(2017年10月3日更新) 住宅ローン 変動金利 今後5年の予想を大公開!

2017年までの変動金利の動向は?

超低金利時代と言われ長い時間が経過していますが、この期間住宅ローンを組んでいた方が最もメリットを受けれた金利タイプが「変動金利」です。変動金利は金利動向により住宅ローン金利が半年ごとに見直される金利であり、半年ごとに金利が見直されるリスクがある分、多くの金融機関では最も低い金利の住宅ローンは変動金利タイプとなっています。

変動金利は「短期プライムレート」という金融機関の優良企業向けの貸し出し金利を基準に決められています。

住宅金融支援機構が行った全国330の金融機関を対象とした「民間住宅ローンの貸出動向調査(2016 年度)」によると新規に住宅ローンを契約する61.8%の方が変動金利を選んでおり、変動金利の人気の高さが伺えます。

次に実際に1984年からの2017年9月までの変動金利の動向をご紹介したいと思います。

出典;住宅金融支援機構

上記の金利は金融機関の「基準金利」と言われる数字であり、実際の住宅ローン借り入れ時には基準金利から1%以上の引き下げが実施されていますので、あくまで水準の目安としてみていただければと思います。

変動金利は30年前のバブル経済期には基準金利が8%を超えており、現在の3倍水準の金利となり、住宅ローンで3000万円の借り入れを35年した場合には総返済額が9000万円にもなる計算であり、現在では考えられないような金利環境であったことが分かります。

実際に住宅ローンが貸し出される実行金利は2000年~2010年頃1.5%~0.775%程度で推移していました。わたし自身もリーマンショック直後にメガバンクにおいて1.2%程度の変動金利で住宅ローンを組んだ経験があります。

長引く金利低下の影響で各金融機関は変動金利の引き下げにも限界が出ており、現在では低金利はもちろん、疾病保障やがん保障などの付加サービスを無料で付帯することが主流になりつつあります。

2017年1月から10月までの変動金利の動向は?

2016年に日銀が導入したマイナス金利政策およびゼロ金利政策により日本国内の金利は引き続き低い水準に保たれており2017年も変動金利に大きな動きは出ていません。

2017年10月現在、国内最低水準の変動金利は住信SBIネット銀行の0.477%、ソニー銀行の年0.549%となっています。

冒頭にもご紹介しましたが住宅ローンの変動金利は短期プライムレートと言う基準から決定されており2016年2月のマイナス金利政策導入以後も全く動いていない状況です。これは金融機関の資金調達や人件費といったコストを考えるとこれ以上の金利低下は金融機関の収益をさらに悪化せてしまうために金融機関が短期プライムレートの引き下げに動いていないと言う背景があります。

このため2016年に日銀が導入したマイナス金利政策導入以降、 10年固定金利やフラット35などの長期固定金利の住宅ローン金利が大幅に低下する中、変動金利は大きな変化を見せておりません。この状況は2017年11月以降も続くと思われます。

【結論】5年後の変動金利の予測は?

日銀が2013年4月に導入した異次元金融政策では2年程度を目標として国内の消費者物価を前年比2%上昇させると言う目標打ち出しました。しかし国際原油価格の下落などの影響もあり4年経過した現在でもこの目標は達成できていません。日本には人口の大幅減少と言う構造的な問題もあり日銀が目標とする継続的な前年比2%の物価上昇は簡単なものではないと思われます。実際、2017年7月に日銀はこの物価2%上昇の目標を1年後ろ倒しし、2019年に達成させると目標を先送りしています。このため今後数年も現在行われている異次元金融緩和およびゼロ金利政策は継続されると思われ、短期プライムレートにも大きな動きはなく、変動金利にも大きな動きがなく現在の水準が続くと考えてよいのではないでしょうか。

住宅ローンの金利動向については

住宅ローンの金利推移・金利動向は?

2017年の住宅ローン金利の動向と予測

も参考にしていただければと思います。

最後に最新の変動金利を確認しておきましょう。ぜひ、ご自身にあった住宅ローン選びに活用ください。

変動金利比較表/

変動金利比較表
No銀行名変動金利特徴
1auじぶん銀行
HPご確認% (新規借り入れ・全期間引下げプラン)
※1
がんと診断されたら住宅ローンの残債が半分になる、がん50%保障と全ての病気とケガを保障する全疾病長期入院保障※2が無料で付帯してこの低金利。低金利ネット住宅ローンの代表格。
1
SBI新生銀行年0.290%(手数料定額型)金利優遇キャンペーン適用時
2住信SBIネット銀行(WEB申込コース)年0.298%~(通期引下げプラン)
※2
インターネット専業銀行として高い人気を集める住信SBIネット銀行の住宅ローン。全疾病保障が無料で付帯。
2PayPay銀行年0.315%(全期間引下型)三井住友銀行とZホールディングス(旧ヤフー)が出資する日本初のネット銀行。来店不要・ネット完結・電子契約で利便性も抜群。
※借入総額が、物件購入価格および建築請負価格の合計額に対して90%以内のお客さまが対象です。
※本優遇を受ける場合は、諸費用、事務手数料も自己負担となります。
3
ソニー銀行
(変動セレクト住宅ローン)
年0.397%
オリコン顧客満足度上位常連。無料の疾病保障も魅力。
※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります
4イオン銀行年0.380%※4イオングループでの買い物がいつでも5%オフ
※この表の金利は定期的に更新されるため、記事本文と更新タイミングが異なる場合があります。
※1 。審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
※2 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。審査結果によっては金利に年0.1%~年0.3%上乗せとなる場合があります、借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
※4 物件価格の80%以内でお借入れの場合