住宅ローンの保証料と事務手数料を比較するイメージ

■ 住宅ローンの保証料とは?

当サイトでは、住宅ローンの金利を比較する際に「実質金利」という表現を使っています。これは、金融機関ごとに商品性が異なる住宅ローンを比較しやすくするための表現方法です。住宅ローンには表面上の金利以外にも必要になるお金があり、それらをできるだけシンプルに比較できるよう、金利に算入して考えるわけです。

その「住宅ローン利用時に必要となる費用」の代表格が住宅ローンの保証料です。このコラムでは、住宅ローンを選ぶときに無視できないこの保証料と、その計算方法・比較の仕方・返金(返還)のルールについて取り上げます。

「保証料」というぐらいですから、何かを保証してもらうために必要なお金、という印象を受けますね。まずはこの「保証の仕組み」を確認しましょう。住宅ローンの保証とは、借り入れを行う人(つまり私たち)が万が一返済できなくなったときに、私たちに代わって保証会社が銀行(金融機関)に住宅ローンを支払ってくれる制度です。

ここで勘違いしないようにしたいのが、保証会社が代わりに返済してくれたとしても、私たちが返済を免れるわけではないという点です。単に、返済しなければならない相手がこれまでの銀行(金融機関)から保証会社に変わるだけです。

繰り返します。住宅ローンの返済が滞ると、銀行には保証会社から残りの住宅ローンの残金が支払われます。一方で保証会社は支払った残金を私たちから回収しますので、それまで銀行に対して負っていた返済義務が、保証会社に移るだけなのです。

お金の貸し借りの話で登場する「保証人」という言葉を聞いたことはあると思います。保証人とは、お金を借りた人が返せなくなったら代わりに返済すると貸す側に保証する人のこと。保証会社は、この保証人の役割を企業として果たすものです。銀行としては、保証会社が保証人になってくれることで貸したお金の未回収リスクを抑えられ、安心して融資できる、というわけです。

■ 住宅ローンの保証料の計算方法と概算は?

保証料の計算方法は銀行によって少し異なりますが、メガバンクや地方銀行であれば大きな金額差はありません。審査結果によって水準が変わることもあります。また、保証料には「借り入れ時に一括で支払う一括前払い型」と「金利に上乗せして毎月支払う金利上乗せ型」の2つがあります。金額は借入額と借入期間によって異なり、概算は以下のとおりです(金利上乗せ型は年0.200%上乗せで計算)。

保証料の目安(期間:35年)
借り入れ金額一括前払い型金利上乗せ型(年0.200%上乗せ)
3,500万円72万円124万円
3,000万円61万円106万円
2,500万円51万円89万円
2,000万円42万円71万円

※上記は一般的な目安です。実際の金額は金融機関・審査結果によって異なります。

表を見て分かるとおり、金利上乗せ型の総額は一括前払い型のおよそ1.7倍になります。それでも金利上乗せ型が選ばれるのは、手元の現金を頭金や引っ越し費用に回せるからです。最後まで借り続ける前提なら一括前払い型のほうが総額は軽く、早期に売却・借り換えする可能性があるなら金利上乗せ型のほうが機動的——という整理で考えると判断しやすくなります。

■ 保証料型と融資手数料型、どちらを選べばいい?

近年は、保証料を別途支払う方式ではなく、借入金額×2.20%(税込)といった「定率型の融資手数料(事務手数料)」を支払う方式が主流になりつつあります。りそな銀行のように、保証料一括前払い型・保証料金利上乗せ型の新規受付を2025年1月31日で終了し、融資手数料型に一本化した銀行もあります。両者の違いを整理しておきましょう。

比較の観点保証料型(一括前払い)融資手数料型(定率)
初期費用の考え方借入額・期間に応じた保証料を保証会社へ支払う借入金額×2.20%(税込)などを銀行へ支払う
借入期間との関係期間が短いほど安くなる期間に関係なく借入額だけで決まる
繰上返済・借り換えをしたとき未経過期間分が「戻し保証料」として返ってくる(所定の手数料は差し引かれます)返戻はありません
向いている人短期間で返す予定の人、将来の借り換えも視野に入れている人長く借り続ける前提で、金利の低さを優先したい人

もっとも見落とされやすいのが「繰上返済・借り換えをしたときの扱い」です。保証料は残りの期間に応じて戻ってくるのに対し、定率型の融資手数料は、繰上返済しても1円も戻りません(りそな銀行も公式サイトで「繰上返済を行っても融資手数料の返戻はございません」と明記しています)。数年で借り換えるかもしれない人ほど、この差は効いてきます。

■ 住宅ローンの保証料を比較するには?

保証料がかかる一般的な銀行であれば、上の目安表から多少ずれる程度と考えてよいでしょう。一方、auじぶん銀行ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)ソニー銀行イオン銀行などのネット系銀行は保証会社を利用しないため、保証料がかかりません。また、フラット35は国の制度として保証の仕組みが整っているため、一律で保証料が不要です。

ただし注意したいのは、保証料がゼロでも諸費用がゼロになるわけではないという点です。これらのネット系銀行の多くは、保証料の代わりに借入金額×2.20%(税込)といった「定率型の事務手数料(融資手数料)」がかかるのが一般的です。

同じ銀行でも、選ぶ商品によって手数料の型が変わることがあります。たとえばソニー銀行は保証料も団体信用生命保険料も0円ですが、取扱手数料は「住宅ローン」が一律44,000円(税込)の定額型、「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」が借入金額×2.20%(税込)の定率型という2本立てです(2026年8月時点・公式サイトにて確認)。定額型は金利がやや高めで諸費用が軽く、定率型は金利が低い代わりに諸費用が重いという関係になっているため、借入額が小さい人ほど定額型が効いてくる、といった判断が可能になります。

保証料型と事務手数料型のどちらが有利かは借入額・期間で変わるため、金利だけでなく「保証料+事務手数料」を合わせた諸費用の総額で比較するのが鉄則です。最新の手数料は各行の公式サイト・商品概要説明書でご確認ください。

なお、りそな銀行は保証会社を利用しますが、現在の新規受付は「融資手数料型」と「(融資手数料)金利上乗せ型」の2つで、保証料を別途一括で支払う必要はありません(保証料は借入金利に含まれる扱い)。

<保証会社を使わないことと、保証料を別途支払わないことの違いについて>

「保証会社を利用しないから保証料がかからない」ことと、「保証料が金利や融資手数料に含まれているから別途支払わなくてよい」ことは、似ているようで構造が違います。銀行の視点では、前者は「返済が滞った住宅ローンの処理を自前でやらなければならない」のに対し、後者は「滞った住宅ローンの処理を保証会社へ依頼できる」という違いです。保証会社の利用有無が審査に与える影響を各行は明示していませんが、理論上は、回収を自前で行わなければならない前者の方が審査が慎重になりやすいと考えられます。

もちろん保証料の比較だけで住宅ローンを選ぶことはできませんが、保証料が住宅ローン比較で無視できない金額であることはご理解いただけたと思います。表面金利だけでなく、保証料・事務手数料も組み合わせてしっかり比較しましょう。

住宅ローンの保証料は戻ってくる?(保証料の返金・返還)

先ほどの表のとおり、必要な保証料は借入期間によって変わります。もし住宅ローンの借り換えを検討している人で、いまの住宅ローンの保証料を一括前払い型で支払っている場合、借り換えと同時に、残り期間に応じた保証料が返金(返還)されます(これを「戻し保証料」と呼びます)。

つまり、数年前に保証料のかかる銀行で借りていたとしても、早期に借り換えれば返金される額が増えることになります。一度払ったからといって手遅れになるわけではありません。たとえばソニー銀行など初期費用の少ない銀行へ借り換えた場合、借り換えに必要な費用を、返金される保証料でまかなえる可能性も十分あります。

ただし、戻し保証料には次の3つの注意点があります。

  • 返戻額は「経過期間に比例して減る」のではなく、初期ほど大きく減ります。住宅ローンは当初ほど残高が大きく保証リスクも高いため、計算方法は保証会社所定です。「半分の期間で返したから半分戻る」わけではありません。
  • 戻し保証料からは、保証会社所定の事務手数料や振込手数料が差し引かれます。手続きの方法によって手数料が変わる銀行もあります。
  • 金利上乗せ型には、まとまった返金がありません。毎月の返済に含めて支払う方式なので、完済・借り換えの時点で「払いすぎ分が戻る」という考え方をしません。

借り換えを検討するときは、戻し保証料の見込み額を現在の借入先に確認したうえで、借り換え先の事務手数料・登記費用と差し引きして判断するのが確実です。

■ よくある質問(FAQ)

Q. 保証料無料の銀行が一番おトクですか?
A. 一概には言えません。保証料がない代わりに定率の事務手数料(借入額×2.20%(税込)など)がかかるのが一般的です。金利+保証料+事務手数料の総額で比較してください。

Q. 保証料は途中でやめても戻りますか?
A. 一括前払い型なら、完済・借り換えなどで残期間に応じて返金されます(所定の手数料が差し引かれます)。金利上乗せ型は毎月の負担に含まれるため、まとまった返金はありません。

Q. 定率型の事務手数料も、繰上返済したら戻りますか?
A. 戻りません。融資実行時の事務費用という位置づけのため、繰上返済・借り換えをしても返戻がないのが一般的です。ここが保証料との最大の違いです。

Q. 一括前払い型と金利上乗せ型、どちらを選ぶべきですか?
A. 完済まで借り続ける前提なら、総額では一括前払い型のほうが軽くなるのが一般的です。手元資金を残したい場合や、数年内に売却・借り換えの可能性がある場合は金利上乗せ型も選択肢になります。

Q. 保証料に消費税はかかりますか?
A. 保証料は消費税の非課税取引のため、「税込」表記にはなりません。一方、事務手数料(融資手数料)は課税されるため「2.20%(税込)」のように表示されます。比較するときは、この表記の違いにも注目してみてください。

Q. メガバンクは保証料型しか選べませんか?
A. いいえ。メガバンクでも、保証料を支払う方式と、借入額×2.20%(税込)などの定率型の事務手数料を支払う方式の両方を用意しているのが一般的です。「メガバンク=定額で安い」と決めつけず、保証料込みの総額で比べてください。

■ 保証料無料のおすすめ住宅ローン

auじぶん銀行公式サイト

ソニー銀行公式サイト

ドコモの銀行公式サイト

イオン銀行公式サイト

このほか、SBI新生銀行も保証料0円で、一般団信の上乗せ金利も0円。一部繰上返済手数料もかからないなど諸費用がわかりやすく、店舗とオンラインの両方で相談できる点が特徴です。諸費用を重視するなら検討に値する選択肢の一つです。

■ フラット35は保証料無料!

ドコモの銀行公式サイト(フラット35)

楽天銀行公式サイト(フラット35)

■ 保証料を別途支払わないタイプ(融資手数料型)

りそな銀行の住宅ローン(ネット専用)