裕を持った借入額に抑えるのが安全です。
最後に
住宅ローン審査で借りられる金額と、実際に無理なく返済できる金額には大きな差があります。返済可能な金額をしっかり計算し、購入希望物件との差は頭金で埋めるという考え方が基本です。とくに金利が上昇している局面では、最新の金利で総返済額まで試算しておきましょう。
また、借入先を選ぶ際は金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信などの諸費用も含めた総コストで比較するのがポイントです。たとえばSBI新生銀行は保証料0円・一部繰上返済手数料0円で諸費用が分かりやすく、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、はじめての方も検討しやすい選択肢の一つです(最新の金利・諸費用は公式サイトでご確認ください)。
同調査では、年収倍率についての発表も行っており、本サイトでは別途紹介記事を公開しています。
